今朝(2017年9月10日・日曜日)は、どうやら、大マスコミの予定では、何かが起きるはずであったらしい。というのも、読売・朝日・日経の三紙とも、1面に掲げられる予定であった記事が流れたことを窺わせるレベルの記事によって、1面の全てが埋められているからである。桐生祥秀氏の9秒98という記録は、当人には大変申し訳なく感じるけれども、斉一的で意図的な空白を埋める上では、完璧な話題という訳にはいかない。それだけの金銭上の対価も、桐生氏自身に行かないようにも思われる。『読売新聞』の1面(14版)は、「桐生9秒98/100㍍ 日本人初/苦闘4年 体幹鍛え終盤強く」が2/3を占め、「対北制裁/中露 協議応じる構え/11日採決 米、安保理に通告」、同じ並びに「空自・米空軍 共同訓練」であった。『朝日新聞』の1面(14版)は、「桐生9秒98/100㍍ 日本選手初の9秒台/重圧も挫折も突き破った」が約6割、「尖閣へ出漁「中国政府の命令」/国有化5年」が約4割である。『日本経済新聞』1面(14版)は、「介護費膨張 3つの温床/25年に20兆円/ムダの解消 急務」という小川和広氏の調査報道記事が上段の半分を占め、下段に「電波の民間開放促進/公共機関利用料上げ/規制改革会議」、「桐生9秒98/陸上100/日本人初9秒台」、「スズキ、インド配車と提携/運転教習4万人、購入促す」が順に並ぶ。桐生氏の記事が小さめだが、まあ三等分の範囲内であり、いずれも記名なしである。
わが国の「三大紙」は、ほとんど、『トカナ(tocana.jp)』に出てくる「情報筋」[1]とノリが同じである。むしろ、『トカナ』の方が話題が早いだけ、ニュースとして価値があるということにもなろう。本稿は、もちろん、三大マスコミ紙のデスクが揃いも揃って戦争屋の手羽先であったというオチを示すために、編まれたものである。9日までに戦争など起こらない(2017年8月19日)と主張していた私からすれば、「ねえねえどんな気持ち?」のアスキーアートのノリである。
[1] 【緊急警告】「8月15日~9月7日に米朝戦争勃発の可能性大」政治関係者が衝撃暴露! 日本に難民が3千万人以上押し寄せる!
(2017年08月04日、記名なし)
http://tocana.jp/2017/08/post_14055_entry.html
2017年9月10日23時45分追記
読者の中には、紙面の制作ルーティンから言えば、9月9日に何かが起きるはずだったのでは?とツッコまれた方もおられよう。9+9=18=3×6=666だというやつである。それは、私もそう思う。表現に微妙なものがあったことをお詫びするが、しかし同時に、それは察していただけると幸いである。一応、考えていた理屈は、「午前1時台に何かが起こっても、それはそれで何かが起こったことになる」というものであった。それに、3.11のように、秒の単位まで組み込んだ「小町算」を行えば、「獣の数字」に係る解釈は、何とでもなる。数字カルトに変な「言い訳を与えない」(R.V.クラーク氏の「状況的犯罪予防」)ために、このような否定方法は、常に用意されておく必要があるとは言える。もっとも、この理路は、一旦、「数字遊びによってカルトの強大さを信じ込んでしまっている人たち」の言説を無効化し、その上で、「数字なぞ、どうとでも解釈できるのであるから、トリックの本質に目を向けよ」と指摘して、「カルトの宣伝を行う人たちが裏で手でもタマでも握ってんじゃね?」と暗示するという、数字カルト以上に、捻くれたものである。つまり、数字カルトの権力の本質は、数字カルトを指摘する「間主観性」あるいは「相互作用」に由来するのである。呪いは、基本的には、信じている人にしか効果がないのである。
2017年9月11日修正・追記
現時点までのケアレスミスを修正し、淡赤色で示した。
宮島みつや氏が『リテラ』において、『真相深入り!虎ノ門ニュース』における青山繁晴氏による、2017年9月4日から9日にかけて米軍が北朝鮮を攻撃するという発言を批判していた(ことを本日に知った)。宮島氏の書き起こしと表現を信用すれば(、そして、私には信用できるものに思えるが)、9日の建国記念日における北朝鮮への攻撃を期待していた一派がおり、その中に、青山氏が含まれることになる。過半の「信者」は、今回についても、青山氏の「大外れ」を都合良く忘却するか、無視することになるのであろう。あるいは、わざとガセを流した人物に青山氏が騙されたか、はたまた、青山氏がこのように主張したから北朝鮮が自重したなどと、都合良く解釈するのかも知れない。が、依然として、青山氏に託された「預言」が成就しなかったことは、よくよく記憶されるべきであろう。
期限を切って戦争を期待する発言を公開の場で述べることは、「トランプ時代」における将来予測の方法としては、相当に下策である。予言を外そうとする「敵」の諸力が働くからである。それらの「敵」とされた中国の国力は、トランプ時代において、米国に伍し、あるいは、北朝鮮の軍事力のバックボーンともなっているロシアの軍事力は、米軍に勝るとも劣らないものとなっている。ただ、『新ベンチャー革命』のH.Y.氏の言うところの「旧・戦争屋」の手下たちは、散り散りとなっているために、期限を指定して活動しなければ、思うような連携が取れないほどの状態に追い詰められているものとも認められる。9月11日の現在、旧・戦争屋たちは、逃亡しなければ、16年前の報いを受けるということになっているのではなかろうか、などとも想像できる。
トランプ大統領の「治世」の様相は、田中宇氏の「隠れ多極主義」という表現により、的確に指摘されている。隠れ多極主義においては、権力の空白域が方々で産まれたが、その空白は、「ディール」を経て、「西側」に含まれるシリアにおいては、今春までに、確実かつ迅速に埋められた。その空白域を埋めたグループは、現実の全面戦争を避けるように、(しかし、何度も指摘しているように、)緊張悪化は避けずに、「旧・戦争屋」を放逐するように活動している。このチキンレースによって、多くの解釈は、同一方向にあるように見えながら、戦争に対する話者の意志は、隠されながらも、厳然と二分されているのである。現時点の国際情勢は、まるで、道教の世界であって、緊張を治めようとしないにもかかわらず、自然に納まったかのような様相を呈している(。が、もちろん、そこには、たとえば、入念な米軍のサボタージュなどが存在する)。
各国のリーダーを始め、現今の国際情勢について言及する話者が戦争に対していかなる意志を有しているのかは、最後の最後まで、あるいは、方向性をあらかじめ弁えて解釈しなければ、区別できないように隠されている。米国民は、当人たちの多くが気が付いていないのかも知れないが、トランプ氏を選出したというチャンスに賭けて、「覇権」を「損切り」する※1ことに成功したように見える。後世において、トランプ大統領の「極東情勢に対する責任の欠如」を非難する声がどこかから出るかも知れないが、アメリカ国民からすれば、「アメリカ合衆国をリストラして軟着陸させた名経営者」という評価が下されることになるものと予測される。他方、日本国民は、アメリカが「狭き門をくぐり抜けた」という外部条件が満たされたとはいえ、その上で、福島第一原発事故を起こして私益に邁進する「政体」を信頼しなければならないという、さらなる「狭き門」に直面している。付言しておけば、トランプ氏の当選に関して、日本人の言論は、大勢としては妨害する方向にしか機能しなかった。この中、青山氏がトランプ氏の当選を「予言」していたのは、親族に係る固有のビジネスを通じた「預言」であるようにも解釈できる。ただし、本件を確定することは、ヒュミントの領域であるし、青山氏の発言が奔放であるがため、「両賭け」「両建て」の一環として、青山氏に「トランプ氏当選」を宣伝する役割を与えたものと観ることもできる。青山氏の発言の奔放さについては、後ほど説明する。
国際情勢を論じる者の、各アクターに対する「評価」は、各アクターの勢力を変化させようとする意図をも兼ね備えている。というよりも、現実を変化させようとする意思の強弱に関わらず、発話すること自体が、各アクターの勢力に影響を与える。これが「情報戦」の本質である。アホが発話すること自体、友軍誤射となりかねないし、アホが集団で発話すれば、大誤爆ということにもなりかねない。当然、青山氏も、ここでの「話者」にも含まれ、しかも、今や公人である。青山氏の発話の影響力※2は、かつてなく、金銭的な利益のみならず、日本国民の生命にも直結するものとなっている。
青山氏の発言のすべては、「9日までの米軍による北朝鮮への攻撃」発言に至るまで、旧・戦争屋を第一義的に利するように一貫してきたが、「隠れ多極主義」の方法論が『国際秘密力研究』の菊池氏の言うところの「憑依系」であるために、旧・戦争屋を放逐する方向にも機能している。この点、青山氏は、旧・戦争屋の影響力を測る上での「炭鉱のカナリア」であって、大変に「使いやすい」。「カルロストシユキ」氏(@CarlosToshiyuki)のツイートラインは、青山氏の発言の奔放さをウォッチし続けているが、その良質なまとめを見る限り、青山氏本人のジャーナリストとしての裏取り能力は、残念ながら、誰もが疑問を抱くことができるものである。たとえば、青山氏の新宿歌舞伎町の出会い系バーに係る発言[2]を挙げることができる。「カルロストシユキ」氏の提示する資料は、いずれもMAD動画であるから、恣意的な切出しが含まれるかも知れないが、少なくとも、青山氏には、ほかにも前例がある。『リテラ』は、『週刊文春』2016年06月30日発売の青山氏に係る記事を紹介している[3]が、そこでも、在ペルー日本大使公邸占拠人質事件に係る青山氏の取材交渉能力が揶揄されている。
なお、『週刊文春』に青山繁晴氏が攻撃されたケースは、『週刊文春』に係る拙稿(2017年9月7日)の主張を覆すものであるようにも見えるが、この事例は、応用例の一つであるから、順序良く(、私にとっては都合良く)、解釈を進めていく必要がある。『週刊文春』は、本来、青山氏と戦列を同じくする。私が敵味方の区別を誤っていなければ、『週刊文春』の飼主は、青山氏について、「常々の言動の危うさ」と「参議院議員という身分を得たことによる、敵方からの諜報上の接触」を警戒する必要があったということになる。この二点ゆえに、『週刊文春』は、警告と周知を兼ねて、青山氏の「戸棚の中の骸骨」を公知としたものと認めることができる。『週刊文春』と青山氏とのやり取りは、「導火線に火の点いた汚名という名の爆弾をキャッチボールし合う」ようなものであり、直前にキャッチするのは、もちろん、青山氏なのである。これが、国際秘密力集団の走狗操縦法の現在形という訳である。念のため、明記しておくと、本ブログの読者には当然であろうが、本段落の表現は、可能な解釈を提示しただけである。※3
これに対して、9月11日の『スーパーJチャンネル』では(18時頃、北京空港において)、アントニオ猪木氏の北朝鮮からの帰国途中が報道されており、おおよそ、「北朝鮮は最後まで計画を続けると述べていた、また、来年の建国祭は盛大に行う予定であるらしい」との談話があった。猪木氏の話は、来年の建国祭までに、北朝鮮がワシントンDCを射程に含める核弾道ミサイルを実装する意図があることを伝えるものである。つまり、それまでの間、彼らが敗北に直結するような選択肢を取ることはない、とも解釈できる。猪木氏の談話は、猪木氏がわが国で最高クラスのインタビュー能力を有することを示す例であり、ニュースと呼ぶに値する。青山氏の話や、青山氏の意見に同調する種類の報道は、果たして、ニュースと呼ぶに値するのであろうか。この点を鑑みれば、数多のネトウヨに対して、私の表現が皮肉さを抑えきれないものになるのは、やむを得ないことである。
※1 私のいう「トランプ政権の覇権に対する損切り」とは、「覇権に骨絡みとなっている国際秘密力集団からの影響力を減じる」ことでもある。国際秘密力集団の利益集団を分割し、その一部とのみ、外部者として付合うことにより、その影響力を相対的に減じるのである。現在までの極東情勢の推移は、古歩道ベンジャミン氏の系統の、一般的な陰謀論に指摘されるところの「ロックフェラー(旧・戦争屋、軍事・石油系)対ロスチャイルド(金融・原子力系)」でいえば、ロスチャイルド系のアジェンダに沿うように推移している。その推移に対して、アメリカは、「従来のように、旧・ハンドラーズを通じて、宗主国として関与することがない」と宣言しているものと考えられるのである。
※2 多くの「学識経験者」、とりわけ「御用学者」も、この魅力の虜である。この点をふまえ、不肖の「エア御用」系ブロガーとしては、「よりマシな方を応援する」という方針で、思想を表明しているつもりである。また、この反面、影響力の範囲を考慮しているつもりでもある。真のプロフェッショナルは、すでに、ここで見るような指摘を、本ブログよりも高度に実践し、現実社会において活動を行い、現実への大きなフィードバックを果たしているはずである※4。
※3 「私企業」への問合せは、社会関係(担当者との人間関係)を生じる。つまり、ヒュミントの領域である。相手が公人であっても、問合せは、ヒュミントの領域へと立ち入ることになる。
※4 オシント(公開情報の継続的な分析、私に言わせれば解釈、Open Source INTelligence)における危険は、相手が出してくる情報を組み立てた結果、相手の狙ったような絵図を描いてしまうことであると言われている。この危険は、個人の能力と方法に起因して、かなり大きな確率のものとして、厳然と存在するものである。私も、解釈を誤るという危険から逃れることはできないが、私にも、無料のブログを紡ぐ当座の意図があり、誤りは、その意図の下に発生するものと解釈されたい。私の意図とは、「私自身が、福島第一原発事故という犯罪の分析、ならびに時事問題に係る各種の解釈について、どの犯罪学者よりも、タブーを省略せずに、事件の探究を行った」という「実績」を、無料で公開の媒体によって、公知のものとしておくことである。この意図は、固定ページに示したように、三方良しを目的としているつもりではある。オシントに限定して記事を公開する意図については、前日(2017年9月10日)のネトウヨ×ニセ科学批判に係る拙稿を併せて参照すれば、不用意に発言するアカポスに対する「ググれカス」地雷として機能するよう企図していることも、ご理解いただけよう。
[1] 青山繁晴が「今週、戦争が始まる」とトンデモ解説で北朝鮮危機を煽りまくり! でも月末のサイン会はやるよ!|LITERA/リテラ
(宮島みつや、2017年09月08日)
http://lite-ra.com/2017/09/post-3441.html
〔...略...〕こんな軍事シミュレーション(?)をまくし立てていた。
「〔...略...〕金一族が地上に出てきているときに(アメリカは軍事作戦を)やりたいんですよ。〔...略...〕9月9日、北朝鮮の記念日、ひょっとしたら出てくるんだったら、そのときも(米軍の攻撃が)ゼロとは言えないんですよ。で、金一族の暗殺だけっていう限定攻撃もないので全部込みでやるんですよ。斬首作戦込みで(飽和攻撃を仕掛ける)」〔...略...〕
[2]
青山繁晴先生が歌舞伎町のシステムについて喋ってたら、有識者に見つかってしまいました。 pic.twitter.com/KDcfmBkA1G
— カルロストシユキ (@CarlosToshiyuki) 2017年7月2日
[3] 「文春砲」に疑惑を追及された参院選候補・青山繁晴の珍発言集! 外交の専門家なのに「タックスヘイブン」の意味を知らず…|LITERA/リテラ
(2016年06月30日)
http://lite-ra.com/2016/06/post-2377.html
2017年9月12日修正
11日分の追記を、当初の意図を変えないよう修正した。
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