湯気が出ているかに見える空中写真は、英国のThe Guardian紙が良く報じている。そのソースが他の通信社や企業であることから、同紙が日常的な関心の下に調査報道を進めているものと推定される。同紙に掲載された写真などは、回り回って、日本のブロガーの中でも、必ずしも良い噂を聞かない面々などに引用されたりもする。それらのブロガーが画像を引用する場合、日時についての誤記(誤解)が見られたりもするところがポイントである。
asahi.com(朝日新聞社):水素爆発後の写真、米衛星が撮影 福島原発3号機 - 東日本大震災
(2011年3月15日)
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103150079.html
Fukushima plant severity raised to Three Mile Island level - AJW by The Asahi Shimbun
(2011年3月18日)
http://ajw.asahi.com/article/0311disaster/fukushima/AJ201103183059
#ここでの写真は、2011年11月22日記事(リンク)にも再掲。
#写真はデジタルイメージ社。この写真が良く孫引きされる。
Fukushima Daiichi begins pumping groundwater into Pacific | Environment | The Guardian
(2014年5月21日)
http://www.theguardian.com/environment/2014/may/21/fukushima-groundwater-pacific-nuclear-power-plant
#AP通信。海側から撮影。手前の海側上空に靄のようなものが見える。
In delicate operation, 20-ton object removed from Fukushima fuel pool:The Asahi Shimbun Digital
(2015年8月2日)
http://www.asahi.com/english/articles/AJ201508020026.html
#写真は、Tatsuya Shimada氏による。細かい水粒子からなる湯気のようなものが見える。明確に海霧ではない。通常、夏場の晴の日であれば、霧は朝の早いうちに消える。写真の影から、午前中であるが、計測が不要である程度は朝ではないことが見て取れる。
Radioactivity level rises 4,000-fold in duct water at Fukushima plant:The Asahi Shimbun Digital
(2015年12月11日)
http://www.asahi.com/english/articles/AJ201512110041.html
#写真は、朝日新聞による。陸側からの鳥瞰。靄のようなものが奥(上方)に見える。望遠写真によるときのヘイズではないように見えるが、窓越しの撮影であることが影響した可能性もある。
しかしながら、困ったことは、結局のところ、一見デマとも見える陰謀論者の懸念が日本語マスコミの大本営発表よりも、事態の推移を的確に予測していることである。その傍証はいくつかあるのだが、誰もが納得できるだけの「証拠」に仕上げていくためには、それなりの準備が必要である※1。
<減るどころか増えた汚染水地獄>海側の遮水壁を閉じてから何百トンと汲み上げて建屋に戻す毎日。このまま放っておいたら遮水壁が海側に倒れちゃう!?1/4東京電力会見(文字起こし) - みんな楽しくHappy♡がいい♪
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4517.html
上記ブログの文字おこしを信用すれば、汚染水の取水量が一定しないこと、取水時には600トン(600立方メートルとすれば一辺8.43メートルの立方体)を汲み上げているという。汲み上げられないときには、溶融した燃料が熱源となって(冷却・汚染)水を蒸発させていると見ることは、さほど無理のない理解である。第一、冷温停止状態とは、必ずしも溶融した燃料の温度が気温や水温と同程度であることを意味するものではない。
溶融した燃料の熱により、汚染水の一部は蒸発していると見た方が良い。人工温泉のようなものが生成されているということは、国内外から多く指摘されていることである。AP通信やガーディアン紙の調査報道も、溶融燃料の状態への興味から進められたものである。私も前年に示唆した(リンク)が、RTのドローンを用いた除染用のフレコンバッグについての空撮映像も、福島第一原発の状況に対する懸念を婉曲的に提示する意図から報道されたものであろう。
多くの現象が、福島第一原発事故が明らかにコントロール下にないことを示している。
※1 その構想はあるのだが、昨夏からの宿題として持ち越してしまっている。これは、単に私のサボり癖によるものであり、ほかにさしたる理由はない。頑張ろうっと(嘘)。
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