2016年7月25日月曜日

荒引健ほか, (2013). 『R言語上級ハンドブック』, C&R研究所.(書評)

 同書は、同書の冒頭で示唆されるとおり、R言語でビッグデータを扱うためのノウハウを示した書籍である。内容そのものは良いが、題名から予想される内容と同書の実際の中身は、やや乖離しているようにも思われる。統計学的手法についての解説は、他書を当たった方が良い。掲載されているスニペットは、基本的にヘルプファイルのものである。上級者に至る上で必要な、エレガントなRコードの具体的な書き方を指南してくれもしない、という点は、題名負けしているとも指摘しうる。とはいえ、ウェブ上で継続的に公開されるデータを分析するにあたり、一読に値する書籍である。
 単なる印象だが、ここ5年ほどの間で、ほかのプログラム技術に秀でていた人が新規参入したために、R言語は、統計方面に強みを有するスクリプト言語としての地位を確立したかのようである。



荒引健ほか, (2013). 『R言語上級ハンドブック』, C&R研究所, p.55.
関数説明
substitute言語オブジェクトの式を書き換える
quote引数を未評価の式として返す
enquote引数を評価した上でquoteして返す
bquote言語オブジェクトの式を書き換える
call呼び出しオブジェクトを作成する
do.call呼び出しオブジェクトを作成して評価する
expression表現式オブジェクトを作成する
eval未評価の式を実行する
evalq未評価の式を実行する。引数を評価する環境がevalとは異なる
parseファイルやテキストをパースして表現式オブジェクトを返す
deparse未評価の言語オブジェクトを文字列に変換する

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