住民票を移さない大学生の投票率、たったの21%!
(PowerPoint プレゼンテーション - 20160329_2.pdf)
http://www.chiba-u.ac.jp/general/publicity/press/files/2015/20160329_2.pdf
投票参加についてのアンケート - Google フォーム
https://docs.google.com/forms/d/1Y1Sb_P60K2_AprmXmDU49hF2kPwNy3GjdceSk2zfilI/viewanalytics
千葉大学法政経学部倉阪秀史ゼミの学生は、同学生に対して、住民票を移していないことが低投票率につながっているのではないかという推測を示している。全252名中、実家を離れて暮らしている者が118名、そのうちの80名が住民票を移しておらず、さらにその21%(#17名であろう)のみが投票している。回答者全体では97名(38%)が投票しているので、住民票を移した者・実家暮らしの者の合計172名中、80名が投票した(47%)ことと比べると、大きな差であると言いうる。他方、この選挙(平成26年12月14日執行衆議院選挙)の20歳の投票率は、東京都選挙管理委員会によれば42.17%※1である※a。住民票を移さない割合は、明るい選挙推進協会によるアンケートの結果※2と、同程度と見て良いであろう※bから、東京都においても、おおよそ同じ話は通用するであろう。
ところで、20歳未満であったという回答が全回答者の中に45名いる。この45名を、実家暮らしの回答者・実家を離れて暮らす回答者のそれぞれに等しい割合となるように分配する※cと、45*(80/252)=14.28名。14名が住民票を移していない実家から離れて暮らす千葉大学の学生の回答者であると仮定すると、実家を離れて暮らす千葉大学の学生は、80-14=66名中、17名のみが投票したということになる。17/66=0.257なので、約4分の1が投票するという計算になる。この値は、20代全体の投票率から見ても低いものである。(従来なら20歳の)初めての選挙では、投票率が高くなる。
大学生の暮らし方について、東京都と千葉県との間で大きく変わるという仮定は、否定することができない程度に有力なものである。実家が埼玉県内なら、武蔵野線沿線を除けば、千葉県は遠くなる。神奈川県なら反対側、2時間を要する。千葉大学に通うとき、実家暮らしするのか、近くで下宿等するかという判断は、山手線周辺に大学がある場合と比べて、判断が分かれるであろう。
おおよそ、実家から離れて暮らす大学生は、住民票のある実家に帰宅している最中であれば、1割程度、投票に行くようになる、と仮定することは、無理筋とまでは言えない。2014年12月の衆院選は、12月14日投開票であったから、ちょうど、今夏の参院選と同様、大学3年生にとって休暇前であったという点では共通する。今回のように、休暇の有無だけにより、投票率の増減を説明できるだけの選挙結果を見出すことができれば、何らかの結論を得られるかもしれない※d。
※1 東京都選挙管理委員会>年代別投票行動調査結果>概要>年代別・選挙別推定投票率一覧表(エクセル形式:49KB)
http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/uploads/senkyobetsu_suitei_ichiran.xls
20歳:42.17%、21~24歳:32.98%、25~29歳:34.85%
※2 18歳選挙権認知度調査(公益財団法人 明るい選挙推進協会、平成27年6月実施)18sai_bunseki.pdf
http://www.akaruisenkyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2010/07/18sai_bunseki.pdf
(12)「あなたは、現在あなたが住んでいる所に住民票を移していますか」※a 東京と千葉大学周辺を同質の地域と見なすと、千葉大学の公表した調査が偏りのないものであるとは言えないであろう。都選管の年代別投票率は、選挙人名簿から再現しているはずであり、いわば全数調査であると認めることができるためである。他方、千葉大学の公表した調査をバイアスのないものと認め、千葉大学周辺と東京が異なる居住環境にあること(一般的にはマイナスであろう)、また、大学生と20歳全体とは違いがある(一般的にはプラスであろう)ものと考えると、今回の調査の差、5%という数値は、居住環境と大学生という複合的な要因により生じる投票率の差であると捉えることもできる。適当きわまりないが。なお、ここで、私が追究しているような選挙上の不正は、まず間違いなく、影響していない。第一に、選挙人名簿自体に係る不正は、現時点までに不正を行ってきた側にとって、手段もなければ、着手する利益もない作業であるからである。第二に、選挙人名簿の人数を操作するという手法が可能であれば、今までに私のような一般人でも把握することができたような、ある種類の不正が行われることがなかったであろうと考えられるためである。
まず「 親御さんと一緒に住んでいますか」と尋ね、一緒に住んでいないと回答した人に「移している」、「移していない」、「わからない」の中から1つ選んでもらった。調査結果を身分別で見てみると、高校卒業後、親元を離れて進学した短大生や大学生、大学院生等は26.4%しか住民票を移していない。しかし、社会人になると71.8%が住民票を移している。高校生・高専生は7.1%しか移していると回答していないが、その多くは親御さんと同居しているため、サンプル数が少ないことを考慮する必要がある。
移している 移していない わからない 高校生・高専生(56) 7.1% 41.1% 51.8% 大学・大学院生(予備校生含む)(390) 26.4% 63.3% 10.3% 社会人(主婦等含む)(433) 71.8% 16.4% 11.8%
上記の選択肢の中で「大学・大学院生(予備校生含む)」と「国や地方の政治への関心度合」とをクロス集計してみる。「非常に関心がある」人の28.3%、「ある程度関心がある」人の33.3%が住民票を移しており、以降、「あまり関心がない」、「全く関心がない」、「わからない」と段階的に減少していく。「関心がある」人でも3割前後しか住民票を移していない。
※b 選挙に行ったか行かないかよりも、センシティブな話である、ということくらいは、どのような大学生であっても理解しているであろう。
※c なお、生まれ月は、年少児童の成績及び体育能力と交絡することが知られているので、地方学生 (実家から離れて暮らす層)における学業成績と生まれ月との関係も、交絡しうる可能性は存在する。しかし、今回の調査は、千葉大学全学に対するものであり、学部ごとに受験の難易度が異なるであろうから、この交絡要因は実質的には見られないものと仮定しても、実際的な問題は生じないであろう。
※d なお、この作業において、非集計型の統計モデルを仮定することは、「牛刀を以て鶏を割く」類いの話になるので、必要ないものと考える。それに、千葉大学の公表した調査は、「住民票を移した回答者がどれだけ投票したのか」というデータを提供していない。この提供されていないデータは、「住民票を移した東京都内在住の大学生等で、夏休みで地方に帰省したために都知事選に投票しなかった者」の割合を推定するために役に立つのであるが、私の知りたいことに対しては、むしろ、このデータの方が「効く」ために重要である。東京から地方の大学に進学する学生も多いことと思うが(しかも、両親や本人の関心が高い層であると思うが)、今でも、地方から東京に進学する学生の方が多いであろうからである。
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