2016年7月14日木曜日

平成28年7月13日は、日本のターニングポイントとして記憶されることになるかもしれない

 昨日(13日)は、いろいろ盛りだくさんの動きがあった。天皇陛下が退位されるとのご意向を示されたことをNHKが報道した※1。これに対して、皇室典範の改正によって、憲法改正を阻止するとの観測も示されている※2一方、宮内庁の山本信一郎次長が報道内容を否定したとの報道もある※3。これに先立ち、今朝の大手紙は、南沙諸島における中国の動きに対する批難で埋め尽くされていた。今回の話題の焦点は、こちらにある。この批難は、参院選によって憲法改正派が3分の2を占めたこととも無縁ではなかろうが、この点について、本稿で触れるつもりはない。

 読売新聞2016年7月13日朝刊(東京)は、非常に問題含みの構成であった。(1)太平洋戦争時、南沙・西沙諸島が日本によって占領されていた点、ポツダム宣言については、言及がなかった。(2)実効支配という語は、中国による行為のみに対して用いられていた。読売新聞の二点の構成方法は、自衛隊(および日本国)に対し、一種の謀略として機能する。最近のわが国においては、従来なら法理論上の検討だけに終始すると思われていた外患罪について、現実に検討する余地が生じていることに、大変驚かされる。

 日本の自衛隊は、アメリカ軍とは異なり、「航行の自由」作戦に直接従事すべきではない。それは、ポツダム宣言を受諾していること、現在の中国(中華人民共和国)が戦勝国であること、の二点から、自然に導かれる結論である。「航行の自由」作戦と同様の行為を自衛隊が取ることは、戦争行為であると中国に見なされることになろう。当該海域の民間船舶の安全・円滑・自由な通行は、わが国にとって死活問題であるが、他方で、中国が当該海域でわが国へと輸送業務を行う船舶の通行を妨害したという事実は、(少なくともニブチンの私が気付くほど大々的には)報道されていない。国際的な規範から中国が逸脱していると批判することは容易であるが、他方で、わが国も、福島第一原発事故について、大いに国際法から逸脱した状態で拱手している。中国が好き放題にふるまっているとして、わが国による明示的な活動が現時点で必要であるとする論調は、諸方面のみならず、論者自身に対しても、危険を及ぼす。(では、日本国民は何をすべきか?静観するしかなかろう。)


※1 天皇陛下 「生前退位」の意向示される | NHKニュース(2016Jun13 19:00)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160713/k10010594271000.html?utm_int=news_contents_news-main_001

※2 おしえておしえて。。。 on Twitter: "凄いことが起きた。天皇陛下が裏技使って安部から国民を救った!これから皇室典範改正があります。皇室典範改正は国会での憲法改正よりも最優先事項、天皇陛下が生前退位するという事は安倍の任期中、2018年まで憲法改正は出来きなくなるということ。天皇陛下によって改憲は阻止されました。"
https://twitter.com/oshiete_2017/status/753210645542150144

※3 「そうした事実一切ない」=宮内庁次長は報道否定-生前退位:時事ドットコム(2016Jun13 23:02)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016071300971&g=soc



平成28(2016)年7月17日追記


 今週末までの間に、本件報道について、多くの報道や論評が見られたが、陰謀論界隈でも、意見が四分五裂した状態にあるように見える。「陰謀論」のいくつかは、いくつかの背景となる組織が自分たちの利益へと世論を誘導すべく提起されたものである。また、その組合せは、自ずから、それらの背景となる組織を臭わせることがある。この話は、いろいろと話題が広がるので、後日としたい。

 ともあれ、報道関係者の立場に立ち、なぜこのタイミングで、天皇陛下のご意向を報道するのか、を想像してみると、本件報道は、天皇陛下及び皇室を貶める意図によるものか、支持する意図によるものか、が見えてくる内容である。一応、以下に示す私の理解が誤っていた場合を想定して、段落替えをしておこう。(一段落・一主題、という基本からすれば、私の理解が正しいという前提が機能する場合にのみ、段落を続けることができるように思われたので)

 私は、この報道を「NHKの中にも天皇陛下と皇室を敬慕する者がいて、その人物が※1、皇室と直接か、または非常に近く忠義に厚い関係者を通じて、調整の上、このタイミングで報道した※2」ものであると理解した。これは、※で示した二項目のそれぞれについて、真と偽の両方を検討した結果である。※1と※2両方とも偽である場合には、映像による「否定のお言葉」を報道されてガセであることがバレるというリスクが存在する。なお、※1と※2両方とも真であるという場合分けは、その後の大手紙の報道が追従した結果によって、間接的に肯定されている。

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