2015年11月5日木曜日

アスベストが放射性ラジウムを蓄積する誘因となる(メモ)

Accumulation of radium in ferruginous protein bodies formed in lung tissue: association of resulting radiation hotspots with malignant mesothelioma and other malignancies
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjab/85/7/85_7_229/

 中村ら(2009)は、アスベスト吸引から悪性中皮腫等が生じるメカニズムを調べるため、6名の被験者について、病理学的な方法により、40種程度の物質の蓄積状況等を調査した。2009年7月28日付の毎日新聞によると、その機序は、次のようなものであるという。
石綿やたばこ、粉じんに含まれる鉄が肺に入ると、鉄を含む「フェリチン」というたんぱく質が形成される。フェリチンは大気中などにある放射性物質ラジウムを集めて蓄積させ、がんを引き起こすという。
このような機序は、私の専門である(犯罪統計についての)疫学的手法に比べ、アスベスト吸引が発癌リスクを増加させるという因果関係を明快に説明するものとなる。程度問題はともかく、この研究からは、アスベスト吸引とその後の放射性ラジウムの吸引が確実に発癌リスクを増加させる、と主張できるのである。

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