2016年1月9日土曜日

相場観の欠如は当該分野の素人であることのまたとない目印である

 安倍晋三首相が国会答弁で夫婦の月給を夫・正社員で50万円、妻・パートで25万円と答弁したそうである※1。題名のとおり、相場観の欠如は、当該分野の素人であることのまたとない目印であり、これは、この数字自体を挙げてきたことは、驚くべきことである。アベノミクスに対する信頼を根本的に損なう答弁である。原稿を用意した人物は、詰め腹切らされて当然であろう。アベノミクスの終わりの始まりにならなければ良いのだが。(家計は、多少の備えを進めた後であるが)

 パートとして、この金額以上の月給をいただいたことがあるのは、ごくごく一時期に限られる。当時は緊急でもあり、私自身もノリノリであったので、作業はつらかったが、何ら不満なく、当時の上役には感謝している。年間300万円、現在の物価で、誰もがパートとしてもらえる世の中であるのなら、こんな良いことはないのだが。現実にはもちろん、デフレ傾向が20年続き、諸外国はその間にインフレが進んでおり、アベノミクスの影響で円安なので、25万円とは、諸外国における給与であると理解すれば、当たらずと言えども遠からずである。
 それにしても、安倍氏のブレーンチームであるチーム安倍は、どうしたのだろうか。経済政策について、現政権の中枢にいる者たちが明らかにセンスを欠くことが露呈された一幕である。竹中平蔵氏や渡邉美樹氏に聞けば良かったのに。

 それでは、パートでそれほどになる給与がうらやまし過ぎるので、パート月収25万円と計算して、飼われているネット右翼の人数を計算してみると、3333人ということになる。100億円÷(25万円×12ヶ月)=3333.3...である。この値は、ぱよちん騒動のときのamazon.co.jpの コメント数と大体同じである。ネット右翼に人気の動画の視聴者数の分布や、ぱよちん騒動 のときのamazon.co.jpのエフセキュア製品に対する否定的なコメント数などで推計することを想定していたが、もっと簡単な方法があったということだ。桁としては、千人ということであり、しかも、組織的な活動の形跡と合致したりもする結果である。月給25万円は、いやしくも国会答弁なのだから、誰かしらは官僚まで関与しているだろう。とすれば、この数値を用いて計算するのが礼儀(?)というものであろうし、これを推計の根拠として用いても、明確な根拠とともに否定されない限り、これが正しいものとして認められる、というのが議論のルールというものである。

 それとも、月収25万円は、ここで隠された数値を推定した方法と同様の手法によらなければ、算出できない結果であるし、桁違いではないというつもりなのだろうか。月収99万円と月収10万円は、食っていけるかどうかの分かれ目をまたいで、はるか遠くの数値同士であり、深刻な差が生じていることに留意すべきである。今回の月収の数値は、赤点かどうかと問われれば、さすがに赤点と言わざるを得ないのである。

 #月収25万は(飼われていない) ボランティア的なネトウヨの給与よりも多いかもしれない。日韓合意といい、これらの人を食った言行は、これから生じる不穏な季節のためのネトウヨの内圧を高めるための布石であり種蒔きなのだろうか。自称イスラム国を輸入することが難しい以上、その可能性があるものと私は推測している。

2016年2月21日追記


※1 安倍氏の発言は、2016年1月8日の予算委員会でなされたとされるが、国会会議録検索システム(リンク)による限りでは、本日現在、議事録がウェブ公開されていないようである。第190回 衆議院 予算委員会議録 第二号(平成28年1月8日)および第三号(平成28年1月12日)である。

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