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2017年7月12日水曜日

(メモ)田中俊一氏の北朝鮮のミサイル攻撃に対する発言は要職にあるまじき不見識である

やや賞味期限を経過した話であるが、原子力規制委員長の田中俊一氏の北朝鮮のミサイル攻撃に対する発言(下記引用)は、要職にあるはずの田中氏に対しても、ミサイル攻撃のイメージがいかなるものであるのか、正しい情報が適時かつ適切に提供されていないことを示す兆候である、などと理解することができる。もっとも、田中氏の「失言」は、「田中氏がミサイル攻撃のイメージを正しく理解した上で、国民向けにわざと誤ったイメージを流布したものである」という可能性も否定はできない。あるいは、可能性としては一段落ちるものになるが、その肩書から期待されるよりも田中氏の知性が低かったために、レクを受けたにも関わらず内容を理解できなかったか、レクを理解できないであろうことが関係者に予想できていたためにレクを受ける機会すら与えてもらえていなかったかなどの、より情けない場合も考えることはできる。単に省庁縦割りの弊害ということも考えることは可能である。いずれにしても、わが国の安全保障の一翼を担う原子力行政において、エリート主義は、健全には機能していない。

ミサイルの命中精度が悪いときには、多数のミサイルを使用すれば良い。この考え方は、ごくごく自然であるが、田中氏には想定外であったかのようである。巨大な一品モノと揶揄できよう原子力発電所を相手にしているからか、一発しかミサイルが飛んでこないかのような理解である。大平洋戦争の教訓は、田中氏には、一つも理解されていないかのようである。質問者がいかに質問・反論したのかは述べられていないが、ここに示した話は、常識の範囲内である。次回以降、本稿に示した考え方に基づく質問・反論が出てこないとは限らないであろうし、何より、攻撃者の側は、私よりも遙かに戦争を理解しているであろうから、私がここで指摘する話は、彼らプロからすれば、すべからく想定内の話であろう。

もっとも、北朝鮮が日本本土に対して、突然、先制攻撃を仕掛けてくるという事態は、確率で論じるに相応しい話ではないが、当面の間、低いものと考えられる。国際社会に軍事行動への正当性を与え、北朝鮮の現体制を自ら崩壊させることになるためである。他方、わが国の現体制は、低下した国民の支持を回復させるためにも、北朝鮮がわが国に対して「適度な悪役」として振る舞うことを望んでいるであろう。ただ、原発に対するミサイル攻撃も、東京に対するミサイル攻撃も、後戻りできない種類の悪事である。許容される種類の悪事としては、日本国の領土の上空を超える形でミサイルを発射して大平洋に落下させるというのが、せいぜいのものであろうし、そのとき、北朝鮮は万全を期して所定の目的を達成しようとするであろう。ひるがえって、わが国の選良たちは、万全を期して所定の目的を達成しようとしているのであろうか。田中氏の回答からすれば、到底そうであるとは肯定できない。

田中氏の回答として適切であったものを考えてみると、それは、「北朝鮮は、おいそれとわが国を攻撃する訳にはいかない、地震や津波よりも、他国による攻撃は低い確率のものであり、地震や津波への対策は万全である」というものとなったであろう。非確率的な人災と定義されうるミサイル攻撃そのものについて議論を戦わせるよりも、自らの専門であると他者からみなされうる分野に留まり、ミサイル攻撃というリスクが相対的に小さなものとなると見込まれることを説明し、そのリスクの見積の担当が政府の別部門となることを示せば良かったのである。正確には、「ハザード生起確率は、自然災害のように見積もることが困難であるほどに僅少である」旨を説明するとともに、対策の詳細については安全保障上お答えする訳には参りませんとすれば、そこでの議論は収束できたはずであったと考えられるのである。もっとも、私は、このような回答を信用しないし、これに対する反論を用意することも可能であるとは考えるのであるが、それは、このような(公開の)場には相応しくない話であろう※1


※1 論拠として考えられるもののうち、私にとって正解と思われるものは、ここに記して公開する訳にはいかない。答えとして考えられるもののうち、「外れ」として安全なものを挙げておけば、人工地震はどうした、という指摘を挙げることができよう。人工地震は、現状、公に言及した者がトンデモ扱いされるため、田中氏をディスるには不向きである。


[1] 原子力規制委員長:田中氏、北朝鮮ミサイルで失言 - 毎日新聞
(近藤諭・高橋一隆、2017年07月06日20時08分、最終更新07月07日00時10分)
https://mainichi.jp/articles/20170707/k00/00m/040/090000c

田中委員長は「小さな原子炉に落とす精度が(北朝鮮のミサイルに)あるのかよく分からない」と述べた後、「私だったら東京のど真ん中に落とした方がよっぽど良いと思う」と発言した。

2017年6月11日日曜日

(書評・感想文)西部・佐伯〔編著〕『危機の思想』(2011, NTT出版)

西部邁・佐伯啓思〔編著〕, (2011.8.4). 『危機の思想』(The Critical Thought in the Critical Situation), 東京: NTT出版.について、(万が一ではあるが、再度)読んだときの陸軍風のメモを晒す。後輩に勧められて読んだが、冒頭から西部ワールド全開に嫌気が指して「こんなオレオレエッセイが罷り通るのが危機の始まりなんじゃコラァ」と思い、目次までの間にさようならとなったような覚えがあるようなないような。デジタルメモが「危機管理」なる分野の話を調査し始めた途端に完全に飛んだという時期に係る可能性もある(飛んだこと自体は事実である)。

氏名最終階級学歴摘要
×西部邁教授東大卒?造語多し・視野偏狭
○佐伯啓思教授東大卒?カント@リスボン
◎柴山桂太准教授京大修?段落書き・シュペングラー
△中島岳志准教授京大博トポス論・散文
×東谷暁(編集長)早大卒「想定外」で論理破綻
○藤井聡教授京大博葉隠の覚悟・ミサイル攻撃
△富岡幸一郎(評論家)中大卒文章冗漫
○中野剛志准教授エディンバラ大博ショック・ドクトリン
×原洋之介教授東大卒?「想定外」を大誤解

こうして評価を眺めると、見た目、知識とおもしろさと文体とは、階級と無相関とは言えなさそうである。西部氏の外れ値ぶりが際立つことになる。最近読んだ本の中で、最も段落読みできるのが金哲, 渡辺直紀〔訳〕, (2008=2017). 『植民地の腹話術師たち 朝鮮の近代小説を読む』, 東京: 平凡社.であったことを思うと、大学教育という構造により生じた落差の感があり過ぎる。(この本は、訳者のあとがきまで段落読みできていたら、最高だったのに。)原子力産業の内輪ネタ化は悪であるが、その批評すらガラパゴスになるのだという、わが国の論壇の恐ろしさを改めて覚えた次第である。

なお、表の列名(表頭)は、ある書籍のある史料を参考に作成したものである。「摘要」の語が現在の意味と異なるのは、まあ仕方ないということで。

2017年5月17日水曜日

嘘と過ちとは、事後の訂正の有無によっても弁別される(3)

#本稿は、本日(2017年5月17日)中に後半部分を追記したものである。

ジャーナリストのまさのあつこ氏は、今年(2017年)5月3日の時点で、浪江町の森林火災によりモニタリングポストの計測値が上昇したことを指摘する[1]とともに、降雨との関係を9日の記事[2]中で考察している。拙稿においても、羽田空港のモニタリングポストの計測値を確認した(2017年5月10日)。これらの材料をふまえれば、当該の山火事によって放射性物質の拡散が起こらなかったと断定することは、極めて困難となっている。

また、本ブログでは、『スプートニク日本』の掲載したイメージ写真が何らかの意図を有していたことまでを想定に入れた考察を提示した(2017年5月12日)。3.11当時、公務員ならば、「直ちに影響はない」という枝野幸男氏の言葉から、事の深刻さを十分に理解できたであろうが、この歴史に残るフレーズ以降、わが国では、何事も、考え過ぎるに越したことはない。この見立てが正しければ、福島第一原発事故に言及する表現者は、「情報戦」に参加しているものと心得ておいた方が無難である。とりわけ、マスコミ関係者の動向に対しては、周囲の厳しい目があるものと考えた方が良いであろう。

このような折、元・毎日新聞社従業員の『BuzzFeed Japan』の石戸諭氏は、まだ、下記引用のように報じた内容を訂正していない。『BuzzFeed』は、新興メディアの中では、ヒラリー・クリントン氏を応援する姿勢を鮮明にしており、また、日本語版で森友疑惑を批判的なスタンスで取り上げてきた辺り、ソロス一派と歩調を合わせている。福島第一原発事故についても問題がないかのように示唆する辺りは、ソロス一派と益々同調的であると言うことができよう。『BuzzFeed Japan』の権力批判とは、お金をくれそうな相手に応じて、フラグが立ったり立たなかったりするものと見える。そっとでも良いから、福島第一原発事故の影響がないかのように読める文面は、修正しておいた方が良かろう。

『BuzzFeed Japan』の言論の恣意性は、トランプ大統領に対する批判にも表れている。昨年(2016年)11月の米大統領選挙直後のことになるが、籏智広太氏によるトランプ氏のツイートへの批判[4]は、トランプ氏(陣営)による当該のツイート[5]の真偽そのものを吟味するものではなく、そのツイートに対する他のユーザらの反応に終始するものである。トランプ氏のツイートの和訳は、「プロ市民」となっている。しかし、この語では、トランプ氏が念頭に置いたと認められる「デモ活動の対価として金銭を受領している」という「プロフェッショナル」の意味合いが減じられたものとなってしまう。なぜなら、「プロ市民」という日本語は、手弁当による政治的活動という意味合いを残したものとして、曖昧に利用されているからである。トランプ氏の批判の主たる対象は、ジョージ・ソロス氏らの一派によると目されていた、金銭により動員された「人工芝運動」であった。籏智氏は、金銭的な対価を得て批判するプロであるところ、このニュアンスを意図的に抹消したと認められるのである。この籏智氏の記事がソロス一派の意に適うものであることを考慮すれば、全員が共通の利益を享受する存在であると考察することまでは、ほんの一歩である。無論、偶然の一致というものはあり得ようが、記事が一貫してトランプ氏の政敵であるソロス氏を利するように紡がれることと、そこに金銭的利益の可能性を指摘することとの間には、十分な理由があるものと考えて良い。

『BuzzFeed Japan』の主題の取り上げ方のタイミングは、マスメディアに準ずるものとはいえ、森友学園疑惑についても、恣意的である。同紙の森友学園疑惑の取り上げ方は、本日(2017年5月17日)の『朝日新聞』朝刊1面における「加計学園疑惑」の取り上げ方と同じく、タイムライン上に十分な違和感があるものである(2017年3月30日の記事参照)。森友学園疑惑のマスメディア報道の主要論調に乗る形で、この話題を継続的に取り上げるに至ったということ自体、同紙(BuzzFeed)のリソースまで加味すれば、低い確率で生起する事象であるとみなしても良いであろう。トランプ氏への反対、森友学園疑惑、福島第一原発事故という、3種の事象の大枠に対する賛否だけを問うても、8分の1未満の確率でしか、『BuzzFeed Japan』とソロス一派の態度とは、一致しないのである。『BuzzFeed Japan』がソロス一味と同一視され続けないためには、個別の論点を是々非々で厳しく問い、ソロス一味の金銭上の利益と対立するような、金融寡頭制批判を厳しく展開する必要があろう。


[1] 帰宅困難区域の山火事は何を物語るか(まさのあつこ) - 個人 - Yahoo!ニュース
(まさのあつこ、2017年05月03日13:40)
https://news.yahoo.co.jp/byline/masanoatsuko/20170509-00070783/

[2] 消火活動続行中:帰宅困難区域の山火事を教訓に国が行うべきこと(まさのあつこ) - 個人 - Yahoo!ニュース
(まさのあつこ、2017年05月09日19:53)
https://news.yahoo.co.jp/byline/masanoatsuko/20170503-00070575/

[3] 福島県・浪江町の山火事とデマ 「放射性物質が飛散」と報じた地方紙が謝罪
(2017年05月07日07:01 GMT、石戸諭)
https://www.buzzfeed.com/satoruishido/fukushima-yamakaji

危険論が広がったが、福島県内でも放射線量の数値が上がっていないのが事実だ。全国の状況は原子力規制庁のホームページで確認できる。

[4] トランプ“大統領“「プロ市民がデモをしている」とつぶやき炎上中 (BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース
(BuzzFeed Japan/籏智広太、2016年11月11日14:29)
https://web.archive.org/web/20161219133147/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161111-00010005-bfj-int

"公正に開かれた大統領選挙が、大成功に終わった。いま、プロ市民たちが、メディアに扇動されてデモをしている!アンフェアだ!"
〔トランプ氏の〕発言はさっそく炎上中だ。つぶやきから3時間でリツイートは3万5千回近くにまで伸び、多くの批判が集まっている。
〔...略...〕
ちなみに2012年、前回の大統領選挙のとき、トランプ氏はこうつぶやき、デモを「扇動」した過去がある。

[5]




2017年5月18日修正

文言を分かりやすく改めた。

報道機関は、常に権力を批判していれば、誰にも恣意性を批判されない。このプリンシプルに違背しているために、最近の『BuzzFeed Japan』は批判されるのである。

2017年5月12日金曜日

嘘と過ちとは、事後の訂正の有無によっても弁別される(2)

#先日の記事(2017年05月07日)よりもハイブローで不健全な予想である。このため、本記事は、別立てとした。読者諸賢には、あくまで、小さな可能性であるとして、穏当に検討されることを願う。

『スプートニク日本』に掲載されていたカナダ・アルバータの森林火災[1]の写真[2]は、2017年5月12日現在、リンク用のサムネイルに至るまで削除ないし差替されている[3]が、この写真がわざわざ選択された理由として、もう一段深いものを見込むことも可能である。つまり、チェルノブイリにおける被害の様相をそれとなく日本国民に伝えるべく、この写真がわざわざ選定されたという理由である。(『国際秘密力研究』の菊池氏には批判されそうであるが、)性悪説に立てば、人間は、学習する機会がなければ学習しようとはしない。『スプートニク日本』の企画者は、日本のネトウヨのような分からず屋にも福島第一原発事故の影響を理解させるためには、荒療治が必要だと考えた可能性がある。

今回、ネトウヨの類いは、Googleの画像検索を利用して『スプートニク日本』を批判したものと思われるが、このとき、Google検索結果には、『PinInterest』の災害写真集[4]がリンクの上位に掲載される(閲覧注意)。日本人は、チェルノブイリ原発事故を他山の石として学習する必要があるが、ネトウヨのような学習しようとしない人物らにもわが国の将来像を啓蒙する必要がある。世界の重大事故の中には、当然にチェルノブイリ原発事故が含まれるから、事故に係る写真集に誘導しさえすれば、ネトウヨの目にもチェルノブイリの惨状が映る機会が生じる。このように『スプートニク日本』の担当者が考えたとしても、完全な無理筋とまでは言えないのである。ただし、一般人から見て、この考え方が許容されない程度の疑り深さに到達してしまっていることも、私自身が自覚している。

広島の原爆直後の産婆さんの話などは、3.11後に(再度)広く知られるに至っているから、福島第一原発事故に係る「情報戦争」において、チェルノブイリにおける悲劇を必要以上の形で参照する必要はない、と考えることも可能であろう。しかしながら、一部のネトウヨらは、安全性を主張する余り、事故後の「影響ゼロ」を自身でも信じこんでしまっているようにも見える。また、(エア)御用学者らは、事故の影響がないと主張してしまって、引くに引けなくなり、現在に至るから、今更、自説を修正することなどできないのであろう。これらの矯正困難な犯罪者(絶対安全を主張した御用学者や雇用された書込主は、背任罪や詐欺罪を犯している)こそに教化が必要であるとき、一種の「Scared and Straight」(脅して直す)を試みようとする動きがあっても、おかしくはない。念のため、「Scared and Straight」とは、筋金入りの犯罪者が俺みたいになるなと非行少年を諭すという方法であるが、これは、『キャンベル共同計画』のメタ分析によって、逆効果がある、つまり、失敗政策であることが明確に示されている。それに、被写体がいかなる思いで写真撮影に応じたのかも定かではないから、被写体の人権から見ても問題含みのものである。ただ、日本の現在の映像報道の事情は、世界標準から見ても特殊であるし、この特殊性は戦後長い時間を掛けて形成された洗脳政策の一環である。このため、仮に、チェルノブイリの写真を通じたショック療法が企図され実行されていたとしても、この企図をガラパゴス的見地から全批判することは、なかなかに難しい。それに、ショック療法が必要なほどネトウヨがこじらせてしまっているのも事実ではある。写真を通じた情報戦が実在するとすれば、そのあり方を批判する前に、日本国民であるならば、まず最初に「メルトダウンはないだす」の全否定から始めないといけないであろう。


[1] Engulfed by fire: Tens of thousands evacuating from Alberta blaze in Canada (PHOTOS, VIDEOS) — RT News
(記名なし、2016年05月04日00:35、更新 2016年05月04日14:15)
https://www.rt.com/news/341727-fort-mcmurray-alberta-fire-evacuation/

[2] https://jp.sputniknews.com/images/211/46/2114616.jpg

[3] 経済産業省 核廃棄物の埋めたてが可能な場所を示す「マップ」基準まとめる
(2017年05月02日 17:25)
https://jp.sputniknews.com/japan/201705023594876/

[4] 196 curated Catastrophies/Disasters ideas by onenfay12 | Oklahoma city, September 11 and Natural disasters
(2017年05月12日確認、閲覧注意
https://www.pinterest.com/onenfay12/catastrophiesdisasters/

2017年5月10日水曜日

羽田空港モニタリングポスト計測値を降雨量とともに図示してみた

原子力規制委員会が公表している都内のモニタリングポスト(MP)計測値のうち、羽田空港※1の分(上段)を、降雨量10分値(下段)とともにグラフ化してみた。詳しくは、画像ファイル(png形式、11,476,901バイト、Googleドライブ、「w20170510_MP_羽田空港.png」)を参照されたい。水色の垂直線は、参考のため、降雨があるときに限り引いてみたものである。情報の種類としては、下段のアメダス10分値と被ることになる上、1ピクセル分ずれることがあり、正確さにも欠けるが、学術研究でもないから、その辺は見逃して欲しい。ファイルサイズが大きすぎるし、サムネイルを載せても意味がないような絵になるので、サムネイルは掲載しない。作成時のスクリプトは無理矢理なものなので、これも掲載しない。ただし、同じグラフを再現すること自体は、可能なはずである。なお、作成には『R』と『ggplot2』『XML』『RCurl』パッケージを利用した。

ガイガーカウンターの類い※2を所持している都民なら、降雨と関係なく、北風等※3によって(空間線量等の)計測値が上昇するという経験は、かなり馴染みの深いものであろうが、羽田空港のMPの計測値は、上昇の際、ほぼすべてが降雨を伴い、数時間程度で元に戻るというパターンを繰り返している。MPと手元の計測値は、明らかに連動していない。そもそも、MPの計測値からは、バックグラウンドとされる0.055マイクロシーベルト/時(新宿の場合か)ほどが減じられているが、この点は、ダウンロードサイトにおいても、適切に解説されていない。この点だけでも、原子力規制委員会の公表のあり方は、改善されるに値する。

しかも、降雨に伴い、Rn-222(ラドン)ならびにその娘・孫核種により空間線量が上昇するという指摘がある[1], [2]とはいえ、MPの変動は、ラドンだけでは、説明が難しそうである。ラドンによるとの説明は、御用学者らが好んで採用するものであるが、正確を期せば、MPの計測値の変動は、別種の機器を利用しなければ、ラドンによるものと確定することはできない。羽田空港周辺を移動する大気中のラドンの濃度に係る時空間統計が存在すれば、ラドンの濃度分布の時空間上の変化だけでMPの計測値の変動を説明することが可能かとは思われるが、これは、もちろん、ないものねだりというものである。原因がラドンであってフクイチ由来の放射性物質ではないことを断定するためには、ラドンの発生・上昇・蓄積の過程、MPの上空を通過する大気中のラドンの濃度分布、雨による降下のメカニズム、降雨量との対応、のそれぞれについての説明が必要であり、MPの計測値の変動の100%がカバーされる必要がある。簡単な事例を挙げれば、グラフにおける変動のうち、2015年11月以降について、説明のしにくそうな変動を、下記リストに示してみたが、このうち、2017年5月1日の変動と4月11日・18日の変動は、降雨量と以前の雨の日からの間隔だけでは説明できないほどの差がある。この変動の差を十分に説明できるだけのモデルなりを提示して、東京都区部において、実際にそれだけの変動がラドンによって生じることを、ある程度の説得力を以て示す必要が、(エア)御用学者には求められているのである。

  • 2015年11月18~19日
  • 2015年11月25~26日
  • 2016年1月18日
  • 2016年3月7日
  • 2016年3月17日
  • 2016年10月28日
  • 2016年12月27日
  • 2017年2月10日
  • 2017年3月28日
  • 2017年4月11日
  • 2017年4月18日
  • 2017年5月1日

私から見れば、帰還困難区域の山林が燃焼した以上、樹木に固着された放射性物質が大気中に拡散するため、その煤煙が関東地方まで流れてくるとき、当該地域で空間線量が上昇するのは、当然の帰結である。なぜ、そこまで事故の影響を「なかったこと」にしたいのか。放射能汚染の問題は、そもそもが、程度問題である。事故やその後の影響を、まるで「なかったこと」にするという態度は、あまりにも科学的とは言い難い。(私よりも、余程、)科学的であることに拘泥し、そのように表明する者が取る態度としては、相応しくないものである。私が「原発ムラと仲間たち」の中で、声の大きな学術関係者らを軽蔑するのは、科学に対して、時々の都合に応じて彼らが態度を変えるからでもある。


※1 羽田空港は、私の自宅からみて南西方面の最寄りのMPである。距離を計測していないが、新宿が最近隣とは思われる。ただし、新宿のMPの場合、気象台などとの対応関係を考察するのが面倒であったので、同一地点とみなすことを主張しやすい羽田空港を選択した次第である。MPとAMeDAS観測所の双方の所在地を確認しておらず、羽田空港も広いから、案外問題になるほどの距離が生じているかもしれないが、その追究は、本文中で後ほど述べるラドンの問題を解決できる見込みが立ってからである。

※2 説明やその後の表現が面倒になるので、表現を丸めた適当なものとしておく。

※3 北半球では、台風による風の向きも同一の形状を取るが、全球規模のスケールでの「巻いた風」も、『Meteocentrale スイス』の風向き予測[3]では、それなりに良く見るものである。


[1] 坑内の放射線 (04-03-02-01) - ATOMICA -
(一般財団法人高度情報科学技術研究機構(RIST)、1998年05月)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-03-02-01

[2] ラドン-222 (222Rn) | 原子力資料情報室(CNIC)
(原子力資料情報室、作成日不明)
http://www.cnic.jp/knowledge/2601

[3] Weather-Extra Japan zoom
http://www.meteocentrale.ch/index.php?id=2379&L=10




2021(令和3)年7月28日修正

グーグル・ドライブのファイルにセキュリティアップデートとやらが適用され、リンクにアクセス不能となる可能性があるとの通知を受け、当該リンクを修正した。内容は変更していない。

2017年5月7日日曜日

嘘と過ちとは、事後の訂正の有無によっても弁別される(1)

浪江の山火事にまつわる話は、方々に「飛び火」し、ロシアのメディアである『スプートニク日本』にも影響が及んでいる。同紙は、カナダのアルバータ州における2016年5月1日以降の森林火災[1]と思しき写真を、浪江の山火事を報じる記事[2]の冒頭に掲載していたようである。これを「taka.iwata(@taka_x_taka)」氏がスクショして咎め立てたところ[3], [4]を、ニセ科学分野に係る著書のある左巻健男(@samakikaku)氏が「taka.iwata」氏に同意するものと認定できる形でリツイートしている。変更の詳しい経緯については、原本を参照できないために言及しかねるが、『スプートニク日本』は、この記事の冒頭の写真を、後に、福島第一原発事故のものであると明確に認められるものに差し替え、当該のツイートを削除している※1

『スプートニク』は、ごく最近になって突然、わが国の主流メディアにより、オルト・メディア※2扱いされるようになっている。福島第一原発事故から現時点までの間、「西側」メディアの一員である日本語主流メディアは、『スプートニク』自体にほとんど言及してこなかったが、仏大統領選を契機として、日本語メディアによる同紙への否定的な言及がメインストリーム上に掲載されるようになった※3。一例として、2017年5月5日のTBS『Nスタ』は、フランス大統領選に関係して、『Sputnik』のフランス語版がマクロン氏のゲイ疑惑を報じたことを指摘するとともに、マクロン陣営へのロシアからのクラッキングを警告するトレンドマイクロ担当者のインタビューを報じている※4

『スプートニク』に対する日本語主流メディアの劇的な態度の変化は、およそ、プロの同業者に対して向けられるべきものではない。『スプートニク』がロシア政府の意向を宣伝するプロパガンダ用のメディアであるという認識は、日本経済新聞の秋田浩之氏が、欧米主流メディアの名を借りる形で、創設時に示している[5]。しかし、その後、第二次安倍政権下の日本語主流メディアが、軒並み、安倍政権の圧力に負けて、福島第一原発事故についての重要情報を日本語で提供しようとしてこなかったことを鑑みれば、日本語メディアによってプロパガンダ機関とのレッテルを貼られた『スプートニク』の方が、よほど、日本国民の利益に合致する形の報道を続けてきたことになる。無論、『スプートニク』の側にも深謀遠慮があり、日本語マスメディアの不作為に付け入り、日本国民をまんまと洗脳した、と考えることも可能ではあり、冒頭に紹介したようなネット雀の一部の吹き上がりの中にも、一種のカウンター工作が含まれているのかも知れない。しかし、今回のフランス大統領選報道に悪乗りする形で、日本語主流メディアが『スプートニク』を攻撃することは、かえって、忖度のし過ぎでジャーナリスト魂を失った日本語マスコミ関係者が『スプートニク』に対して嫉妬するあまりに仕組んだことではないか、との邪推を招くことになろう。

この『スプートニク』を巡る報道の構図は、いじめっ子の一群が、首謀者の方針転換によって、それまで完全にシカトしていた外国人の同級生を突然に囃し立て始めるという、学校内で見るようないじめと、完全に同形である。宣伝戦という条件を考慮しなければ、この構図が健全であると主張することは、いくら何でも不可能であろう。しかも、宣伝戦という条件を考慮したからとて、日本語市場において先行する日本語主流メディアが日本国民の味方ではないし、現時点の日本国政府にとっても頼もしい味方ではない。現時点の日本のマスコミは、政府にとって、単に、稼働中であるから使われているに過ぎない、使い捨て(expendables)の存在である。

日本国内における政府・国民・マスコミの三者が互いに味方ではないという現状を考慮したとき、『スプートニク日本』は、ロシアの国(民)益を確保するという姿勢が鮮明なメディアとして、日本のマスコミに比べ、一貫した方針を有している分、日本国民一般にとって、理解し易いメディアである。日本のマスコミが方針転換し、あくまで戦争屋に使嗾される存在として、森友学園疑惑を大きく喧伝したとき、『スプートニク日本』は、ロシアの国益にも適うことから、第二次安倍政権の味方となる論陣を張った。森友学園疑惑に係るメディアの敵・味方の関係は、飯山一郎氏が従来から解説してきたとおりであり、この点については、飯山氏の解釈は正しい。『スプートニク日本』の論調は、もちろん、ロシアの国(民)益が第一であるが、私が目にした福島第一原発事故に関連する記事は、日本国民にとっても、決して益がない訳ではない内容となっている※5。以前にも指摘した既視感があるが、『スプートニク日本』は、日本語話者がメディア・リテラシーを涵養する上で、またとない教師の役割を果たしてくれているのである。(#この流れは、次回以降で左巻氏を批判するための前振りである。)


※1 「taka.iwata」氏の言を借りれば、訂正はしたが謝罪はしていないことになるのであろうか。それにしても、「taka.iwata」氏は、口を極めて福島県は安全であるという主旨を繰り返しツイートしているが、彼(女)は、これらのツイートの誤りについて、すべて、5年後なり10年後なり、結果が誰の目にも見えるようになった時点において、訂正・謝罪する段取りを付けているのであろうか。彼(女)の謝罪に向けて、ひとつ、材料を付け加えておこう。冒頭の写真の著作権等は、閲覧者側の閲覧環境のために隠れてしまうことがある。全環境に対応したレイアウトを強制することは、デザイン者の自由度を損なうことになる。私個人は、そのようなレイアウトになるようなデザインを行わないように留意しているが、依然として、作業側の裁量の範囲内であるとする考え方も成立するのではないかとも考える。HTMLには著作権の所在が明記されているのであるから、目くじらを立てるべき必然性はない。

誤りを訂正するという点について、公平を期して記しておけば、私は、自身の公開・関与した文書の内容について、自ら修正できる分については修正したいと考えている。しかし、撤回する労力も余地も持たないものも多く、残された誤りについては、批判に甘んじるのみである。他方で、文章力の拙さから生じた意味不明に受け取られかねない文については、これらに接する度、黒歴史感で一杯になる。何とか改訂できないかと考えているが、孤児著作が多いので、完全に書き換えるのでない限り、いかんともし難いという事情もある。

※2 オルタナティブ・メディア。(alternative media)インターネットを通信手段とする新興の報道機関ならびにブロガー。

※3 毎日新聞と産経新聞は、ネットでググれる範囲では、『スプートニク』そのものに言及していない。産経新聞は、写真を融通されたり記事を参照したりはしているようである(が、ここで参照するに及ばないであろう)。例外は、日本経済新聞であり、本文中にも触れるとおり、創刊時にも言及している。小林恭子氏は、読売新聞の記事[6]の中で『スプートニク』に言及するが、それに先立ち、日本経済新聞社による『Financial Times』買収の効果を『東洋経済オンライン』の記事[7]で解説している。小林氏は、これらの記事の対比から、新聞という媒体の有する威信(prestiege)を重視しているものと解される。朝日新聞も、2月の時点において、ロシア系列のメディアに対するマクロン氏陣営の警告を伝えている[8]

※4 このほか、2017年5月7日0時の『BBCワールドニュース』は、マクロン氏陣営がクラックされ、大統領選挙戦管理委員会がその情報に接しないよう注意喚起したと伝えている一方、先述したNスタにも紹介されたトレンドマイクロの警告をも報じている。本件については、『スプートニク日本』[9]自身も、クラックならびに『Wikileaks』における公開を伝えている。

※5 袴田茂樹氏が解説者として呼び出されている記事は、例外であり、内容を解釈しかねるものばかりであるが、本ブログでは、基本的に、メモ程度にしか取り扱わない。


[1] 2016 Fort McMurray Wildfire - Wikipedia
(2017年05月06日確認)
https://en.wikipedia.org/wiki/2016_Fort_McMurray_Wildfire

[2] 7日めも燃え盛る福島山林火災 放射能拡散の危険性はありうる
(スプートニク日本、2017年05月05日17:12(更新 2017年05月06日02:19))
https://jp.sputniknews.com/japan/201705053607641/

[3]

[4]

[5] ロシアが再び「スプートニク」 米との宣伝戦に  編集委員 秋田浩之 :日本経済新聞
(秋田浩之、2014年11月28日07:00)
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO80088930V21C14A1000000/

米欧メディアの反応はちがう。
「ロシア、西側とのプロパガンダ戦へ。新メディアを立ち上げ」(ロイター通信)。こんな具合に、ロシアが米欧にプロパガンダ戦争を“布告“したかのように伝えているのだ。
大きな理由は、スプートニク事業を推進しているロシア人の素性にある。

[6] フェイクニュース汚染、欧州の危機感 : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 2/3
(小林恭子、2017年03月09日16時21分)
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170308-OYT8T50101.html

真偽不明のニュースは、世界の複数の言語で情報を発信するロシアのテレビ局「RT」や国際ラジオ放送・ニュースサイトの「スプートニク」などを通じて広がっている。

[7] FTを買った日経の「目指す方向」が見えてきた | メディア業界 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
(小林恭子、2016年01月23日)
http://toyokeizai.net/articles/-/101811?page=4

[8] ロシアは「大統領選に干渉するな」 仏外相が警告 〈AFPBB News〉|dot.ドット 朝日新聞出版
(AFPBB News、2017年02月16日10時17分)
https://dot.asahi.com/afp/2017021600018.html

親欧州派のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)の報道担当者は14日、〔...略...〕ロシア国営の国際通信社「今日のロシア(Russia Today)」とスプートニク(Sputnik)について、誤った情報を流してマクロン氏の評判を傷つけようとしているとも非難していた。

[9] ウィキリークスがマクロン選挙事務所の電子メールを大量に暴露 仏はマスコミに漏洩内容を無視せよと呼びかけ
(スプートニク日本、2017年05月06日15:38(更新 2017年05月06日16:13)
https://jp.sputniknews.com/politics/201705063611404/

2017年5月6日土曜日

都内の202cpmという計測結果は機器の不調による

『阿修羅』の「原発板47」では、福島県浪江町の帰還困難区域内の十万山近辺における山火事と、それに伴う放射性物質の飛散が、話題の中心となっている。たとえば、駒沢公園近くの私人による計測結果が202cpmとなったという「@N0NUKES」氏のツイート[1]が大きく取り上げられている[2]。202cpmという計測値は、セシウム換算でおよそ2マイクロシーベルト/時に相当し、特別区南西部の通常よりも一桁高い外れ値である。しかし、後段で示すように、本件は、計測機器の不調を誤解したものと認められる。火災により、樹木に吸着されていた放射性物質の一部なりとも飛散することは確実であり、北風が吹くと東京における空間線量が上昇することも事実ではある。今回の山火事によって放射性物質が飛散することを否定するのであれば、黄砂やpm2.5が風によって飛散するという事実をも否定しなければならない。それゆえ、福島県がモニタリングポストの結果を引用しながら周辺での目立った上昇が見られないと断定したことは、一部の聞き手に誤解を生み、彼らの不安を殊更に喚起する一つの要因となったものと認められる。

今回の「202cpm」騒ぎは、「@N0NUKES」氏が参照していた地図を誤読したために生じたものである。今回のように、一つのモニタリングポストだけで飛び外れて高い値が検出された場合、技術者マインドを有する通常人であれば、まず最初に、計器の故障を疑うものである。「@N0NUKES」氏が参照する2種類のサーバ[3], [4]は、いずれも、マッシュアップ(種々のソースを統合して表示する形式の)サーバである。このため、これらの地図に表示された、ある地点の計測結果は、そこでの計測(機器の性能ならびに運用)に依存する。しかし、今回、近辺のサーバのいずれも異常値を検出していないことを、このツイート主は無視したのである。実際、計測地点のサーバ運営者は、5月3日時点でサーバを交換している[5]

しかし他方で、わが国では、真に中立的な立場からモニタリングを継続する組織や個人が十分な密度で存在することを期待することが困難であり、それゆえに、この種の誤解が流布することを避けられない。中学生でも利用可能なクラッキングツールを公的機関が開発して他国に提供する現在、善管注意義務を果たして個人がサーバを運営することは、相当の難事である。(自分が行っていないことを他人に求めるのも難があることも承知している。)わが国において、この手のツールを利用しうる組織が原発推進から天下り上の利益を享受してきたことは、広く知られている。たとえ、わが国の官僚組織が、全体として、この種のクラッキングツールを国民に対して悪用することを建前として禁じていたとしても、たとえば「sengoku38」のような「身内」の人物の「犯罪」を抑止できなかったという実績が官僚組織の側に見られる以上、心ある人物がサーバ運営に踏み切ることは、まともな先進国における以上に、ハードルがあることになる。このとき、「@N0NUKES」氏のような誤解しやすい人物が「モニタリングポストは改竄されていて信用ならない」と主張するとき、誰がこの誤解を真っ向から否定できようか。本来は、このような個人の計測値の異常を比較対照できるような、同等の材料がなければならなかったのである。

モニタリングポストは、現今の官僚組織が一般人に無用な威嚇を行っていると受け止められている状況をも勘案すれば、より事実に即した形で(東京都内においては、道路上・地上1mで)運用されるべきであった。原発ムラに与しようがしまいが、官僚たちは、数値自体は正しく計測し、適時に公開し、その上で、解釈についての論争に耐えられるだけの理論構築を行うべきであった。もちろん、私個人は、そのような理論構築など無理であるものと考える。ただ、その理論構築を恐れるあまり、数字を改竄し出すようになると、悪を企図する官僚自身が、参照点を失うのである。


[1] #2017年05月05日確認

[2] ど、どうしちまったんだ? 渋谷で今!  赤かぶ
(赤かぶ、2017年05月03日14:46:15)
http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/855.html

[3] Black Cat Systems Online Geiger Counter Nuclear Radiation Detector Map
(Black Cat Systems、2017年05月05日確認)
http://www.blackcatsystems.com/RadMap/map.html

Readings are in uR/hr (microRem per Hour) for Cs137/Co60 (Cesium-137 / Cobalt-60)
Note that these are generally run by individuals, and not all readings may be accurate. Do not panic because you see a high reading. Someone could be getting invalid readings.

[4] Nuclear Emergency Tracking Center
(Nuclear Emergency Tracking Center、2017年05月05日確認)
http://netc.com/

[5] Result of Geiger-Muller counter. by Illuminum
(記名なし、2017年05月05日確認)
http://www.illuminum-led.com/GM10/geiger-gm10.html

お知らせ:2017.5.3(水)--この3ケ月ほど、放射線量が異常表示したりPCフリーズによるカウンター停止などが続いたため、接続しているPCを自作PC(CUP=Core2 Quad Q6600)から市販のDELLディスクトップPC(CUP=Core i5-7400)に交換しました。
#適宜半角スペースを削除済み。

2017年4月26日水曜日

東北で良かったとする今村雅弘氏の失言は二重に愚かである

3.11のとき、読者はどうしておられたであろうか。当時、私は、千代田区内の雑居ビルの2階で勤務中であったが、ビルが座屈しそうな形状であったので、上司を連れて安全そうな隣のマンション・業務・コンビニ複合用途ビルの搬入口の手前で揺れが収まるのを待った。ヤバかったら、当然搬入口に入って落下する窓ガラスを避けるつもりだった。パジャマ姿の外国人カップルが、近くのビジネスホテルから駆け出してきて、丸ノ内線の上部に当たる幹線道路の真ん中で抱き合って震えていたのが不謹慎ながら面白かった。ほかにもまあまあ色々興味深い出来事に遭遇したが、帰宅困難者の靴擦れを除き、人的被害と呼べる場面に直接遭遇せずに済んだことは、幸いであったと言える。

東日本大震災が、首都圏により大きな影響を与えるように生じていたとすれば、私も無事ではなかったと思われるし、本ブログを通じて生き恥を晒すこともなかったかも知れない。P波(先に到達する縦揺れ)を感じたときに、私は、反射的にPCを閉じて安全そうな階段の方に自分だけで一旦逃げた。このケツのまくり方は、私のキャラを色々と説明するであろう。「逃げましょう!」と叫びながら逃げたことだけは、言い訳として付言したい。震度6強であれば、ビルは半壊していたであろうし、震度7であれば、レイアウトからすれば、上司は助からなかった可能性もある。人の不幸を考察する商売に従事してきた割に、重大事件の進行中の現場に遭遇することはなかったから、自分の行動によって自分だけが助かったとすれば、それはそれでトラウマが大きかったであろうと、今になって思うところである。人生、何があるのか、なかなか分からないものである。

もちろん、この「私語り」は、今村雅弘氏の失言を想起してのものであり、同氏の発言が二重に愚かであることを批判したいがために用意したものである。今村氏が発言したこと自体、自身の考えを表明することの帰結を予測できていないという点で愚かであるが、それ以上に、この発言の内容が誤りであることが、愚かさの証拠である。前者については、TPOをわきまえた社会人なら理解できることであるから、これ以上は言及しないが、後者について、以下で説明しておきたい。

福島第一原発事故による健康影響が数千万人単位であり、今後の数百世代に影響しうる話であること、経済的損害が数十京円単位(兆円ではない、念のため。)に上ることを考えれば、東日本大震災は、全体としては、関東直撃よりも最悪のケースが実現した災害である。女川原発も、福島第二原発も、盛大に「お漏らし」しなかったのは、僥倖としか言いようがない。たとえ、当時の地震が首都圏に近いものであったとしても、津波被害が小さく、大平洋沿いの原子力発電所に被害がなかった方が、目に見える死傷者はたとえ多いとしても、これほどまで復興が捻れたものとなり、将来の見通しを立てられなくなるものとはならなかった。いわゆる安全厨であっても、東日本大震災による地震・津波被害だけであれば復興が不可能ではなかったところ、福島第一原発事故が復興を不可能なものとしたことは、薄々ではあっても、理解しているであろう。彼らの感情的な反応は、この事実を自身の責任として受け止めることが困難であることや、この事実が彼らに責任を負わせる動きへと転化することの虞から生じていよう。

もちろん、2011年3月11日の地震が関東を直撃するものであったとしても、将来にわたり、東日本大震災のような地震や津波が原発を襲わない保証はなかったから、遅かれ早かれ、地震が原発を襲うというシナリオは、避けられなかったであろう。仮定の話ではあるが、3.11が首都圏広域地震であった場合にも、原発の安全性が向上していたとは期待できないから、悲劇が先送りされていただけであったろう。ただ、当然、この理屈は、川内・伊方・高浜原発(参考:電気事業連合会[2])にも、また停止中の他の原発にも該当する。首都圏の混乱に乗じて他国が云々という話も考えられたであろうが、原発再稼働後の現時点であるからこそ、これらの三原発には、一層警戒しなければならないのである。この危険を考えた場合、一回の事故で原発ムラが変われなかった以上、一回でも悲劇を先送りにできたのであれば、その分、日本国民のサバイバル期間が伸張していたと言えよう。

他方で、仮想的な首都圏広域地震は(、東海村という考察に厄介な存在があるにせよ)、高齢多死社会と原発事故の健康影響の影響を同時に生じさせなかったという点で、現実に進行しつつあるハードクラッシュシナリオを書き換える余地があり得た。3.11当時においても東京への一極集中は進行していたから、首都圏広域地震は、官僚集団に本格的な首都機能移転を実施させる契機を生じさせ得た。あくまで、仮定の話であるが、霞ヶ関関係者の多数の自宅が半壊・全壊してこそ、首都機能移転は、本格化し得たであろう。(東日本大震災は、東北にルーツを持つ首都圏の人々に大きな動機を与えているが、その広がりは、相対的に見て限定的である。)現状、首都圏の郊外住宅地は、外周部ほど、打つべき手がないまま、東京オリンピックバブルの崩壊を待つばかりのようにも思える。首都圏広域地震こそは、鉄道路線を中心としたコンパクトシティ化なり、郊外住宅地の田園郊外化なりを実現する機会であり得たかも知れないのである。官僚という権力集団が、目に見える被害だけしか認めずに、結果として組織的に無能力・受動的であり続けてきた状態は、東日本大震災という未曾有の被害を経た現在も、基本的に変化していない。この結果的な怠慢を目の前にしたとき、現実の3.11以上に、霞ヶ関や永田町(だけ)において目に見えるだけの大きな被害が生じていたことに期待することは、果たして不健全なことと断定できるのであろうか(。東京都区部の死者が千代田区内で生じたという事実に注意せよ。為政者が目配りできていれば、物事は動くものである)。

#ここでの私の考察が不健全と考える読者に向けて、念のため申し添えておくが、私は、木造密集市街地の中でも、震災による危険度が非常に高いとされる地区に居住している。

最後に、ハードクラッシュシナリオとは何かを、(最近までに蓄えた情報を元に、)改めて明示しておいた方が良いであろう。それは、団塊の世代が多死を迎える時期が、福島第一原発事故後の「食べて応援」キャンペーンを通じた内部被曝による発病時期・死亡時期と重なる状態である。放射性物質は、高齢者の健康にも影響を与える。このため、各世代の死亡率は、もうそろそろ、厳しい登り坂を登り始めているところであろう。80代以上の死亡率は増加傾向にあるが、それだけでは済んでいないことが明らかになったとき(、現実のわれわれは、仮にそのような事態が進行していたとしても、なかなか公式のルートからの情報だけでこの事態を把握することは叶わないが)、ようやく、原発事故の影響を軽視してきた「有識者」たちの一部が騒ぎ出すかも知れない。しかし、そのときには、既に、日本国民の多くが、知合いなり親戚なりの訃報や大病を通じて、状況を体験的に理解しているのであろう。


[1] 震災巡り失言、今村復興相を更迭…後任に吉野氏 (読売新聞) - Yahoo!ニュース
(記名なし、2017年04月25日20時25分)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170425-00050092-yom-pol

今村氏は25日夜、東京都内のホテルで開かれた自民党二階派のパーティーで講演し、東日本大震災について「(発生が)まだ東北の方だったから、よかったが、首都圏に近かったら甚大な被害があった」などと述べた。

[2] 国内の原子力発電所の再稼動に向けた対応状況 | 電気事業連合会
(電気事業連合会、2017年4月26日閲覧)
http://www.fepc.or.jp/theme/re-operation/




2017(平成29)年4月26日23時追記

今村氏の発言は、現政権が福島第一原発事故の解決に当たり、不適切な人材を登用していたことを示す。福島第一原発事故の解決こそが政権の試金石となると述べてきた私にとって、今村氏の更迭は、遅きに失した対応であると指摘せざるを得ない。これが、私が現政権を信用し損ねている理由である。飯山一郎氏が本件(更迭)をネオコンの仕込みであると述べる理由は、何であろうか。安倍氏が今村氏を修正させる格好になったことは確かではあるが、今回のケースは、ネオコン(というと、範囲が広すぎるので、戦争屋としておこう)の仕掛けがあるとまでは考えにくい。強いて言うなら、戦争屋との政争中に、誰もが許すことのできない発言を不用意になした今村氏の自業自得である。私には、擁護する論理を思いつけない。

[1] ★ 掲示板:『放知技(ほうちぎ)』 ★彡
(飯山一郎、2017年04月26日16時09分)
http://grnba.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16090538

とにかく,今村復興相を辞任に追い込んだ陣営は,ネオコンです!
だから…
今回の今村復興相辞任は,ネオコンに負けた!という政治事件なのです.




2017(平成29)年5月17日追記

小田嶋隆氏(@tako_ashi)の下記ツイートがあることをKatabiragawa Atsushi氏(@katabiragawaC)のリツイート経由で今更知った。小田嶋氏のツイートに示された見方は、前提となる被災像については疑問を抱かないという典型的な事例である。小田嶋氏のツイートを引用したのは、たまたま目に付いただけ、というものである。小田嶋氏の誤解がわが国の知識人に標準的なものである、と例示する以外の意図はない。福島第一原発事故は、土壌の回復にとてつもなく長い期間を要するという点、リスク計算が直感によっては把握しにくい事例である。(とは言っても、単に24万年とか掛ければ良いだけであるから、その一手間を惜しまなければ、事故の影響を推し量ることは、さほど難しくないはずである。)

2017年4月21日金曜日

(メモ)農地原状回復を求める訴訟の地裁判決のトンデモぶり

『福島民友』2017年4月15日(ウェブ)の「原発事故の農地汚染回復訴え却下 地裁郡山支部、原告控訴へ」という記事[1]に示された判決理由に驚愕したので、ついつい、裁判長の「上払大作」氏をググってしまったところ、トップページの冒頭に示された氏名は、「上拂大作」氏であった。そのページ、新日本法規出版の『e-hoki』[2]には、「上拂大作」氏の異動履歴として、「H.29.4.1~ 東京地裁判事、H.26.1.16~ 福島地家裁郡山支部長・郡山簡裁判事」とある。中央大学出版の『法律家をめざす諸君へ(2002年度版)』[3]にも同名の裁判官が共著者として「裁判官という仕事~若手裁判官留学制度~」を執筆したように見られるから、この上拂大作氏の「拂」の字は、本来、こちらであろう。異体字であるから、『福島民友』の表記も間違いではなさそうである。しかし、この『福島民友』も、上拂氏が東京地裁に栄転することが分かっていたからこそ、わざと「払」の字を利用したのであろう。

何よりも驚愕するのは、「「原告側は農地の放射性物質を除く方法を具体的に明示しておらず、訴えが認められた場合に東電が取るべき行為を特定できていない」」とする判決理由である。「除染」は国の事業ではなかったのか。地下にも浸透した放射性物質を土壌毎剥ぎ取り、ほかから土を運び、数十年かけて地味の豊かな元通りの土壌に育てれば良いのではないのか。コストやら方法やらは、被告である東京電力が考えるべき仕事であろう。もっとも、汚染されて除染されていない山野から放射性物質が風や水で運ばれてくるという事実が上拂氏の思考回路に含まれていたであろうことは、考慮せねばなるまい。

しかしなお、異動を控えていた上拂氏には、ここまで噴飯物の理由を判示しなければならない理由はない。福島県民が批判しようと、裁判長本人は、異動後、東京で知らぬ存ぜぬを貫ける。他方、今後の出世に、東京電力の責任に言及しないことが必要であるにしても、ここまでふざけた理由で押し切る必要もない。日本語でなくとも、英語なり他の言語なりで、後世に長く伝えられるクラスの屁理屈である。私が東京電力の犬として振舞うつもりなら、「安全、安心な」という用語に着目するであろう(もちろん、これ以上に具体的なヒントを原発ムラに与えるつもりはない)。

上拂氏個人の内面には興味はないが、この判決は、国民の側に立つにせよ、東電や原発ムラの側に立つにせよ、判事が当然発揮すべき能力を発揮しなかったものと読める。しかも、今回の判決は、上拂氏が自らを無能であるかのように装ったところで、東電や現政権・民主党(菅・野田)政権の側に立つものであり、規範的な観点から批判されるべき内容であることには変わりない。この点、本地裁判決は、国民からの批判を免れることがない。ただ、上拂氏は、現在に至るまでの原子力カルテットの無能力を代表するつもりで、率先して愚かしい判決を知らしめたのであろうか。仮にそうだとするならば、上拂氏は、なかなかの策士ということになる。今回の判決は、高裁・最高裁において参照しなければならないが、そのときの判事は、このトンデモ判決の扱いに困ることになるからである。


[1] 原発事故の農地汚染回復訴え却下 地裁郡山支部、原告控訴へ:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet
(記名なし、2017年04月15日 09時33分)
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170415-164691.php

東京電力福島第1原発事故により、放射性物質で農地を汚染されたとして、県内のコメ農家ら8人と農業法人1社が東電に土壌の放射性物質濃度を事故前の水準に戻すよう求めた訴訟で、地裁郡山支部(上払大作裁判長)は14日、「放射性物質の除去方法が技術的に確立されていない」として、訴えを却下した。

[2] 裁判官検索:上拂大作 | 法律情報サイト e-hoki
(2017年04月21日確認)
http://www.e-hoki.com/judge/399.html

[3] 法律家をめざす諸君へ
http://www2.chuo-u.ac.jp/up/isbn/ISBN4-8057-0711-9.htm

2017年4月18日火曜日

日本のバッドエンドシナリオは依然として進行中である

自主避難は「自己責任」~復興大臣明言 | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
(撮影:西中誠一郎、2017年04月04日03時04分)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2113


法の支配の精神を逸脱した強攻的な行動が現政権に多く見られる一方で、森友学園疑惑、シリア情勢、次いで北朝鮮問題と、日本語マスメディアで取り上げられる話題が変転する背景には、真に隠したい問題があると考えられる。ずばり、それは、6年目を迎えた福島第一原発事故である。この点、先月来のニュースにおける最大の政府の失点は、復興大臣の今村雅弘氏が、記者会見時、フリージャーナリストの西中誠一郎氏の質問に激高したというものである。西中氏は、福島県外の自主避難者に対して国が救済しないのはどうか、という趣旨の質問を投げ掛けたが、今村氏は「国としてはできる限りのことをやった」と回答、自主避難者は自己責任なのかと食い下がる西中氏に対して、今村氏は失礼であると激高して会見を終了させた。国の方針は、福島第一原発事故から生じた問題を福島県に押し込めて、県外の人間には見えにくくするというものであるが、今村氏は、感情を抑えきれず、批判する側に映像化の材料を与えてしまった。社会防衛主義的な見地からしても、自主避難者は、最大限、国の資産として保護すべき存在である。国内の食品流通が信用ならないものであるために、自主避難者は、最悪、国外に避難先を求めざるを得ない。

「大人」のはずの人々の、大人気ない感情の露出は、信条の右左を問わず、そこかしこで生じているが、この多発ぶりは、ひょっとして、「危険厨」とのいじめを受けてきた人々が懸念してきたように、体内に蓄積された放射性物質によって、大脳あたりがやられているからではないか、との想念をも抱かせるほどである。もっとも、感情の表出は、日頃の訓練・習慣にもよるものであるから、ネトウヨの隆盛と軌を一にするものと考えた方が穏当であろう。私が言えたことではないのだが、このような感情の制御こそ、武道に期待される効果ではなかったか。

(大局を見据えた西中氏の)質問に対して感情的な反応を返してしまう大臣を抱える国では、真に大局を見据えた対策は望み得ないのであろう。従来の方針や施策を漫然と踏襲するという失敗は、かつて来た道を反復するものである。音楽の喩えでいえば、変奏曲である。福島第一原発事故直後から、この道は、見える人には見えていたものである。しかし同時に、その解決には、かつて私が提示したような(2016年1月16日)、大鉈を振るうだけの対応が必要となることも、また明らかであった。口に出すと、社会的には、気が触れたように扱われる内容である。私も、職業上の身分が現在のものとなることが読めるまで、指摘を見送らざるを得なかったという小心者である。しかし、あからさまに示しておかなければ、たたき台も何もあったものではない。放射性物質により、知性が劣化するとすれば、なおさらである。

なお、私は、アメリカの戦争屋が放逐され続けなければ、わが国の福島第一原発事故の解決があり得ない、と考える。有力なバッドエンドシナリオは、次のとおりである。4番目と6番目のイベントは、ここに挙げた条件とは関係なく単独で生起するものである。また、6番目は、進行中であり、このシナリオは、ここに挙げた条件にかかわらず、時間との競争であるという側面を持つ。

  1. シリアへの米軍の本格展開
  2. シリアにおける第一次朝鮮戦争の再現(=第三次世界大戦)
  3. トランプ政権の完全瓦解
    • トランプ氏自身の翻心
    • 大統領の交代(内容は複数があり得る)
    • 米軍内の戦争屋が米軍の権力を掌握
  4. 日本国内の戦争屋が権力を再度掌握
  5. 福島第一原発事故の隠蔽モード継続・強化
  6. 放射性物質による日本国民の健康被害悪化
  7. ハードランディングによるバッドエンド

北朝鮮については、私は、楽観している。なぜか。良くも悪くも金王朝の統制が効いている(アンダー・コントロール!)からである。北朝鮮は、この均衡状態を率先して崩すことまではしないであろう。大平洋戦争にせよ、ベトナム戦争(トンキン湾事件)にせよ、9.11にせよ、どのような形であれ、アメリカが参戦のための口実となる、先制攻撃を必要としていることは、広く知られたことである。トランプ氏のシリア攻撃命令は、この点においても、例外である。報を受けて大マスコミのインタビューに答えたライアン米下院議長の「おぅ...」とも形容できそうな対応は、この奇襲が、戦争屋にとっても奇襲であったことを物語るものと言えよう。ペンス氏が38度線まで到達した陰には、きっと、面白い裏話があろう。

現在の軍事的緊張状態を崩す可能性がある要因は、一部には意外かも知れないし、本ブログにまで到達した読者であれば当然の帰結かも知れないが、日本国内の(政治情況ではなく、)一見、安定的に見えている社会事情、つまり、先のイベントツリーの6番目の事象であろう。

2017年3月31日金曜日

福島県の県民健康調査は脱落に留意すべきである

Abstract

In the Frequently Asked Questions released in 2017 March 30th in Japanese (link), Radiation Medical Science Center for the Fukushima Health Management Survey, Fukushima Medical University (link), admitted to the public that the Fukushima Health Management Survey treated thyroid cancer patients as dropouts if they had been once categorized to the observation group. This can be interpreted as a typical example in statistical wars after Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident.




本文

OutPlanetTVの昨日付記事によると、福島県立医大が、(2017年3月)30日に、これまで公表しているデータ以外にも、甲状腺がんと診断されていれた子どもが存在することを認め、ホームページに公表したという[1]。OurPlanetTVの記事には直接のリンクは存在しないが、おそらく、放射線医学県民健康管理センターのウェブサイトにおける2017年3月30日付の「Q&A[2]が問題の内容である。私の手にかかると、余計にややこしくなりそうだが、言い換えてみよう。「当センターの実施した甲状腺検査の結果、経過観察に区分された県民の皆様が、今後、甲状腺癌等を発症されたとしても、当センターでは感知いたしません。癌を発症されたとの情報を当センターに寄せられたとしても、当センターとしてはその情報を取り扱いかねます」ということである。

この宣言は、統計を取扱う者から見れば、社会現象を取り扱う(社会)統計学や疫学において、脱落と呼び習わされている現象を、当局が公式に認めたことを示す。この種の脱落があり得ることは、従来から懸念されてきたことであるが、社会的に認知される程の大きな声となってはこなかった[3]。検査において患者の見逃し(偽陰性)が生じることは、原理的にやむを得ないことである。また、今回のケースは、数値の捏造のために、患者をわざと見逃すという最悪の裏切りが生じたことを示すものでもない。この点、統計処理の最前線は正常に機能している。問題は、集計の段階で生じている。私の批判は、ほとんど常に、バックエンドにおける企画・分析・解釈の段階に向けられてきたが、本件でも、同様の構図が再確認されたことになる。

県民からの報告を計上しないことは、統計を取扱う目的に反する行為である。同センターの言い分は、関係機関とのやり取りを含めた個人情報保護体制を構築できないというものであり、この理屈には、一定の正当性を認めることができる。しかし、これだけを理由に目的を逸脱することは、本末転倒というものである。業務体制を拡充し、報告を受け付ける体制を整備することが本来の使命である。

このような反発必至の文言で、すでにバレていることが、なぜ今頃になって公開されたのかは、私に追及しかねることであるが、その理由については、いくつかの予想を立てることができる。いずれも、日本社会において、機能不全と不幸が広がりつつあることを予感させる内容である。まず、退任者・異動者が本点を認めるよう主導したものであるという可能性が認められる。医科大学の事務方も研究者も、年度末に色々異動があることから、何らかの内部告発に準じた動きを感じ取ることができる。もっとも、実際のホームページの表記は、むしろ、お役所にありがちな怠慢・縦割りを読者に印象付ける内容となっているから、文書の公開は、担当者の責任逃れという側面をも併せ持つものでもある。(#2017年4月2日、この場合が原因であったと知った。後段を参照。)他方で、患者の側からの働きかけは、最大の理由であると考えられるとともに、深刻なものである。救済のベースに乗らない可能性が認められるためである。事故前、甲状腺癌の確率は、100万分の1程度とされてきた。経過観察に区分された(つまり、一回以上の検査を受け、偽陰性と判定された)被検査者の中から、異常や癌が数名生じることは、事故の影響なしに生じ得ないことであると判定できる。

おまけ

「知る人ぞ知る」ことを公式に認めざるを得なくなるときは、「リアリティの管理」と一般の理解との間に大きな隔絶が生じているときでもある。日本語社会において統計が「リアリティの管理」=「建前」のツールとして機能しているという事実は、当然のものではある。(もっとも、私自身が明示的に指摘した形跡を残しておくことは、私個人の利益のためには大事なことであるので、繰り返しておく。)福島第一原発事故は、統計戦争※1における総力戦とも呼ぶべき状況を作り出してもいる。「戦争」の喩えは、様々な(不正な)手法が用いられる可能性が排除できないこと、しかし他方で、敗戦時に裁かれることになる行為とそうではない行為の区別が付けられることをも想起させる点、優秀である。本件の設計の不備は、統計の利用者が正確な状態を県への問合せに応じて知ることができるのであれば、許容される行為であろう。しかし、患者の救済を怠ること、数値の改竄自体を行うことは、「戦犯」となる行為である。「戦争」は、人類の常態であり続けてきたが、現代の先進国社会からすれば、異常事態である。

福島第一原発事故は、権力構造の末端から頂点に至るまで、明らかな嘘が許され続けるという、異常事態を出来させており、統計業務に対しても正常な感覚を失わせている。ほかの統計についても、材料に事欠かないが、従来の指摘の繰り返しになるために、本稿は、ここで終えることとしよう。

※1 statistical wars; ジョエル・ベスト氏の語。ただ、われわれ日本人は、この概念を非言語化された状態では理解してきたと主張できる。統計書が第二次世界大戦中に刊行されなくなった歴史を有しており、山本七平氏の「員数主義」という用語で理解しているためである。




Reference

[1] 184人以外にも未公表の甲状腺がん〜事故当時4歳も | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
(記名なし、2017年03月30日18:13)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2108

[2] 放射線医学県民健康管理センター | 二次検査で経過観察となり、保険診療を受けていた方が、経過観察中に甲状腺がんと診断されて手術を受けた場合、さかのぼって県民健康調査の「悪性ないし悪性疑い」の数に反映されたり、手術症例数に加えられたりするのですか。
(記名なし、2017年03月30日)
http://fukushima-mimamori.jp/qanda/thyroid-examination/thyroid-exam-other/000396.html

[3] 2015.12.11 復興特委「明らかに多発、異常事態」 参議院議員 山本太郎 赤かぶ
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/815.html
#コメント8番の「知る大切さ」氏の指摘。一部、「偽陰性(false positive)」についての言及もあり、内容が混乱しているが、この度の県民健康管理センターが明らかにした「Q&A」を下敷きとすれば、次の指摘は、正しいものであったことになる。

この件〔#引用者注:検査前に異変が生じて診察・治療を受け、手術済みである場合〕福島県の担当課に確認済みです。
手術数にカウントされていません。又この場合、県の甲状腺検査で見つかったガンでもないので、甲状腺調査の件数にもカウントされません。 県の甲状腺検査で見つかったガンでもないので、甲状腺調査の件数にもカウントされません〔...略...〕(自由診療扱いを元から追えない制度設計になっている)




2017年3月31日7時追記

『2ちゃんねる』の「甲状腺癌、白血病などの被ばく疾患情報スレ75 [無断転載禁止]©2ch.net」の389番の書込み[4]が、NHKに報道される運びとなったこと[5]を受けてではないかと推測していることに、遅ればせながら気が付いた。(#後段を参照。)この推理は有力であるが、NHKの報道が原因ではなく結果であったという可能性も残る。「関係者の体を張った内部告発」の候補に、福島支局から異動するNHK関係者も含まれることも、確かである。

[4] 甲状腺癌、白血病などの被ばく疾患情報スレ75 [無断転載禁止]©2ch.net
(匿名、2017年03月30日20時33分)
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1489845727/

[5] 4歳児の甲状腺がんが報告されず|NHK 福島県のニュース
(記名なし、2017年03月30日19時50分)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6055124091.html

2年前に委員会のメンバーが、こうした仕組みの問題点を指摘した際、県立医科大学は検査後にがんと診断された患者については「別途、報告になる」と説明していましたが、報告されていなかったことになります。
委員会の委員で福島大学の元副学長の清水修二特任教授は、「正確な情報を明らかにして分析するのが使命で、隠しているという疑念を生じさせないためにもどういう経緯であっても患者が確認されれば、きちんと事実として公開すべきだ」と指摘しています。




2017年3月31日22時台追記

NHKのニュースのいう「仕組みの問題点」とは、2015年2月2日開催の「県民健康調査」検討委員会 第5回「甲状腺検査評価部会」における質疑を指すものと考えられる。議事録9ページの、部会員の春日文子氏と事務局等関係者の鈴木眞一氏(福島県立医科大学教授)との質疑を指してのことではないか。

[6] 「県民健康調査」検討委員会 第5回「甲状腺検査評価部会」議事録(109093.pdf)
(2015年2月2日開催)
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/109093.pdf




2017年4月2日追記

『Togetter』のまとめ[1]から、『3・11甲状腺がん子ども基金』の確認作業から、本件が大きく報道されるに至ったことを知った。このまとめ中では、木野龍逸氏による同基金の記者会見[2]の様子が紹介されているが、木野氏は、この脱落を「通称『別枠』」と呼んでいる。まとめのコメント欄で、虹屋弦巻(@nijiya_hige)氏は、16~55名の偽陰性の患者がいるのではないかと予測している。先に挙げた予想の中では、最悪のケースから、事務局(医大および県)側が言い逃れできない状況に追い詰められるという状況が生じたことになる。福島第一原発事故については、目に見える被害が多発するまでは、関係者が隠蔽しようとし続けることになろう。実際、「パラメディカルなど、内部から声が上がらないというのはおかしい」(記者会見の38分25秒以降)[2]と、同基金のサキヤマ氏は、質疑応答において指摘している。

[1] 《「3・11甲状腺がん子ども基金」の確認作業で、福島県民健康調査のまやかしが分かった》 - Togetterまとめ
(2017年4月1日、@karitoshi2011)
https://togetter.com/li/1096219

[2] 3・11甲状腺がん子ども基金会見(ノーカット) - YouTube
(2017年03月31日、木野龍逸)
https://www.youtube.com/watch?v=kUk42w0zIYc

2017年1月31日火曜日

福島第一原発2号機の「メルトスルー(溶融貫通)」(メモ)

#新規記事の執筆が滞ってますが、別の作業に忙しいだけです。一応、犯罪学の範疇に含まれる作業を実施するために、自分の時間を使用しているだけです。そのほかの事情は特段にはありません。強いて付け加えるなら、ある一事を除けば、本ブログに掲載してきた記事がおおよそ正しいものであることを公開情報から確認できていますので、誤字脱字・表現の誤りを除けば、記事を修正したり追記したりする必要性がないと考えて、手抜きしている部分はあります。


昨日から今朝に至るまでのマスメディアは「溶け落ちた」核燃料が2号機の圧力容器直下で発見されたことを伝えている。今朝(2017年1月31日朝刊)の読売・朝日・日経の三紙とも、東京電力の発表を一応伝えているが、特に日経は、渋々報道している印象を否めない。日経は、3面に記事を掲載する※1が、3機の原子炉とも、原子炉格納容器内に溶融燃料が留まっているかのようなイラストを提示している。朝日新聞は、1面※2と4面※3で大々的に取り扱うが、1面のイラストは、格納容器内に依然として溶融燃料が留まっているかのように示している。読売の1面記事※4も同様である。

読売・朝日・日経の三紙とも、もちろん、溶融燃料が圧力容器や格納容器を貫通する現象を示す「メルトスルー(溶融貫通)」という用語については言及しない。「メルトダウン(炉心溶融)」という用語は、政府により確定したものとして提示された表現であるから、朝日と読売の1面記事において、ともに用いられている。メルトスルーという現象がメルトダウンという現象に包含されると主張することは可能ではあるが、事実を正しく伝えることにはならない。メルトダウン(炉心溶融)とは、格納容器内にある核燃料が、高温のために溶け落ちることである。メルトスルー(溶融貫通)とは、溶融した核燃料が圧力容器や、圧力容器の外部にある格納容器の底を高温により溶かし、穴を開けて圧力容器外に落ちることである。今回の報道は、2号機で圧力容器のメルトスルーが生じたことを示すものである。つまり、御用学者と揶揄される人物たちの事故直後の発言は、改めて誤りであることが示されたことになる。

#2017年3月8日訂正:圧力容器の外部にある格納容器をも溶かし落とす現象は、メルトアウトと呼ばれる。すっかり間違えていたので、ここに陳謝して訂正する。

この一事に接するだけでも、「アンダーコントロールにあるのは、福島第一原発事故ではなく、わが国のマスメディアである」ということが良く理解できよう。

体制側の人物が不都合な現象を呼び表すために用語を言い換えるという現象は、第二次世界大戦末期にも見られた現象である。「転進」の語は「撤退」に代わるものであるが、瀬島龍三氏が幕僚内で持論を実現するために発案したものである。この経緯は、新井喜美夫氏が『転進 瀬島龍三の「遺言」』(講談社, 2008年8月, p.140)において、瀬島氏と親しく交流した経験をふまえ、紹介している。用語の言い換えは、井沢元彦氏が『なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか』(祥伝社新書, 2012年8月)の全編にわたって「言霊信仰」として指摘するとおり、わが国では、今も、現実から目を逸らす効果をもたらすと信じられているようである。

言葉の言い換えは、話し手や聞き手の心証を変化させるかも知れないが、もちろん、現実そのものを変化させることはない。

読売1面記事のイラスト※4は、格納容器外に汚染水の存在を図示するが、この汚染水は、格納容器から漏れ出たものであろうか。格納容器の破損の有無こそは、国際社会を含め原発ムラ外部の人間が注目すべきポイントである。東京電力とマスコミは、格納容器の破損の有無について、把握しているのであろうか。把握していて隠匿しており、かつ、その事実が発覚した場合には、これらの組織は、制裁を免れないであろう。


※1「原子炉直下に堆積物/福島原発2号機/初撮影、溶融燃料か/ロボで詳細確認へ」『日本経済新聞』2017年1月31日朝刊14版3面総合2(記名なし).
※2「原子炉下 溶けた核燃料か/福島第一2号機/黒い塊撮影」『朝日新聞』2017年1月31日朝刊14版1面(富田洸平・川原千夏子).
※3「調査ロボ 来月投入へ/福島第一2号機/東電「大きな一歩」」『朝日新聞』2017年1月31日朝刊14版4面総合4(富田洸平・杉本崇).
※4「炉心直下 溶融燃料か/福島第一2号機/黒い堆積物 確認」『読売新聞』2017年1月31日朝刊14版1面(記名なし).


2017(平成29)年2月3日追記

 今朝の三紙朝刊は、いずれも2号機格納容器内の鉄製の通路に穴が開いたことを伝えている。溶融燃料は、どこまで達したのであろうか。政府発表は、1~3号機がいずれも水素爆発を起こしたとしている。水素爆発は、超高温のデブリに少量の水を掛けることにより水素が生成し、その水素が一定濃度に達した結果、生じる。「焼け石に水」の極端なバージョンである。それほどの超高温のデブリは、読売新聞の表現が読み手に示唆するかのように、鉄製の通路を溶かし伸ばしただけなのであろうか。

2016年11月4日金曜日

(感想)目の横のクマ


 福島第一原発事故の晩発性影響を心配する人たちは、目の隈(クマ)についても注意しているであろうし、事実、多くのツイートや書込みを見ることができる。一応ググってみたが、隈の出方について細かく説明する人も少ないので、眠いときに出る隈とそうでないときにも出ていそうな隈との違いがあることに、今更ではあるが、初めて気が付いたので、報告しておく。あくまで、東京都民の感想の一例ということであるが、人工知能による画像分析の際や、後世には役に立つかも知れない。

 眠いときに涙袋に隈ができるのは、誰しも経験することかもしれないが、目の横に隈ができるのは、3.11当時、東京以北・以東に住む日本人が現在抱える種類の問題であるかも知れない。以下のポンチ絵のような形である。私は眼鏡が手放せないオッサンであり、眼鏡の鼻当ても当たる場所もあるが、そこではなく、眼鏡のフレームにちょうど当たるところの下に出がちである。日焼けか?とも考えられるが、顔を正面から見たときの篩骨洞(ethmoid sinus)の前面に当たる部分だけに黒いすじが現れるのは、日焼けとも眠いときのクマとも言えないであろう。

眠いときのクマ〔左〕と正体不明(棒)の原因によるクマ〔右〕
図:眠いときのクマ〔左〕と正体不明(棒)の原因によるクマ〔右〕

2016年10月15日土曜日

ベラルーシにおける事故時年齢別の甲状腺癌患者の手術数(メモ)

 以下の表は、高村昇氏を筆頭著者とする『ランセット』誌の分科誌である『The Lancet Diabetes & Endocrinology』に掲載された論文中のグラフから読み取った、ベラルーシにおける事故時年齢別の甲状腺癌患者の手術数である。作業にあたっては、『Gimp 2』でコピー&ペーストした画像の画素を参考にした。(#目視で読み取ったようなものである。いい加減、読み取りのための半自動化ソフトウェアとか作ろうかな、とも考えてみる。)

[1] Takamura, N. et al, (2016). Radiation and risk of thyroid cancer: Fukushima and Chernobyl, The Lancet Diabetes & Endocrinology, 4(8), 647.
http://dx.doi.org/10.1016/S2213-8587(16)30112-7
http://www.thelancet.com/pdfs/journals/landia/PIIS2213-8587(16)30112-7.pdf

事故時の年齢1986-89年1990-94年1995-99年2000-03年
0歳0122149
1歳052110109
2歳03810887
3歳3479856
4歳1365539
5歳1434842
6歳0304936
7歳2302544
8歳0313145
9歳1252945
10歳2192529
11歳0152940
12歳1103047
13歳2142737
14歳2134047
15歳0164056

 これらの数字は、菅谷昭氏のグループによる1998年当時の患者数の報告と桁数が合致するので、読み間違いの程度に問題があるとは考えにくい。それに、掲示板『阿修羅』の結果とほとんど変わりない(最大2名のずれ)。ただし、菅谷氏の報告に患者数の定義がなく、高村氏の報告にも複数回の手術のカウント方法の詳細が記載されていないため、この患者数が何を意味するのかは、私には分かりかねる。

  ベラルーシでは、チェルノブイリ原発事故による放射能汚染地域の法的扱いについて」法により、汚染地域は5種のゾーンに区分され、年間(#追加の?)1ミリシーベルトを超える地域では、移住の権利が認められている[4]。ベラルーシの食習慣はヨウ素摂取の機会に乏しく[4]、ベラルーシの患者数自体にもスクリーニング効果が認められるという[2]。このため、福島県県民健康調査における甲状腺検査の結果のうち一巡目については、高村氏の指摘のとおり[1]、スクリーニング効果であるという指摘にも一定の論拠がある。しかし二巡目までをスクリーニング効果により発見されたものと考えることには無理がある。過去18年分の潜在的な患者を一巡目のスクリーニング効果で拾ったことが認められるとすれば、二巡目のスクリーニング効果は、せいぜい4年分しかない。このため、一巡目のすべての患者がスクリーニング効果によるものとしても、二巡目については、ほとんどのモデルによって、スクリーニング効果以外の何物かの要因が認められることになろう。


[2] 菅谷昭,ユーリ・E・デミチク,エフゲニー・P・デミチク, ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺ガンの現状
(今中哲二[編], (1998). 『チェルノブイリによる放射能災害 国際共同研究報告書』, 東京:技術と人間.所収, NDL-OPAC
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Sgny-J.html

 [3] ベラルーシにおける小児甲状腺癌の患者数
(目視による読取り結果が示されている)
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/507.html#c8

[4] ウラジーミル・P・マツコ,今中哲二, ベラルーシにおける法的取り組みと影響研究の概要(Mtk95-J)
(今中哲二[編], (1998). 『チェルノブイリによる放射能災害 国際共同研究報告書』, 東京:技術と人間.所収, NDL-OPAChttps://web.archive.org/web/20040906210539/http://www-j.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Mtk95-J.html

#甲状腺癌は、福島第一原発事故の被害を極小化しようとする人物や組織にとっては、いわば天王山であるため、多くの無理な解釈が試みられることと思われる。同時に、検査態勢をわざと杜撰なものとして、実質的には治療を行うという方法論が取られるものと、犯罪予防の観点からは予測される。この枠組こそは、利益の極大化につながるためである。

2016年10月5日水曜日

(メモ)大気拡散予測の公開サイトは『Meteocentrale スイス』だけか



 上掲のふらん(@framboise731)氏のメモは、福島第一原発周辺の風の動きを一般向けに公開するサイトへのリンク集であるが、以前の記事(リンク)において指摘したように、福島第一原発付近を通過した大気の挙動を予測する公開のサイトは、やはり『Meteocentrale スイス』(上掲の2番目と3番目のリンク)しかないようである。

 以前の記事の繰り返しになるが、「地表面への沈着や下水道への流入や核種の崩壊を考慮した空間放射線量の予測」のような研究は、行われているとすれば、既にどこかの組織がリアルタイムで実施しているであろうと容易に想像できる。ここで念頭に置かれている研究は、2011年4月以降の放射性物質のサイト外への排出総量の予測を目的としているものである。モニタリングポストの値は、単にチェックされるべき対象というより、排出された放射性物質の総量を予測するための材料である。まったく責任感のない予想であるが、数十億円あれば、この研究は、十分に実施可能と思う。研究者のお口にチャックができるかどうかが、実施に当たっての一番の難関であろう。

2016年9月6日火曜日

「フクシマ」は国際的な関心と圧力を背景に匂わせる表現である(メモ)

 菊池誠氏は、福島第一原発事故を「フクシマ」と片仮名表記することが、福島に住み続けようという意思を持つ人たちの気持ちを考えたものではないという(リンク)が、この指摘は、同氏にしては、珍しい事例である。疑似科学界隈において随分と配慮に欠いた指摘を行ってきた同氏が、構築主義的観点を取り込んだ「理系式」の「野生の理解」を垣間見せるものであるためである。実は、この点をふまえて、私も「野生の理解」ばりに福島第一原発事故の片仮名表記を使い分けている。福島第一原発事故の片仮名表記は、「海外の国民の懸念や心配を背景として、国際問題として構成・実体化された福島第一原発事故」という意味で、用いているのである。

 現地の被害者やわれわれ日本人一般の意思に関わりなく、事故は、国際問題化している。事故に対する国民としての責任の程度がいかなるものであれ、われわれは、事故後という新たなステージに上らされている。この状態は、わが国の国(民)益を維持しようとする「政体」の力が、他国のカウンターパートに比較して脆弱なためである。菊池誠氏のように、国際的に構築された、この間主観的事実を否定しようとすることは、昭和前期の日本における選良の一つの身の処し方であったかも知れないが、21世紀も良いところの現今において、国際的に通用する礼節または教養となり得るかは、相手が判断することである。

 われわれ一般の日本人のうち、かなりの者は、自らの健康・生命や財産が否応なしに現在の「政体」の無力によって、かなり危険な賭けに載せられていることに対して、危機感を明確に表現してはいないが、頭の片隅では、それなりに感じているところもあるのではないかと考える次第である。



 蛇足であるが、インターネットは「野生の思考」を加速する存在である。私は、その泥沼に足を取られている。ただ、従来の学問に乗らないベースの実用的な思考を相当に加速させており、たとえば、掲示板『阿修羅』のカルト板において、一日三回の漫談投稿を行う「ポスト米英待望論」氏のように、ほぼリアルタイムに「ちゃかし系陰謀論」の思考を結実させる偉業(?)が達成される上で必須のインフラとなっている。そこには、恐るべきスピードで去来する情報の存在を認めることができる。私には、この情報を学術的に十分な範囲と程度で消化して血肉としながら、オリジナル感のある新情報を提示することは、できそうにない。

 さらに蛇足。個人的には、『国際秘密力研究』の「菊池」氏の正体を知らないが、なぜ、こちらの菊池氏が大阪大学の教授ではないのかを訝しむ次第である。万が一の場合、二人の「菊池」氏が同一人物であったとするならば、根本から同氏に対する見方を転回する必要に迫られそうである。というか、そうであったとすれば、とても興味深いことである。

2016年8月31日水曜日

日本国民の免責のために安倍晋三氏の「アンダーコントロール」発言は機会あるごとに批判されるべきである

 2020年オリンピック招致に際しての安倍晋三総理大臣の「アンダーコントロール」発言(2013年9月7日)※1に係る真意は、後の国会において、数度、安倍氏自身により説明され(ようとし)たが、この顛末に対する批判は、英語圏ではそれほど高まりを見せていないようである。「アンダーコントロール」発言そのものは、英語圏においてもジャーナリスト※2、※3や反核団体※4などにより、放射性物質の海洋への漏出が続いているという推測と矛盾すると批判されると同時に、批判されたこと自体も報道の対象となっている※5。 しかし過日(平成28年8月26日)、Googleで「Abe Fukushima Diet "under control"」などの検索語を完全一致オプションとともに試してみたものの、「アンダーコントロール」発言に係る安倍氏の国会答弁について、後追いしている英語のページを発見することはできなかった。この作業は、私の調査資源からすれば、悪魔の証明に類するものであり、事実ではない可能性も十分に認められる。ただし、日本語では、安倍氏の国会答弁に対する批判は、ブログなどに見出すことができるから、英語マスメディア等では単にニュースバリューがないものとして片付けられていると結論することは、特に問題を生じる理解とは言えないであろう。

 英語圏では、招致委員会における安倍氏の発言は、単独で、国際公約として成立することが認められているようである。この点は、わが国の政治家一般に対する日本語マスメディアや日本国民(で声を大きく上げている者)の受け止め方とは異なる。この国内外の差は、そのまま、安倍氏による国会発言の検証に対する差にもなっている。国会に代表される日本語圏では、福島第一原発の状態を問うことに加えて、安倍氏の発言同士の矛盾を衝くことが議論の要件となっているかのようである。しかし、この条件が国会発言のみで満たされてもなお、安倍氏は自らの誤りを明確に認めることができないようである。

 海外では、日本国内のような議論は必要とされず、事故後の現実と安倍氏の発言との齟齬を見るだけで十分に責任を問うことが可能であると見る態度が主流であると考えて良いであろう。この差は、わが国の言論状況が日本語だけで完結しており、かつ、独特な形式に発達していることの例証となろう。また、この差は、日本語圏のウェブ言論に対する情報の検閲や統制が一定程度機能しており、あるいは一般人や、一般人に紛れる広告企業の被雇用者の側に迎合主義が見られるために生じたものと見ても差し支えないであろう。

 日本語ブロガーなどのサイトでは、安倍氏が収束していない旨を国会にて発言したことについて、批判する記事を容易に発見できる。たとえば、大沼安史氏は、「2020年に向けて、国際社会の厳しい指弾の的になって行くだろう。」と予測している※8

 安倍氏自身による「アンダーコントロール」発言に対する幾度かの国会での説明は、私のポンコツ知能では理解できない難解さを誇るものであるが、第186回参議院予算委員会議事録第5号(2014年3月3日)※9における発言の解釈を、私の現時点の知識から試みてみると、次のようになる。
  • 政府は、状況を的確に把握している
  • 敷地内での汚染水漏れも把握している
  • 漏れた後には、対策を実施している
政府という主語を明確に示すことができるのは、状況の把握に限定される、という点が重要であろう。これに対して、対策の実行に責任を負うのが東京電力であり、実際の作業に従事する主体は、もっぱら東京電力のn次下請け企業($n \geq 2$)に雇用された従業員たちであろう。この状態は民主党政権時代から踏襲されているため、安倍内閣のみに責任を帰することはできないが、この状態を知りつつも「アンダーコントロール」と海外において発言したことは、安倍氏自身の責任の範囲内に収まることである。

 3.11以後、日本語圏の言論は、明らかに混乱した状況にある。本来ならば明白に優勝劣敗を付けられるはずの議論が、カネに釣られた多数の匿名を 気取る者によって、原発ムラに都合の良いものに歪められている。エア御用学者も複数登場し、公の場で平然と嘘を吐いているが、社会的制裁もなく放置されている(「メルトダウンではないだす」)。この混沌は、言論の正確性に対する話者の感性を摩耗させるとともに、感性の鈍化した話者の表出がゴミ情報を発生させるという悪循環を生み出す。この悪循環は、「人気のある情報をトップに上げる」というベイズ統計を利用した現在の情報検索手法によって、さらに加速される。ゴミをゴミと識別できる読者が多数いなければ、同時的な言論を乗り切ることが難しいが、エアか否かを問わず、御用学者の言動が一般の国民を惑わせる。一般の国民が話者の属性によって話題に対する信頼の程度を上下させることは、責められることではない。専門家の役割は、専門について正確と思われる事柄を述べることにあり、互いに異なる専門を有する専門家同士も、互いの指摘を信頼する関係が成立するからである。

 わが国のトップが嘘を吐いたことを国民が放置し続けることは、わが国の政体・国体・国民のいずれにとっても不幸な結果を招来することになりかねない。国民の沈黙は、わが国では美徳であるが、他国では、消極的な同意とみなされかねない。この状態がよろしくないことは、以前の長い記事(リンク)で、村上春樹氏や小出裕章氏が外国に訴えたことなどに絡めて、十分に説明したつもりである。他国のインテリジェンス機関は、まず間違いなく、私が本記事で示した状態についても十分に把握した上で、静観しており、その利用の機会を狙っているはずである。

 帝国主義的な現今の世界情勢において、安全保障の意味でのセキュリティ、健康的な国民生活という意味でのセキュリティ、両方を維持・向上させるという目的を達成するためには、本記事で示されたような「政体」の詭弁が、勇気ある有名人のみならず、国民の一人一人によっても批判される必要がある。その批判は、何も具体的な言論を提起することによらない。わが国は、間接民主主義社会であり、投票行動によって意思を示すことができる。投票の秘密は、憲法(リンク)により保護されており、本来であれば、日本国民は、独立した個人として迫害を予期することなく投票できるはずである。

 なお、国民が示したはずの意思を内外の人々に誤解させるという点において、「不正選挙」は、外国からの危険を招来するものである。民主主義社会は、「皆で決めたことは(最善ではなく)仕方がないことである」ことを意思決定のベースとする社会である。民主主義社会下における個人は、社会全体として選択されたはずの結果を元に、次なる行動を決定するという(宮台真司氏の表現によるところの)再帰的な存在である。不正選挙は、この点においても問題のある方法である。不正選挙の結果、選択された(と国民に誤解を与えた)一味が何事かの悪事を国際社会において実行した場合、その報いは、この一味のみが引き受けるべきであろう。この点において、不正選挙の存否を追究することは、国際社会に対して国民の責任を減免するという意味を有する作業である。


※1 Presentation by Prime Minister Shinzo Abe at the 125th Session of the International Olympic Committee (IOC) (Speeches and Statements by Prime Minister) | Prime Minister of Japan and His Cabinet
http://japan.kantei.go.jp/96_abe/statement/201309/07ioc_presentation_e.html

※2 Did Japan Lie Its Way Into the Olympics? (Peter Lee, Sep 27, 2013)
http://www.counterpunch.org/2013/09/27/did-japan-lie-its-way-into-the-olympics/

※3 Abe Olympic Speech on Fukushima Contradicts Nuclear Plant Design - Bloomberg (Tsuyoshi Inajima and Yuriy Humber, Nov 1, 2013)
http://www.bloomberg.com/news/articles/2013-11-01/abe-olympic-speech-on-fukushima-contradicts-nuclear-plant-design

※4 Fukushima "under control"? | Wise International
https://www.wiseinternational.org/nuclear-monitor/769/fukushima-under-control

※5 Abe claims Fukushima radioactive water woes are 'under control' | The Japan Times (Kyodo, Oct 16, 2013)
http://www.japantimes.co.jp/news/2013/10/16/national/politics-diplomacy/abe-claims-fukushima-radioactive-water-woes-are-under-control/

なお、上掲の記事※2や下記ニュースサイト※6に示されている記事の元記事は、AFP通信により配信されたもののようであるが、高円宮妃久子殿下を「天皇の義理の娘」と表現している。元記事が削除されているため、この誤報が修正されることは、期待できない。

※6 Japan PM tells IOC Fukushima situation 'is under control' - Breitbart
http://www.breitbart.com/news/cng-92fe2f080078a69185437929a454fd0b-b11/

※7 皇室の構成図 - 宮内庁
http://www.kunaicho.go.jp/about/kosei/koseizu.html


※8 机の上の空 大沼安史の個人新聞: 〔フクイチ・グローバル核惨事・史料〕◆ 「収束したとは言っていない」と弁明! / 安倍晋三首相、2020年・東京オリンピック招請ブエノスアイレス演説に関する参議院予算委での答弁 ★ 首相の「アンダーコントロール」演説は、汚染水問題が深刻化する中、こんご2020年に向けて、国際社会の厳しい指弾の的になって行くだろう。なんらかのかたちで責任を追及されるかも知れない。
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2015/04/post-9fbb.html

2015年1月30日の発言についても、以下のブログ主のような批判が日本語では残されている。引用されていたロイターの記事を直接参照すると、2015年1月30日の第189回衆議院予算委員会3号であることが特定できる。


安倍首相「福島第1原発事故、収束という言葉を使う状況にない」 アンダーコントロールは・・・ - 異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!
http://blog.goo.ne.jp/koube-69/e/d9f984f0631e81ee5e64ea4b4c0e0bf5

福島第1原発事故、収束という言葉を使う状況にない=安倍首相 | ロイター
http://jp.reuters.com/article/fukushima-abe-idJPKBN0L30GD20150130


※9 第186回 参議院 予算委員会 平成26年3月3日 第5号|国会会議録検索システム - 18603030014005.pdf
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/186/0014/18603030014005.pdf


議事録は、テキストファイルでもダウンロードできるが、そのテキストファイルの1171行以降
○那谷屋正義君 【...略...】
 さて、ここまでは割と平和に質疑が行われてきたというふうに思いますが、実は先ほど、九・八の総理の演説の話、大変感動させていただいたというふうに申し上げたんですが、一つだけ、やはりこれもマスコミ等で物議を醸し出しましたアンダーコントロールというのがございました。この見解が福島県民にどういうふうに受け止められていると考えていらっしゃいますか。総理大臣、お願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私がプレゼンテーションにおいてアンダーコントロールというふうに申し上げましたのは、福島第一原発では、貯水タンクからの汚染水漏えいなど個々の事象は発生はしていますが、福島近海での放射性物質の影響は発電所の港湾内の〇・三平方キロメートルに完全にブロックされていると。言わば、事態では、個々の事態は起こっているけれども、それは私は承知をしているし、対応しているよという趣旨のことを言ったわけでございまして、つまり、コントロールできていないということだったら全く何もできていないということになりますが、それは私は事態は掌握をしているし、対応はしているよということを申し上げたつもりであります。

○那谷屋正義君 それはなぜそういうふうに言われたかということであって、そうじゃなくて、それをお聞きになった福島県民がどう受け止められているというふうにお考えか、それについてお聞きをしているところであります。(発言する者あり)

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、後ろの方からふざけんなよという話がございましたが、先般も私は福島県に参りました際、例えば相馬市の市長からは、水産物が大変な風評被害を受けている中においてよく言っていただいたという話もありました。
 ただ、我々は決して収束したとは言っていないわけでございますが、ただ、まだ汚染水の様々な報道がある中において、報道でコントロールできていないではないかという方々もおられたんだろうと、こう思うわけでございますが、要は、英語のプレゼンテーションの中において、大切なことは、あのときは、まさに日本はちゃんと対応できていないのではないか、事態も全く掌握できていないのではないかという中において、そういう国にはオリンピックを任せることはできないねという雰囲気があったのは事実であります。それをいかに私は、日本の総理大臣としてその雰囲気を払拭することができるかどうかが私のスピーチのポイントでございましたから、そのところにおいて、私は責任者としてそれはしっかりと事実を掌握をして対応していますよという意味においてコントロールしていますよということを申し上げたところでございます。

 おしどりケン&マコ氏は、港湾内の0.3平方kmの海水が日に50%程度外洋の海水と交換されている、と東京電力が回答したと報告している※10。おしどり氏の質問する様子は、岩上安身氏のサイトIWJの東電定例会見のページで確認できる※11。担当者は、会見の場では、調べて回答すると述べている。おしどり氏は、5・6号取水放水ラインによる海水の汲み上げと放水が別立てで行われていることについても指摘している。

※10 汚染水は港湾で希釈してから外洋へ。 | 最新記事 | OSHIDORI Mako&Ken Portal / おしどりポータルサイト
http://oshidori-makoken.com/?p=748

※11 2015/02/19 福島第一原発2号機海水配管トレンチの立坑Aの水位が上昇、滞留水をタービン建屋に移送~東電定例会見 | IWJ Independent Web Journal
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/233816

平成28(2016)年9月6日訂正

 誤りを発見したので修正した。なぜこのような間違いをしでかしたのか、良く分からない。

2016年8月28日日曜日

ダイヤモンド・オンライン(平成28年8月26日)窪田順生氏の記事について(感想)

 ノンフィクションライターの窪田順生氏は、ダイヤモンド・オンラインの8月26日の記事※1において、毎日新聞(7月14日)の記事※2から「4+1」会合の存在を引用し、宮内庁がNHKと協力して天皇陛下のお言葉を放送する段取りを整えたものと推測し、庁外の一部の反発を抑えてお言葉の放送にこぎ着けたことを高く評価している。「4+1」とは、官庁機構トップ2人、侍従職のトップ2人、OB1名から構成される宮内庁内の懇談会であるという※2。官庁機構側のトップ2は旧内務省系の事務次官級である一方、侍従職トップは外務省系である※1。窪田氏によると、今回の成り行きに係る巷の観測には、「オモテ」と「オク」の対立から生じたもの、「オク」の独走によるものなどがあるらしい。

 窪田氏は、今回のお言葉に至る経緯は、宮内庁の首脳陣が一丸となってNHKと協力して企画・実行してきたものと理解している。その証拠として、NHKに対する取材拒否等の報復がないことを挙げる。宮内庁の幹部たちは、官邸と国民を納得させるために、
陛下の「お気持ち」を宮内庁内部の何者かがリークし、事無かれ主義の宮内庁幹部がそれにフタをしようと目論むも、陛下の強い意向を無視することができず結局、押し切られるように「お気持ち」表明をした※1
という筋書きを描き、あえて憎まれ役を買ったのではないか、と窪田氏は推測しているのである。

※1 宮内庁の完全勝利!?天皇陛下「お気持ち」表明の舞台裏|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/99848

※2 生前退位意向:5月から検討加速 宮内庁幹部ら5人 - 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160714/k00/00e/040/220000c

 窪田氏の論考は、説得力のあるものであるが、私には、窪田氏の論考の根幹を受け入れた上で、末節については、なお異論がある。その第一は、本当に宮内庁の官僚たちが一丸であったのか、という点についてである。第二は、ある意味検閲され、ガチガチに固定化されたことが認められる状態であっても、陛下のお言葉が放送されたという結果には、皆が満足しているのであろうか、という点についてである。

 第一点目、官僚たちが常に一丸であるかであるが、私には到底そのように思えない。個人的体験からいえば、官僚の三分の一は、環境さえ許せば、利己的に振る舞う。仮に、官邸が皇室の政治利用を嫌うとすれば、官邸は、人事権を利用して宮内庁への出向者を子飼いのものにするはずである。「子飼い」という表現は、利己的な振る舞いを利用される余地がある状態にある、と読み替えた方が的確かも知れないが、ともあれ、今回の成果が宮内庁一丸となった結果であるという表現は、どのような組織にも腐ったミカンが出現する、という原則論からみて、素直に飲み込めないのである。もっとも、窪田氏の表現は、何かの符牒や罠であったり、同氏の後の取材を円滑にするための作業の一環であるとも見えるものである。

 第二点目、録画であっても陛下のお言葉が全地上波局(東京都内)で国民全員に伝達されるようにテレビ放送されたという結果は、現状の日本社会の成員の構成状況を前提とすれば、これ以上を望むべくもない程の成功であったといえるが、それでも、よりベターな結果がなかったのであろうか、とも考えてしまうのである。このように考える理由は、もちろん、福島第一原発事故の収束が完了しておらず、日本国民の数割が福島第一原発事故による健康被害リスクに曝露され続けているためである。一部の関心ある人たちを除けば、受忍していることにすらなっている訳ではないし、同時に、一部の関心ある人たちも、東東北地方や北関東地方に居住することのリスクを理解しつつも、やむを得ずリスクを引き受けている状態であろう。時間の経過につれて、リスクは単調増加する※a

 これらの異論の先を見越せば、国を動かす作業は時間のかかることであるという反論も、(本件に関与した)高級官僚の中から聞こえてきそうである。しかし、時間を要したという結果責任は、軽重の程度こそあれど、高級官僚たちのほとんど全員が、本件に関与した人物も含め、各自の振る舞いに応じて引き取るべきであるし、そうせざるを得ないことになろう。何度か指摘しているように、わが国の高級官僚たちは、十分過ぎるほどに政治的に振る舞ってきたからである。どれほどの理由を見込んでも、結果的かつ外形的に、高級官僚という職能集団は、「戦争屋」の意向を忖度し、(生命を保つという意味での)保身に走ってきた。わが国では、当の皇室ご一家を除き、個人がその「職業」を辞めるという選択肢は、憲法第22条によって、基本的には保障されている。このため、現状に至る政策パッケージの形成の場において、日本国民の健康及び生命に悪影響を与えることが見込まれる施策に荷担するよう求められたとき、近い将来、(文字通りに)腹を切ることになるのが嫌だったのであれば、当の高級官僚は、辞めるとともにその経緯を世に問うべきであった、と言えるのである。

 窪田氏の記事は、同氏が今後の動向を報道する上で役に立つことであろうが、お言葉に係る報道を今回のような形で実現させた高級官僚たちを免責する上で役に立つものとはならないであろう。というのも、福島第一原発事故による健康影響は、チェルノブイリ原発事故における推移に倣えば、今しも顕在化しようとしているところであり、その状態は、官庁統計同士の齟齬を注意深く分析する者に把握されている可能性すら認められるほどであるためである。事故の収束作業に従事しない一般の日本国民は、チェルノブイリ原発事故以上に苛酷な条件に置かれているわけであるから、今までの間に影響が出なかったと断言することは、とてもできないであろう。いずれにしても、現役の高級官僚たちはもちろんのこと、過去10年ほどの間に退職したOBの幾人かも、責任を逃れることがすでに適わない状態にある。今後、マスコミや学識経験者を巻き込む形で、高級官僚たちがてんでに責任を逃れようとする試みが繰り広げられるであろうが、おおよそ、全員が総懺悔という顛末を迎えることになろう。第二次世界大戦は悲惨であったが、今後、それ以上の悲惨が顕在化しないとも限らない。その成り行きの次第を恐れるのは、健全な国民であれば、当然のことである。

 なお、面白いことに、窪田氏の2015年1月6日の戦後70周年に係る『サンデー・モーニング』に対する辛辣な批評記事※3は、窪田氏の今回の記事に対しても適用可能である。窪田氏は、同番組がギュスターヴ・ル・ボン[著], 桜井成夫[訳],(1895=1993).『群衆心理』(講談社学術文庫).を引用し、プロパガンダを仕掛ける側が大衆を見下していると指摘し、現政権に対する批判を提示したことに対して、ル・ボンの創始した方法に最も忠実なのが現代のテレビであると批判している。これを、窪田氏は、ブーメランになると表現した。この経歴をふまえると、今回の窪田氏の記事の表現は、国民の生命と健康と財産を保護するための仕事を十分に果たさなかった人物まで擁護することになってしまいかねないものであり、全宮内庁の官僚の仕事を擁護したことになる。リップサービスは、今後の取材のためであろうと、「罪人を庇うつもりで、官僚の予防線として機能するように、記事を用意したのか」という邪推を許すことにもなるのである。報道に関与する人物は、取材対象との一定の距離を保ち、顧客が誰であるのかを常に意識しなければ、1%側の人物として容易に分類されてしまうであろう。もっとも、いくら本稿がカネにならなかろうが、今後の仕事のチャンスを奪うものであろうが、私の記事にも同じ事が当てはまるであろう。解説記事は、それだけの覚悟を必要とするものである。

※3 窪田順生の時事日想:“ヒトラー安倍”にご用心!? 日本の「群衆」を操作してきたのは誰なのか (1/4) - ITmedia ビジネスオンライン
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1501/06/news029.html



※a 国及び国民が動き出すまでの時間が長引けば長引くほど、確率的に発症する国民の人数は、決定論的に単調増加すると考えて良い。LNT仮説は、一応今のところもICRPによって採用されているので、同説に従い、現状を大雑把にモデル化すれば、この結論は、簡単に得られるものとなる。ざっくばらんに考えると、呼吸器系の疾患についてみれば、おおむね、2011年3月中の対策が分水嶺となると予想される一方で、地域の汚染状況と居住期間に比例して、リスクは増加しているであろう。よって、地域集団における発症のリスクは、居住時間の一次式として表される。切片は、航空測量等による空間線量に規定されよう。食品の摂取を通じた内部被曝による、ある時間における被曝線量の増加分は、一人について見れば、徐々に低減する階段関数状(マヤ型ピラミッドのような形状)となるものと予想される。主食となる米の蓄積した放射性物質が効くと思われるためである。人の年齢や性別から来る食習慣によって、この階段の高さは変わるであろうし、人の年齢や性別によって、この階段から受ける影響も変わる。この先については不勉強きわまりないので、年齢や性別が二乗で効くのか、別の指数倍で効くのかは分かりかねるが、最終的には、汚染地域における人口集団における食品を通じた内部被曝に起因する発症・死亡のリスクは、時間の単調増加関数となることだけは、間違いないであろう。

#今般の台風によっても、東京都内における空間線量(周辺線量当量)は、福島第一原発事故由来のものと比較して、半分程度、風向きによって上昇し続けている。



#一応、公務員と外部者の責任の相互作用という点では共通しているので、忘れないうちにメモしておく。

 郷原信郎氏は、甘利事件に着手したことについて「敬意を表したい」と高く評価していたが(リンク)、不起訴という結果に際して、下記のような記事を公表している。検察の動きに対して、マスコミを含む世間一般は、元検察官であり、東京地検特捜部にも所属していた郷原氏の解説に期待しているであろう。郷原氏の一連の記事は、その期待に応える形で執筆されたという側面を有するものであろう。とはいえ、そのような社会一般の期待があるにせよ、記事の内容は、その期待とは切り離した形で評価されることになる。

 不起訴について、郷原氏は、
検察の屈辱的敗北が、「検察の落日」だけではなく、公正さを亡くした「日本社会の落日」とならないよう、今後の展開を期待したい。
と評して筆を置いているが、この表現は、検察に何の伝手もない私の読みからすれば、かつての職場に対する手心と受け止められてもやむを得ないものである。今後、検察審査会による不起訴不当の議決等を経て、甘利事件が裁かれることがあったとしても、この事件の経緯を知る日本国民の大多数は、将来にわたり、自身の国の検察を公正で法の精神を遵守する組織であるとは考えないであろう。社会環境が大きく変わったとき、たとえば、日本が再占領の憂き目に遭ったとき、郷原氏の解説は、日本のムラ社会における馴れ合いの表出と見なされるかも知れない。

特捜検察にとって”屈辱的敗北”に終わった甘利事件 | 郷原信郎が斬る
https://nobuogohara.wordpress.com/2016/06/01/%E7%89%B9%E6%8D%9C%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E3%81%AB%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%B1%88%E8%BE%B1%E7%9A%84%E6%95%97%E5%8C%97%E3%81%AB%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%94%98%E5%88%A9/

2016年8月25日木曜日

テロ対策担当者が外国のカウンターパートから信頼されるためには福島第一原発事故の収束にまず注力せねばならない

  • 読売新聞(署名なし), 平成28年8月24日(水)朝刊1面東京14版. 「テロ情報収集 要員倍増/東京五輪控え 国内外80人体制」.
  • 読売新聞(政治部 深谷浩隆), 平成28年8月24日(水)朝刊1面東京14版. 「専門家の育成が急務」.
  • 朝日新聞(赤田康和), 平成28年8月24日(水)夕刊3面東京3版.「『逆植民地』が日本を救う?/社会学者の橋爪大三郎さん提言/途上国に過疎地提供、地域再生「新しい発想を」」.
2016年8月24日(水)の『読売新聞』1面の記事に対して、二点を指摘する。題名で論点に係る内容がおおよそ示されているので、引用は省略する※1。一点は、40人を80人に倍増したというのは、焼け石に水のようなものであって、数に対するセンスがないということである。もう一点は、たとえわが国がこのような組織を整えたからといって、福島第一原発事故を放置しているような政体に使われる組織のままでは、相手国のカウンターパートに内心では馬鹿にされ続けるであろうということである。

 先の二点の指摘のうち、後者が決定的に重要である。所属する成員は、所属先の組織の目的が政体の維持ではなく、主権者たる国民の保護にあることを相手に示す必要があろう。そうしない限り、相手国から真に重要な情報を引き出せることは、期待できないであろう。福島第一原発事故の健康影響は、テロ事件の犠牲者に対して、2桁以上の桁違いになりうる。他方、わが国における「テロの季節」は、福島第一原発事故の影響を隠蔽するためのスピンとして、わが国の政体にも一部の役回りを演じさせる形で、企図されるであろう。物事の主従関係を取り違えたままでは、いくらテロ対策において国際協力が必要であると力んでみても、相手国のカウンターパートには、常に適当にあしらわれることになろう。それに、主従関係を取り違えたままでは、相手国のNテロ対策にとって、わが国は、常に危険視される存在となり続けることになろう。

 福島第一原発事故を実質的に放置して、国際テロ対策のみを推進しようとすることは、あたかも、橋爪大三郎氏が、福島第一原発事故による影響を(朝日新聞の文芸欄では)伏せつつ※2、国民の減少分を「逆植民地」によって取り戻せるかのように議論しているように、主従を転倒させた話である。なお、橋爪氏の話は、すでに中国残留孤児・日系ブラジル人・ペルー人についての政策として、一部(のみ、なし崩し的に)実現したことがあるので、その検証から始めるべきであって、提言が先行する話ではない。橋爪氏の話は、影響力が大きな割に、大事なことを隠して自身の意見を社会に強制するものである上、穴の多いものである。橋爪氏の意見に対しては、以前にも、テロ対策で批判した(リンク)ことがあるので、あえて晒しておく次第である。

※1 たとえば、組織上は外務省に設置されている、といった縦割りの話は、ここでの話に影響しない程度に小さな話である。

※2 記事によると、「『日本は崩壊に向かって走っており、新しい発想が必要』という。」から、わが国が単に人口減によるソフトランディングを迎えることはない、と橋爪氏が考えていることを言外に読み取ることは、不可能ではなかろう。学者の役割は、物事を正確に伝えることにある。



 環境省が8000Bq/kg未満の汚染土を利用可能という方針を決定しようとしているが、この方針は、橋爪氏の提言とは、本来ならば、相容れないものである。汚染物質が埋設されている否かを逐一調査しなければならないような地域に、あるいは、地域に流通する食物を逐一検査する必要が生じるような地域に、国民を「輸出」する国は、よほど(指導者層が)追い詰められており、自国民の長期的な健康を犠牲にして、短期的な利得の獲得を目指す国ということになろう。または、敵対的な少数民族の虐待を目論む外国政権ならば、喜んで敵対的な自国民を移民させ、搾取の対象とするであろう。このような政策が実現される前に、日本国民が劇的な人口減少を迎えることになり、その人口減少が福島第一原発事故によるものという蓋然性が認められることにになれば、諸外国は、さすがにわが国への「棄民」政策を見送ることになるかも知れない。

 このように書き出してみると、橋爪氏は、人口削減を是とする悪の秘密結社のスポークスパーソンであるかのようにも読めてしまう。これは、私としては、一種のオチのつもりである。

2016年8月10日水曜日

福島第一原発事故についての英語ブログ(メモ)

#外国語で福島第一原発事故後の日本の状況を発信するブロガーはどれくらいいるのか、のメモである。それぞれ、アップデートの頻度も停滞しがちなように見える。


The Hiroshima Syndromeは、外国向け英語情報をソースとする。外形的には、被害の限定化を目的に執筆されているブログであると判定できる。3件をアップデートしているが、うち1件の甲状腺癌検査については、『Science』のDennis Normile氏の記事を引用する形で「福島の子どもたちの報告された甲状腺癌は、原発事故と何ら関係がないことを記録が示している」と述べるに留まる。Normile氏の記事は、東京大学の渋谷健司氏の見解を基本に置くものである。Normile氏の記事からは、現地取材の跡を文面から読み取ることができない。

英語とフランス語に記事を翻訳して発信しているのは、『Fukushima Diary | Fukushima accident to go-on 40 more years』の氏である。ブログ主が日本語を読めるので、記事を選定する基準は比較的柔軟である。現在、ルーマニアから発信しているとのこと。基本的には二次情報。

Anne Kaneko's Fukushima Blogは、郡山に在住されていたKaneko氏によるブログであるが、2014年の3周年を機に、郡山から離れることもあり、閉鎖された(が、それまでの記事は閲覧できる)。一次情報も元にしている。