本稿は、9月24日以降の記事に引き続き、豊洲市場カジノ転用説に係る話題を個別に検討する。このうち、教育施設や病院等の施設(以下、文教施設等)からの最低距離を概観するための地図を用意した点に新規性があるやも知れない。この結果、文教施設等が周辺に存在するために風俗営業には不適であるという木曽崇氏の主張[5]が否定される。今までの豊洲市場関係の記事は、
についてのものであるが、2番目と4番目の記事は、ほとんど論点として挙げられたことのないものであると思われるため、『アサヒ芸能』や『日刊ゲンダイ』の読者にとっても有用であろう。カジノ転用を示唆する8月以前の記事
櫻井春彦氏の『櫻井ジャーナル』は、2016年08月22日の記事[1]において、カジノとお台場とタックスヘイブンという名称を組み合わせて使用している。これらの組合せは、カジノが資金洗浄の社会的装置となり得ることを前提知識がゼロの読者に明解に伝えるものではないが、それでもなお、事情を知る関係者には十分に不正の構図を再構成できるだけの材料を与えるものである。諜報のルールに則る読者ならば、櫻井氏の文章構成を高く評価するであろう。
櫻井氏のヒントは、勘の良い読者が豊洲市場カジノ転用説に気付くためには十分なものである。事実、あるブログ主[2]は、これらの材料から8月中に結論に到達している。また、suzukikenzou氏も正確な着想の元が判断できないものの、都知事選の経緯を踏まえて類似の結論に到達している[3]。これらの組み立ては、構造計算に詳しい「ペコちゃんdēmagōgos」氏(@a_la_clef)のツイッタールートに触発されたものより決定的に遅いものではなく、しかも独立した情報経路であると考えることができる。これらの事実から、ペコちゃん氏のツイートがなかろうが、豊洲市場カジノ転用説というネタバレは、「劇場」のクライマックスの前に週刊誌ジャーナリズムを含め、十分な数の国民の知るところとなっていたものと予想される。
構造計算の問題についても、複数の建築関係者が疑問を有するに至っている。8月29日の時点で、あるブログ主は、第二の構造計算偽装事件であると評している[4]。仲盛昭二氏は、少なくとも9月20日[5]と10月18日[6]に構造上の疑問があることを指摘している。構造計算の問題は、指摘を封じることの困難な話題である。これに対して、環境汚染基準の問題は、法律上はともかく、技術上の解決は相対的に容易なものであろう。モニタリングに加え、舗装等による封じ込めか、集気及び清浄により対応可能な、設備の問題として見ることができるためである。構造上の問題や基本設計の出来具合は、環境汚染対策とは程度の異なる、大規模改修を必要とする深刻な問題に発展する可能性を孕む。このバランス感覚は、建築分野に従事するエンジニアには身に付いているであろうが、「物言えば唇寒し」の現今、あえて本件に言及する必要もないと考えて「見の姿勢」を取る者が多いのではと予想される。
『日刊ゲンダイ』の転用説、都市計画への不言及
『日刊ゲンダイ』[7]は、豊洲市場の転用が可能であるという事実を9月27日に報道しているが、この転用が実在の建築物として転用に耐え得るものであるのか、それとも周辺環境まで含めて現実的な案であるという解釈を行っているものかは、記事だけでは決定できない。あえていずれかを問えば、現物を見ての判断ということであろうと推測する。この点、カジノに最適な用途地域へと変更される予定があることは、以前に述べたとおり(10月9日)である。『ゲンダイ』の記者の真意は測りかねるが、ともかく、用途地域の変更については、明記されていない。(無論、転用説そのものの先取性を主張する気は毛頭ないが、用途地域については可能なれば主張しておきたいという気持ちが残っている。)
用途地域という建築条件に対する検討が欠落していることは、意外である。建築屋さんも不動産屋さんも計画屋さんもコンサルさんも、総じてお喋り好きが多い、にもかかわらずである。豊洲市場についてウェブ上で精力的に発言している建築関係者のうち、構造計算に問題を認める人物では、ペコちゃん氏と森山高至氏が二大巨頭ということになろうが、ペコちゃん氏は用途地域について言及しておらず、森山氏は2015年1月に豊洲周辺が工業系から住居系へと用途が変化しつつあることを述べる[8]に留まる。
豊洲市場の地区計画[9]において、なぜ用途地域の変更がわざわざ組み込まれたのかという理由は、用途地域の変更に係る外部条件が簡単なものであるだけに、疑問が残るものである。わが国の都市計画の限界の一つは、現状追認になりがちなことであると理解されているが、その背景には、不動産に係る多数の権利関係者の調整を図ることが大変に困難であるという現状を認めることができる。築地市場からの移転プロジェクトそのものは、利害関係者の能動的な参画を経て、対立をあらかじめ調整し、不都合に対応する、という現在のまちづくりの王道そのものであり、難事業である。このプロジェクト全体の困難さに対して、用途地域の指定(変更)に伴う実務上の障害は、ほとんどないものと考えて良いものであった。大地主から有償で譲渡された広大な敷地に対して用途地域の素案を定める作業は、土壌汚染という前提条件があるとはいえ、比較的容易な作業である。都市計画という観点からみた場合の市場移転プロジェクトの最難関は、市場関係者の了解を得て、円滑に事業継続しながら移転を達成することにあったと見ることができる。そのほかの作業は、いかなビッグプロジェクトとはいえ、建築の不備がなければ、ここまで拗れることがないはずの作業であったと思われる。この建築の不備に係る一連の報道、用途地域の変更にまで私が目を向けた原因ではあるが、この点も疑問であるにもかかわらず、また、都市計画関係者であれば、誰もが気付く種類のものであるはずにもかかわらず、話題として凪いでいるのは何故であろうか。
豊洲市場に係る都市計画の策定過程の後半部分は、市民を巻き込まないという意味では、19世紀的なトップダウン的なアプローチで十分である。いったん更地とした用地の上に東京都が複合建築の基本要件を決定し、建築後の良好な状態を維持するために都市計画が後付けされるという形式である。豊洲市場は東京都の施設であるため、東京都都市計画審議会が2011年7月29日付で都市計画決定したという記事が『都政新報』[10]の見出しに見られる。ただ、現時点においては、ウェブ上の用途地域指定は工業地域のままである。豊洲市場の建設計画は、古典的な大規模建築計画の設計手順によるものと認められるものであり、一部の建築用途を除けば、工業地域の指定のままであっても構わないと思われるものである。特例で対応できそうなためである。また、江東区都市計画マスタープラン[11]は、地域の核を豊洲駅周辺に設けており、図上では豊洲市場に特段の位置付けを与えていないが、この点は「千客万来施設」などと整合しない。
都市計画のあり方は、現状を前提として、いかに望ましい状態へと空間を作り上げていくのか、市民と協働して計画を練り上げるというボトムアップアプローチが主流となってから、かなりの時間が経過している。用途地域の変更についても、市民を巻き込んだ入念な決定が行われる(、というのが少なくとも建前である)。東京都特別区という空間については、都市計画マスタープランは、基本的には特別区が中心となって策定する。関係組織との調整と了解が取り付けられ、素案が縦覧に供された後、発効することになる。この基本的な都市計画思潮の変遷を前提とすれば、ここに見られる都市計画決定(用途地域の変更)がいかなる意味を持つものであったのかという疑問は、探求すべき対象となる。用途地域の変更がいかなる経緯を辿り現在の状況にあるのかという点の確認は、現場に直接問合せする必要が認められ、私は未確認である(し、今後、本点を詰めるまでの作業は、現時点では考えていない)。
エンジニアの自律的な批評の必要性と不在
「水産市場のシステム化」や「千客万来施設」なる要素は、建築・土木工事や都市計画に従事する者にとって、外部条件に過ぎないから、これらに対して建築・土木・都市計画関係者が積極的に口出しすることは、本来、エンジニアには出過ぎた真似となる。要件同士の整合性をどうしてもハコモノとして表現できない場合に、発注者に対して投げ返すというのが筋である。実際には、本件についても、設計者と発注者との間に、密な要件をめぐる交渉が存在するはずである。ただ、敷地購入を巡る東京都中央卸売市場と東京ガスのやり取りに係る情報公開を伝える加藤順子氏の記事[12]を読む限り、この詳細を把握することは、設置された市場問題プロジェクトチーム[13]であっても、一波乱を含むものに見えてしまう。
エンジニアが軽々に他分野に口出ししないようにとの戒めは、今野浩氏が自伝的エッセイで軽妙なタッチで伝えている[14]が、そうは言っても、現代の建築・土木技術の複雑さは、人生の若年期における20年程度の修養を必要とするほどに発達しており、「翻訳者」が必要となっている。わが国の社会は、建築や土木の論理をできる限り正確かつ分かりやすく伝える人物を必要としている。ところが、わが国では、施主や社会への説明責任を果たす作業は、近年まで、当事者であるエンジニア自身や技術系の上役の仕事であるとみなされてきた。トラブルの後、当事者に対する信用が失われているときに、利害関係の少ない第三者が仲介する形で、客観的に状況を把握して評価し、施主や社会にその結果を説明することは、社会にあって然るべき機能である。にもかかわらず、この仕事は、現時点においても、さほど重要視されていない。この理由の背景には、マスメディアの企画・制作者のキュレーション能力が著しく低下している一方で、建築・土木に携わる人の社会的欲求が、将来に残るモノを作ってナンボであるという階級性を暗に含むためであろう。
建築批評の構造的な問題点はこれくらいに留めるとして、豊洲市場のように、ビッグプロジェクト一般が暗礁に乗り上げたとき、問題の所在を探る作業には、評価するだけの能力を有する第三者による、公的な意見交換の場が必要となるが、残念ながら、現在の日本語環境は、その作業に適したものとはなっていない。多くのエンジニアが自らの専門領域について、自らの思うところを自律的に指摘できる状態は、社会にとって明らかに利益のあるものである。本来なら、顕名を基本とするSNSを中心とするウェブ社会は、わが国においても、独立した人格を有する技術者同士がお互いを尊重しつつ自由に意見交換するプラットフォームになり得た。ところが、現在の日本語コミュニケーションは、個人で捌くことの難しいほど多量の匿名の批評と、顕名であっても他者の人格を貶めるかのような批判によって、多くが占められる状態に至っている。その原因を探る作業は、ここ数年のネットワーク研究などによって進められていることとは予想するが、この検討も省略する。ただ、この背景には、企業社会・組織社会が個人に対して制約条件になることが認められる。この制約条件は、およそ100%の現役の技術者をして、利害関係がゼロではないと見ることが可能なほどに茫漠たる広がりを有するものとなっている。この関係性が専門家の社会的責務を妨げるという構図は、弁護士会への懲戒請求制度がときに悪用されることにも通じるところがある。エンジニアによる社会的発言が、組織対象暴力を企図する側にとって、因縁を付けるための糸口となっている、と読み替えることもできる。この組織対象暴力とSNS等を通じた社会的発言との関係性を追究することは、日本社会における言論の質を、犯罪学が底上げすることにもつながり得る。
豊洲市場の外部要件に対してであれ、基本設計・構造設計に対してであれ、エンジニアが疑問を口にすること自体は、表現の自由の範囲内に収まる行為である。具体的に市場移転プロジェクトに間接的であれ、影響を与える利益関係が生じていれば、または、生じる見込みが具体的なものとなったときには、利害関係の所在に言及すべきである。また、国立大学法人化後の大学は、企業社会との距離が近くなっているために、論文執筆だけでなく、社会的発言一般に際して、率先して利害関係を開示すべき必要に迫られているであろう。研究者の「利害」は、単に金銭的利害に留まらない。名誉とみなされる内容や、研究教育制度のオプションを活用して企業を受け入れることは、利害関係の一種になることにも注意が必要である。私の豊洲市場に係る一連の記事執筆については、一都民であるということを除けば、東京都やそのほかの利害関係者との利害関係を有していないし、関係者に対してコンタクトすら図ってもいない。もっぱら、インターネット等に公表された情報や、あるいは刊行された情報にのみ依存している。
豊洲市場の立地は文教施設等からの距離が十分である【必読】
下図は、 国土地理院の『基盤地図情報』[15]を用いて、豊洲市場周辺を表示したものである※1。赤線のグリッドは、100mおきに引いたものである※2。この図のポイントは、周辺の土地から6・7街区への距離が十分な状態を示すことにある。具体的な空間に係る距離の計算方法には、いくつかの方法が存在するが、風適法(後述)における最低距離の計算には、二つの図形の最短距離が利用される。距離の計算は、街区ごとに見ていくことになる。6・7街区に道路等を挟み隣接する街区は、4・5・8街区だけであり、ほかの街区は100m以上確実に離れている。5街区であっても、周辺の環状第2号線(東京都市計画道路幹線街路)が敷地の東北方向を縦断するために、建築物を一体とみなさないという条件が付されるであろうとはいえ、敷地のかなりの部分が周辺の建築物から100m離れていると解釈することができる。5街区の用途は、具体的な計画に基づいて転用可能性の検証を進める必要があるとはいえるので、ここでは、6・7街区のみについて検討を進める。実のところ、以前の建築物取得費用について検証した際、6・7街区のみを検討したのは(9月29日)、この事情をふまえてのことである。
図:豊洲市場周辺図(100mグリッド付き、データ出典:国土地理院基盤地図情報、2016年07月01日) |
※1 平面直交座標系、新測地系2011年版、第9系による。グリッドの原点は、第9系の原点である。図面の解像度が粗いのは、出典の表示だけによって掲載を可能とするための処置である。
木曽崇氏によるブログ記事[16]は、「豊洲市場を囲んで」「沢山の子供向けの文教施設」が存在しているので、豊洲市場はカジノ用地として不適である、と断定するが、この図は、木曽氏の主張を、同氏の主張が仮定する条件の下に反駁するものとなる。法制度を根拠とする建築物の用途制限には、さまざまな種類のものがあり、個別の土地に即して検討しないと思いもよらない制限がかけられていることを見逃すことになる。6・7街区でカジノ営業への転用が可能か否かを確実に検証するには、現地を所轄する建築担当部署を通じて、全ての規制を所管する組織に問合せしていくほかない。ただ、カジノをぱちんこ店かゲームセンターかのいずれかの風俗営業施設と同等のものと仮定すれば、木曽氏の主張を検討する作業は、比較的容易なものとなる。
カジノをぱちんこ店かゲームセンターかのいずれかの風俗営業施設と同等のものと仮定すれば、検討すべきは、用途地域、東京都文教地区建築条例[17]の指定、風適法ならびに関連都条例、のそれぞれとなる。もちろん、カジノというギャンブルの形態が何らかの形で国内において認められることは、大前提である。このうち、用途地域については、地区計画を確認した際に確認済み(10月9日)であるから、この記事に説明を譲る。文教地区の指定は、現地で確認する必要があるとはいえ、4街区に文教施設が含まれなければ、指定される見込みがなく、4街区にわざわざ用途に制限を加える施設を組み込む必然性は薄いから、検討を省略して、影響しないと結論付けて構わない。蛇足になるが、もっぱらマスコミで話題の土壌汚染については、土壌汚染対策法[18]に基づき、土地の形質の変更や土壌の搬出が規制されるとはいえ、建築物の用途にカジノを想定する限りにおいて直接影響しないが、大規模改修工事は、土地にも何らかの改良を加える可能性があるために、視野に含めておく必要はある。
確認すべき残りの検討事項は、風適法ならびに都条例となる。東京都下でぱちんこ店かゲームセンターかのいずれかに相当する風俗営業施設の立地を検討する場合には、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)[19]と同法の関連法規に加え、東京都の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例[20]と同条例の施行に関する規則[21]を検討すれば良い。厳密には、これら施設の立地は、風適法第4条第2項第2号の委任を受けた都条例第3条により規定されており、都条例第3条は、都条例規則第1条及び第2条により補足される。その法的構造はともかく、文教施設等から100m離れている商業地域・準工業地域であれば、これら風俗営業施設の営業は許可されるという点が重要である。なお、ぱちんこ店は現行の風適法にいう4号施設に相当し、古物商が付随するのが常であるが、その設置の態様は都道府県条例により異なる。東京都においては、この店舗を設置するための別のハコモノも必要となる。ただ、今後、カジノ法制成立後には、東京都下でも、換金施設が何らかの方法で同一建築物内に設置されることが認められる可能性もあり得る。ただ、ここでは、ぱちんこ店本体のみが風適法ならびに都条例によって、6・7街区における営業を規制されないことを確認できれば十分である。ゲームセンターであると仮定するならば、風適法では5号施設に相当するが、本件で想定する際には、市場施設を最初にホテルやショッピングセンターとして営業を開始し、その付属施設として営業許可を申請するという方法が実際的に見える。
いずれにしても、6・7街区は、周辺の住宅系街区から100mを超えて離れていることだけは確かである。建築計画自体、かなり余裕を持って緑地を配するものであるために、文教施設等からの距離に基づく制限は、到底、適用されそうにない。なお、木曽氏の主張には、文教施設だけが挙げられているものの、病院や図書館も考慮する必要はある。病院は、街区北東の昭和大学江東豊洲病院のようである。江東区立図書館は、江東区のサイトにリストがあるが[22]、どれも影響しない。敷地内の緑地だけで、豊洲市場は、周辺から区画されているものの、これだけ緑地が多く配置された理由については、多数の法律が関連しうるために調べかねている。距離制限を解決する役割を果たしていることだけは確かである。
人格攻撃とも取れる批判は批判者の専門性に跳ね返る
以上の検討によって、木曽氏の指摘[16]が失当であることは十分に示されたものと考えるが、これに加えて、一つ苦言を呈したい。木曽氏の記事が明白な誤りであるにもかかわらず、その記事の文末部分には、森山氏の「過去の誤り」と人格とを関連させた表現を読み取ることができる。現時点の森山氏は公人と見なされようが、森山氏の指摘の主旨は、本ブログで都市計画観点から検討した結果からも認められるように、明白な誤りであると断定できるものではない。お互いに気兼ねのない批判は必要であるが、文末のような表現は不要であるどころか、読者に懸念と疑惑を抱かせる。
木曽氏と同様に過剰な分量の人格攻撃は、山本一郎氏の記事[23]にも認められる。山本氏の指摘にあるような利益相反関係の明示は、必須ではある。しかし、山本氏が否定する構造計算上の問題は、後日の都知事の記者会見[24]においても、市場問題プロジェクトチームの配布資料[25]においても、その会合を報じる報道[26]においても、指摘されたことが認められる。山本氏の芸風が一貫して当該の記事にあるようなノリであることは広く知られていようから、その分を割り引く必要があるとはいえ、割り引かないのも読者の自由である。山本氏の論述のスタイルは、同氏の主張の真正性を低めるものであり、専門家や学識経験者としてのキャリア形成に寄与するものではなく、同氏自身の専門性に反動を与えるものとなる。
豊洲市場は、建築設計の専門組織が手がけた建築物であるにしては、著しい不具合の認められる状態にある。投入された税金の桁、関与した都職員の多さ、直接の利害関係者である市場関係者への影響の多大さゆえに、多くの推測がなされ、正当な批判を受けることがプロセスとして必要とされてもいる。この背景をふまえ、私は、専門家の一変種として、一定の論拠とともに、カジノ転用への道があらかじめ開かれていた可能性・都民にとっては長短両面のある将来性・国民全般にとってはカジノという金融政策上の弱点を生起しうる危険性、を述べたつもりである。
昭和風の言葉で表現すると、豊洲市場をめぐる現況は、一大疑獄と化している。
[1] 4年後に五輪開催予定の東京では有害物質に汚染された場所で魚を取り引きし、カジノ建設も目論む | 《櫻井ジャーナル》 - 楽天ブログ
(櫻井春彦、2016年08月22日)
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608220000/
カジノはタックス・ヘイブンと関係が深い。
[2] 政治・経済・医療、日本は問題だらけ: 2016年8月
(2016年08月29日)
http://coconut-oil.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/index.html
#8月29日の記事中で豊洲市場をカジノに転用する可能性があることを示唆している。
[3] 豊洲新市場問題のカラクリ: suzukikenzouのブログ
("rc:date"タグは、2016年09月14日08:53:42+09:00)
http://gcnqf306.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-6804.html
◎風評被害などで開業できない場合には、自民党の進める統合型リゾート構想(IR構想)に転用して東京豊洲カジノにしてしまう。自民党が急に色めきIR推進とぶち上げてます。〔...略...〕が、豊洲を二足三文で買い叩きメデタシ、メデタシ。〔...略...〕都知事選の応援も意味のあるものだった。さて、どうなるか。何となくウヤムヤになりそうな予感がします。
[4] 豊洲新市場の建築で決定的な問題が発覚した。今週小池都知事が開場の延期を決定か?: ミーチャンハーチャン Miicyan Haacyan
(2016年8月29日)
http://yoiotoko.way-nifty.com/blog/2016/08/post-d235.html
[5] 豊洲新市場構造についての素朴な疑義(前)|データ・マックス NETIB-NEWS
(仲盛昭二、2016年09月20日11:21)
http://www.data-max.co.jp/280920_nm01/
[6] 豊洲新市場の構造計算に【耐震偽装】の疑いあり!(1)~水産仲卸売場棟|データ・マックス NETIB-NEWS
(仲盛昭二、2016年10月18日10:23)
http://www.data-max.co.jp/281018_nm01/
[7] 専門家は転用可能と指摘 豊洲市場に浮上し始めた売却情報 | 日刊ゲンダイDIGITAL
(2016年9月28日、HTMLファイルの"datePublished"タグは2016年09月27日11:57:00+09:00)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/190581
東京都に売却してしまったが、もともと豊洲で工場を稼働させていた東京ガスは、跡地にホテルを建設する計画を立てていたという。敷地面積約40ヘクタールを誇る豊洲は、土壌汚染問題はあるものの、東京ガスがホテル建設を考えたように、それなりに利用価値があるようだ。
「ホテルはもちろんですが、カジノや大型商業施設、運動場などに利用できるとの話が以前から出ていました」(都政事情通)
[8] オリンピックをイーストトウキョウへ 1|建築エコノミスト 森山のブログ
(2015年01月04日20:13)
http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-11968129720.html
豊洲は工業系の用途から住居系の用途に土地利用がかわり、
[9] 東京都都市計画地区計画の変更(東京都決定)豊洲地区地区計画(再16 豊洲地区.pdf)
http://www2.wagamachi-guide.com/tokyo_tokeizu/pdf/chikusai/%E5%86%8D16%E3%80%80%E8%B1%8A%E6%B4%B2%E5%9C%B0%E5%8C%BA.pdf
[10] 都計審/豊洲新市場を都市計画決定/江東区長「総合的な交通対策を」/民主党「直近の意見集約すべき」(都政新報)
(2011年08月02日)
http://www.toseishimpo.co.jp/modules/news_detail/index.php?id=612
[11] トップページ/区政情報/計画等/都市計画マスタープラン/江東区都市計画マスタープラン
https://www.city.koto.lg.jp/kusei/keikaku/52792/7709.html
[12] 豊洲購入の原点文書「真っ黒」 都が開示した東京ガスとの交渉記録(追記あり)(加藤順子) - 個人 - Yahoo!ニュース
(加藤順子、2016年9月23日08時06分)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/katoyoriko/20160923-00061982/
[13] 東京都専門委員の選任及び市場問題PTの設置について|東京都
(東京都総務局、2016年9月16日)
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2016/09/16/05.html
[14] 今野浩, (2011). 『工学部ヒラノ教授』, 東京:新潮社.(NDL-OPAC)
[15] 基盤地図情報サイト|国土地理院
http://www.gsi.go.jp/kiban/index.html
[16] カジノ合法化に関する100の質問 : 「ガセネタ乱舞」でお馴染みの森山高至さんが「豊洲をカジノに」などと適当な論をブッこいてる件
(木曽崇、2016年10月07日18:23)
http://blog.livedoor.jp/takashikiso_casino/archives/9378595.html
この地域には豊洲市場を囲んで以下のように沢山の子供向けの文教施設が存在しています。〔図〕こういう地域というのは、そもそもカジノを初めとする賭博施設の開発には向かない立地なのであって、そういう常識的な感覚を持たずに〔...略...〕
[17] 東京都文教地区建築条例http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1011298001.html
[18] 土壌汚染対策法
(平成14年5月29日法律第53号、最終改正 平成26年6月4日法律第51号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO053.html
[19] 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
(昭和23年7月10日法律第122号、最終改正 平成27年6月24日法律第45号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO122.html
[20] 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例
(昭和59年12月20日条例第128号、最終改正 平成28年03月10日条例第2号)
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/ag10122141.html
[21] 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の施行に関する規則
(昭和60年02月01日公安委員会規則第1号、最終改正 平成28年03月10日公安委員会規則第2号)
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/ag10122151.html
[22] トップページ/施設案内/教育関連施設/図書館
https://www.city.koto.lg.jp/sisetsu/13399/13466.html
[23] 盛大にガセネタを乱舞させていた森山高至さんが東京都専門委員に就任のお知らせ(追記あり)(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
(山本一郎、2016年9月17日)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160917-00062281/
[24] 小池知事「知事の部屋」 / 記者会見(平成28年8月26日)|東京都
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/governor/governor/kishakaiken/2016/08/26.html
【記者】〔略; フジテレビ〕定められた耐震基準に達していないのではないかという疑惑があります。仲卸売り場棟の4階の床のコンクリートの厚さが、耐震性能を計算するための構造計算書と実際の設計図と違いがありまして、構造計算書は1センチメートルになっているのですが、設計図の方では15倍の15センチメートルになっています。もし耐震基準を満たしていないなら、これは大きな問題になるかもしれませんが、知事はどのように対処なさいますでしょうか。
【知事】まさしくここが、これからの情報公開を含みます都政の改革本部でも扱われるマターになろうかと思います。〔...略...〕耐震基準についても同様でございまして、〔...略...〕
[25] 第1回市場問題プロジェクトチーム配布資料 | 東京都
(2016年10月5日版)
http://www.toseikaikaku.metro.tokyo.jp/shijyoupt-kaigisiryou01.html
#「第1回経過説明スライド+次回の論点(PDF:827KB)」の中に床のコンクリート厚の設定が誤りではないかという指摘が見られる。
[26] 豊洲問題PTが初会合=座長「全部解決し移転を」-東京都:時事ドットコム
(記名なし、2016年09月29日18:05)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016092900776&g=pol
小島座長は、水産仲卸売場棟の4階の床に150ミリのコンクリートが敷かれているにもかかわらず、構造計算書には「10ミリ」と記載されていたことを挙げ「都のチェックは万全ではない」と指摘。改めてデータを確認し、設計した日建設計(千代田区)からも話を聞く考えを示した。
2018年02月01日変更
レイアウトをbrタグからpタグ中心に変更した。また、自己リンクにnofollow属性を付与し、外部リンクのアンカー位置を変更した。変更は、レイアウトとリンクタグに限定されており、文章はそのままとしてある。
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