2015年10月20日火曜日

五歳年齢階級別自殺率の推移

図1 五歳年齢階級別自殺率(千人当たり年間自殺者数、当月以後12ヶ月の確定数)
図1は、五歳年齢階級別(0~4歳、5~9歳は除く、10~14歳、....、75歳以上の14階級)に、自殺率(千人当たり年間自殺者数)を求めたものである。当月以後12ヶ月の確定数を利用している。3.11以後、どの年齢階級においても、自殺率が減少する時期がある。大きな流れで言えば、それ以後も減少傾向にあると言いうるが、平成26年以後、増加に転じているようである。テクニカルに増加しているか否かを検証することは簡単であるが、それよりも、私の個人的な関心は、なぜ増加し始めたのかにある。病苦から自殺を選択した人たちが増加している虞がある、というのが私の最も心配することである。
 図2は、平成21年1~12月の五歳年齢階級別の自殺率を1として、指数を示したものである。10~14歳の自殺率が急激に増加していることを読み取ることができる。注意すべきは、ある年齢層にさしかかったコホート※1の悩みは多少共通するであろうが、5年後には、ある年齢階級に属するコホートは、1階級上のコホートに移動することである。それゆえ、10~14歳階級における急激な自殺率の増加は、近年10~14歳に属するに至ったコホートに特有の構造が隠れているのか、または、社会全体において何らかの構造の変化が生じているのか、いずれであるのか、判然としない。犯罪学においては、松本良夫氏ら科学警察研究所のグループによるコホート別の少年犯罪率についての研究がある※2が、それと同じ種類の問題が自殺についても該当するということである。

※1 たとえば、私は、昭和50~54年生まれコホートに属する。
※2 余計にマイナーな事例になったかもしれない。比較的最近のものとして、岡邊健氏ら同研究所における後継的な位置づけの研究がある

図2 五歳年齢階級別自殺率(千人当たり年間自殺者数、当月以後12ヶ月の確定数、平成21年1~12月=1.0の指数)


 なお、わが国の人口減少は、常識の部類かも知れないが、少子多死、つまり、死亡者数の増加と出生者数の減少が同時に生じているためである。出生をモデル化する作業は、私の専門外であり、桁についての感覚などがなく※3、現在、グラフを掲載した死亡者数の推移に比べて、セルフチェック機能が働かないために、公表することは差し控えたい。

※3 社人研報告に従い、死者数についてブートストラップ推定することは、別途、実行してみたことがある。しかし、出生者数をMCMCで推定する方法は、まだ実行してみてはいない。丁寧な作業を心がけるなら、出生者数の推定の方が試みるべきことが多い気がする。

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