2019年4月7日日曜日

(メモ)元号の候補に「安」の字が含まれていてもおかしくはなかった

本稿では、見出しのとおりの主張をなすため、漢字2文字からなる元号の候補を無作為に生成し、6種を選択した場合に「安」の字がどれほど含まれ得たのかについて、シミュレーションを実行した結果を報告する。結果は、下図のとおりである。100万回1セットの試行を繰り返した場合、今回の試行とは異なる度数を得るが、その(試行を複数回繰り返すことにより度数の信頼区間を推定する)作業は省略する(。単に、私のスクリプトの組み方が稚拙なためである)。1種以上の候補に「安」の字が含まれることは、それほど不自然なことではなかった(が、事前に騒ぐ向きがあったために、下図より示唆される三割程度の可能性は、事前に断たれたと観ることも可能である)。


6種類の新元号の候補に「安」の字がどの程度含まれ得たのか

2019年4月6日土曜日

(メモ)大学入試共通テストは段落書きを広める機会になり得る

「大学入試共通テスト」の平成30年度試行調査(2018年11月10日・11日実施)の採点結果が4月4日に公表されたが、国語第1問目の問題文に採用されている文章2点は、いずれもパラグラフ・ライティングされている。鈴木光太郎『ヒトの心はどう進化したのか――狩猟採集生活が生んだもの』(ちくま新書1018, 2013.6)正高信男『子どもはことばをからだで覚える メロディから意味の世界へ』(中公新書1583, 2001.4)である。もっとも、同年度調査の第2問目(著作権法の解説文)、平成29年度の第1問目(壁新聞)、第2問目の出典である宇杉和夫ほか『まち路地再生のデザイン――路地に学ぶ生活空間の再生術』(彰国社, 2010.1)の文章群は、段落書きの何たるかを理解しているとは認められないから、集団としての問題作成チームには、段落書きの作法ならびに効用が理解されていないのかも知れない。実際、出題内容は、段落書きされた文章を段落読みするだけで、直ちに答えられるものでもない。大学入試は、多数の日本語話者に対して、効率的かつ正確な情報伝達のための文章作法を訓練する好機であるから、ぜひとも、その問題文は、段落書きされた文章のみを使用して欲しいものである。


[1] 大学入学共通テストの導入に向けた平成30年度(2018年度)試行調査(プレテスト)の結果報告及び地理歴史A科目の参考問題例について
(2019年04月04日)
https://www.dnc.ac.jp/sp/news/20190404-03.html