2016年1月11日月曜日

サイレンの音が50回聞こえたという書込みから救急搬送件数を推定すると1927人程度となる

#すでに、私が隠れて、仮名で一風変わった?問題含みの書き込みをしていることは、知る人には知られたことである。「私に一定のリスクがあるにしても、国民が知るべきことを知らせる」 必要性を私も弁えているので、ここに、一般人でも仮名と実名とのリンクを確立できる材料を加える次第である。

ますます深刻化する健康被害 (5) 魑魅魍魎男
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/664.html

低気温のエクスタシーbyはなゆー: 千葉県北西部の住人「自宅から聞こえる救急車サイレンの頻度が高い」
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2016/01/blog-post_43.html


 福島第一原発事故に伴うかなりの汚染が認められる千葉県北西部にお住まいの書込み主が、サイレンの音が12月中に50回聞こえたという書込みを検討しよう。上記ブログも2ちゃん系のサイトからの転載であると認められるが、そのソースを検索する作業は省略しよう。
千葉県北西部地方に在住。12月中に自宅から聞こえる救急車のサイレンを数えた所、50回を超えました。
この書込みから的確に状況を推定する場合、最も影響力の高いパラメータは、在宅・起床中の時間帯となるだろう。次いで、書込主の住所とサイレンの可聴範囲が問題となろう。ミクロスケールで、サイレン音が聞こえた回数を推計するのは、かなり大変なことである。前回記事(リンク)では、私自身の環境について十分なパラメータが揃っていたので、この点についてはそれなりに正確な数値を利用できたわけだが、それでも、推計が大掴みに過ぎたことは、前回記事を参照すれば、十分に納得できるはずである。

(1) 2014年の総務省消防庁公表の救急搬送件数を、2014年1月月初の全国の推計人口で割ると、
(5984921/127234652)=0.047038451[搬送件数/(年・人)]

(2) 柏市の平成26年中の救急搬送件数を平成26年の年初の人口で割ると、
(17278/406686)=0.042484865[搬送件数/(年・人)]

(3) ツイート主()の住所が柏市(人口41万)内の1軒しかない指定医療機関の直近だと勝手に仮定して、ツイート主が24時間起きていて、すべてのサイレンを聞いてしまっていると仮定して、その回数に365日を乗じると、
(50/411613)*365=0.044337764[搬送件数/(年・人)]

 (1)や(2)は、統計のユーザにとって、調整の余地のない数値である。これらの数値が改竄されているという考え方もありうるが、そう仮定すると、状況把握のための足がかりを失うことになる。ここでの作業が意味を失うことにもなる。もちろん、行政が人員不足などから機能を喪失してしまったときには、統計を当てにすることはできなくなる。(そのときには、首都圏の多くの人々の日常生活も、影響を受けているだろう。)

 (3)は、50回という回数を1日内に聞いたものと仮定するという条件を除き、最大限、保守的な仮定の下に立てている。(3)の数値を減少させている要因として、ツイート主の住まいが救急病院が離れている、聞き逃しがある、従来なら軽傷者も搬送されていたところが搬送手段が別の手段になっている(タクシーや自家用車など)、手遅れの患者が増加している、ツイート主が夜中を通して起きていない、救急隊の活動上限に達している、などの要因が考えられる。

 (3)の推計結果を、書込みの内容に対して、より忠実なものとなるよう、更新してみよう。書込み主の生活時間帯が最も影響の大きな要素となる。毎日19時帰宅、24時就寝、7時起床、8時外出、また夜間は昼間の倍の急患が生じるという仮定を置き、誤差を考慮しなければ、夜間の一日あたり急患数をxとして、

31 * ((5/12) * x + (1/12) * (1/2) * x) = 50
x = (50/31) / ((5/12) + (1/12) * (1/2)) = 3.519062[搬送件数/(夜間・日)]
x * (3/2) * 365 = 1926.686[搬送件数/年]

と求められる。

 結果としては、年間に直すと、書込み主に把握された救急搬送件数は、同様のペースで推移したとしても、1927人程度である。この数値は、先の検討結果からすれば、また平成26年の実績である17278人という数値から見ても、随分と小さな推計結果である。どういう環境下(住所とサイレン音の可聴範囲)でこのような数値を得たのか、ということがさらなる推計の障害となるだろう。昨年はこうでなかった、との表記もあるが、人の記憶は、この点、なかなか頼りにならない。メモでも付けてあったのなら、少しは推計の足しにはなるのだが、一般人にそれを求めることは、無茶振りだと言えよう。

補足

計算式は分かりやすさを優先したが、Excelなり他の計算ソフトウェアなりの計算アルゴリズムにより、さほど大きな影響を受けることはないだろう。

リンク

柏市統計書(平成26年版)
http://fdk.city.kashiwa.lg.jp/documents/0000001174.pdf

1月1日現在の常住人口を公表します[人口] - 柏市役所
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/020800/p030012.html

消防統計(柏市消防局、平成26年)
http://fdk.city.kashiwa.lg.jp/0000000008.shtml

人口推計(総務省統計局)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/Xlsdl.do?sinfid=000031351477

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