2015年10月22日木曜日

沖縄県における地方紙の県民世論調査(感想文)


 沖縄タイムスと琉球放送の県民世論調査は、翁長知事の取消を強く支持するものであるという※1。このようなマスメディアによる調査結果に接したときは、「調査機関への好悪」が「調査対象者の態度」に影響していないかどうか(系統誤差の有無)を確認する必要がある。地方紙のシェアについてのFACTA Onlineの記事では、2007年の時点で、沖縄タイムズは、発行部数が公称206,845部、県民世帯のシェア41.3%になるらしい※2。琉球新報は、201,929部で38.6%※2。主要紙5紙の発行部数及びシェアは、沖縄県では著しく低い※2。琉球新報も、類似の調査を今年(平成27年)6月に実施しており、おおむね似たような結果を得ている※3
 以上を合わせると、沖縄県民の(米軍)基地への反対姿勢は、総じて明確である。

※1 辺野古承認取り消し、支持79% タイムス・RBC世論調査 2015年10月20日09:00
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=137794
 沖縄タイムスと琉球放送(RBC)は、翁長雄志知事が名護市辺野古の新基地建設に伴う沿岸部の埋め立て承認を取り消したことを受け、16~18日の3日間、電話による緊急世論調査を合同で実施した。知事の取り消し判断を「支持する」と答えた人が79・3%に上り、....

※2 朝毎読日経 VS 地方紙のシェア争い独占入手 都道府県別発行部数一覧 2007年7月号 DEEP(FACTA Online)
http://facta.co.jp/article/200707008.html

※3 「辺野古取り消し」77% 県内移設反対83% 世論調査 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
http://ryukyushimpo.jp/news/prentry-243697.html



 蛇足となるが、沖縄県の新聞のシェアを調べようとしたところ、Google検索結果では、『ガベージニュース』※4が首位となったが、この記事は、明らかに素人の手になるものである。まず、沖縄県における全国紙のシェアは、元から微々たるものである。次に、発行部数が増加しているとしても、その程度は、(何に基準を置くかにもよるが、)沖縄県民の新聞購読傾向の変化を論じる上で無視して良いものである。

※4 沖縄以外のすべてでマイナス、関東・近畿圏で大幅減…全国紙の地域別世帯シェア動向(2015年前半期版) - ガベージニュース
http://www.garbagenews.net/archives/2141042.html

 誰でも情報発信できる時代になり、素人の手になる分析がGoogle検索の上位を占める時代となった。私見に過ぎないが、文章の品質は、その産出過程により出来具合が左右される。その順序は、

その道のプロと交流があり、自身の見識も深い人が十分な調査を行ったもの
 >>その道のプロからの耳学問だけを頼りに記したもの
    >いくつかの書籍を元にGoogle検索で補足したもの
      >2ちゃんねるの板に示された情報だけで構成されたもの

という形になろうか。TwitterやFacebookも使いようによっては、ツボを押さえた情報源となるであろうが、双方向性によって情報の集積を体系化された知識と変えることが前提であろう。ある知識の体系に過不足がないかどうかを調べるには、どうしても、双方向性が欠かせない。(ということを、私は常々痛感している。そうでなければ、どうしても、調べ物の負荷が高くなる。)
 今回の世論調査もそうであるが、地方の事情を論じる上では、地方紙の特性に目配りすることが欠かせない。私の専門である犯罪予防分野では、実は、地方紙が一時期大きな影響力を発揮したことがある。現在では、犯罪予防分野に係る地方紙の特性あるいは影響は、それほどではないと考えて良いが、そこでの経験は、沖縄県の2地方紙の基地問題に対する影響力を考慮する際にも、応用できるものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントありがとうございます。お返事にはお時間いただくかもしれません。気長にお待ちいただけると幸いです。