2015年10月13日火曜日

厚生労働省職員のマイナンバー収賄容疑事件はわが国変革の足がかりとなるか

 本日(平成27年10月13日火曜日)の『朝日新聞』と『読売新聞』夕刊には、共通番号(マイナンバー)制度に係る認証システム関連の開発業務に関して、厚生労働省職員キャリアが随意契約落札企業に対して100万円を要求したという収賄容疑事件が1面で報道されています。日本経済新聞には、記事がありません。この点が面黒いです。大手町の一角では、誰かが、慌てて私用のスマホから売り注文を出していたりするのでしょうか。

 警視庁が逮捕したとのことで、先頃のビジネスジェットに係る国交省職員キャリアの収賄事件といい、グッドジョブだと思います。いずれの事件も、新聞報道による限りでは、逮捕された収賄側(の公務員)が役職に当然要求されるべき倫理を備えていなかったものであるように思われます。国家公務員職員キャリアが私益を追求する事例は、半ば公的なシステムと化している天下りを置いておくとしても、まだまだ水面下に存在することが示唆されます。有名どころでは、元キャリア・元首長による事後収賄行為も警視庁の管轄下で進みつつあるようですから、ぜひ、果敢に切り込んでほしいものと思います。
 ただ、どの企業のどの入札案件についてなのかを私自身が調べ切れていないので、事件全体の構図には、理解しがたい部分が残ります。贈賄側の企業は、時効により逮捕を免れたとされます。その企業の果たした役割が分からなければ、本事件の構図は、場合によっては転倒したものとなるかもしれません。報道にある以上の情報がなければ、企業が「はした金で邪魔者を排除した」というケースを除外できないからです。
 本事件については、分からないことが多いながらも、今回の逮捕を賞賛したいと思います。贈賄側企業が何かの陰謀を巡らせたかどうかに関係なく、国家公務員I種採用者たちがなすべき仕事をせず、守るべきを守らなければ、結局のところ、わが国の行く末は、誤ったものとなるからです。なお、本当にスマートな人ならば、本事件については、事件のおおよその輪郭がつかめるまでは、沈黙を守るのが賢い態度であるかと思います。わが国の制度の大半は、誰もがダーティにならざるを得ない硬直的なものです。こうした状況下では、オマエも同類だという批判を受けないよう、目立たないようにふるまうことが大人の処世術だということになります。「雉も鳴かずば打たれまい」という諺のとおりの世の中となってしまっているのです。(軽犯罪法を含めれば、過去数年間のうちに、一度も犯罪とされる行為に手を染めなかった人は、おそらくいないでしょう。)しかし、この国の行く末をハードランディングから救いたいという気概を持つ人には、もうそろそろ、自身のプリンシプルに基づいて、適切なアクションを起こすことが求められています。私の役目は、物事を正確に表現することに努めるというものですが、私の専門分野の対象となる社会は、発言により観察対象が変わるという特徴を有しています。再帰性を有しているのです。司法警察活動は、硬直的な刑法典と社会制度の下では、必然的に選択的な活動とならざるを得ません。一罰百戒で小物の微罪を狙うのも、巨悪を的にかけるのも、その選択結果までもが問われることになります。二件の現役行政職員キャリア組の収賄事件には、小物の微罪感が漂いますが、これが契機となって、企業犯罪を慎もうとする意識がエリート層に浸透するのであれば結果良し、ということだと思うのです。

平成27年10月14日21時10分修正 夜9時のNHK『ニュースウォッチ9』によると、どうやらII種らしいとのこと、ネットの一部に「異能のノンキャリ」という表現も。修正しました。正確な表現に努めるべきところ、官報等を確認するのを怠りました。
平成27年10月15日18時45分修正 また訂正です。上述の国交省職員の採用職種も分からないながら、おそらく旧II種であろうことから、訂正しました。官報等を確認するのを怠ったままです。以上、訂正してお詫びします。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントありがとうございます。お返事にはお時間いただくかもしれません。気長にお待ちいただけると幸いです。