2017年9月7日木曜日

(感想文)『週刊文春』に批判される人物は総じて文藝春秋社員以上にマトモである(が...)

『週刊文春』が民進党の幹事長に起用されようとした山尾志桜里氏の不倫を報道することには、「国際秘密力集団に対して実害を与えない」という制約条件の下で『週刊文春』が公平な週刊誌メディアであるよう見せかける、という機能がある。『週刊文春』が(政治という職業に対して)能力のある政治家を貶めるために使用される「ゲスの極み」の道具であることは、ロッキード事件以来の伝統である。山尾氏の不貞に対しては、「将来のある身がやっちゃったな」という感想しか持たないが、細野豪志氏と山本モナ氏との路上キス写真が2006年10月の『フライデー』によるものという事実とは、対照される必要があろう。

山尾氏は、国会審議において、TPP締結交渉に至る非透明性を批判している(2016年4月5日[1]、5月16日[2])。これらの発言は、TPP賛成を唐突に言い出したかつての民主党へのブーメランになるとはいえ、国際秘密力集団にとって、困ったことを指摘している点では変わりなかろう。TPP交渉への反対者が「TPPお化け」を怖がっていると前原氏が揶揄したことは、広く知られている。TPPの推進という「両建て」の一翼を担った前原氏にとっては、痛し痒しというところであろう。

山尾氏の不倫報道は、今後の山尾氏が政治を職業にしようとし続けるのであれば、民進党議員の全員に対して、一種の「躾」あるいは「臑の傷」として、機能することになろう。山尾氏も、細野氏(が走狗の道まっしぐらに見えること)と同様、戦争屋の走狗への道を辿ることになる虞がある。戦争屋に近い筋に不正選挙のツールが握られていることは、先の都議選・横浜市長選を通じて示されている。この不正な権力の所在は、永田町の成員に理解が共有されているであろう。選挙に落選するかも知れない種類の弱みを作られた政治家が戦争屋の犬に成り下がることは、自然な成り行きである(。山尾氏は、原発ムラを主要な票田に抱えながらも、かつては、その意向を拒否した政治家でもある[3])。全国区であれば、山尾氏の弁舌を買いながらも下半身に対して寛容な選挙民を当てにできるのかも知れないが、衆議院・小選挙区は、そういう訳にもいかないであろう。

来るべき選挙において、山尾氏の今後を決定付ける選挙民の見識は、そのまま、国際秘密力集団に対する日本人の耐性を反映する指標となる。たとえば、フランスは、この手のお話を問題視しないという文化があるとされるが、同国の文化は、国際秘密力集団の手管の一つが通用しにくいという形で、有用性を発揮する。この効果は、目に見えにくいものであるが、カネ・女・酒の一つを無効化するという点で、大きなものがある(はずであるが、マクロン大統領という悪手が実現したのも、この寛容さゆえではある。むろん、フランス大統領選挙についても、不正選挙の噂は、根強く囁かれ続けている)。現時点の日本文化が不倫に対して不寛容なこと自体が問題の核心ではない。日本国民が己を知らないがために、『週刊文春』ごときに良いように振り回されていることが問題なのである。不倫も「ゲス」なら文春も「ゲス」であると心得ておくことが、わが国を外部からの政変に対して、強く保つ力となろう。


#なお、パパラッチされたメディアの種類は、不倫報道の顛末が異なることを意味しない。細野氏の不倫も山尾氏の不倫も、国民が広く知るべき種類の話には含まれる。しかし、それだけではなく、国民が広く知るべき種類の話の中には、「報道がゲスな意図を隠し持つ人物によって利用できる」という一般的な事実と、「『週刊文春』の報道がほとんど常にゲスに利用されている」という固有企業に係る相関関係も、含まれるのである。山尾氏の不倫報道は、前原誠司氏の民進党の成員に対して原発賛成への手綱を引き締めるという機能を有しており、山尾氏をリサイクル要員として使い倒すものでもある。リサイクルという点については、今年8月28日の拙稿も参照されたい。


最後になったが、『週刊文春』が報道するという予定を『読売新聞』が報道する[4]ことは、もちろん、「ゲス」仲間がどの辺まで広がっているかを示す良い材料である。


[1] 衆議院会議録情報 第190回国会 本会議 第22号
(2016年4月5日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/190/0001/19004050001022a.html

[2] 衆議院会議録情報 第190回国会 予算委員会 第20号
(2016年5月16日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/190/0018/19005160018020a.html

総理、TPPの議論のときは、私たち民進党が〔#熊本地震の直後に〕震災対応、人命救出に専念すべきだと主張したにもかかわらず、どうやら総理が一歩でも前に進めたいと言って、無理やり審議をやったじゃないですか。それも結局、TPPでは、黒塗り、ノリ弁当、こう言われた資料で、実のある議論ができなかったじゃないですか。あげくの果てに今国会断念で、被災地にとっても、この国日本全体にとっても結局マイナスしかない判断だったのではないですか。

[1] 私は、中電労組と原発推進協定を結んでいません:山尾しおりのブログ:山尾しおり(山尾志桜里)/衆議院議員/民進党 愛知県第7区 総支部長/瀬戸市・尾張旭市・長久手市・日進市・東郷町・豊明市・大府市
(2014年12月9日)
https://www.yamaoshiori.jp/blog/2014/12/post-336.html

[4] 民進・山尾氏に既婚男性と交際疑惑…文春報道へ : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
(2017年09月06日 19時26分)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170906-OYT1T50100.html?from=y10




2017年9月7日9時修正

アクセスがゼロなのを良いことに、手抜きして、訂正箇所のコメント化・明示抜きに訂正作業を進めていたら、訂正中にアクセスがあったようである。文章全体の趣旨は変化させていないが、万が一、読者の理解が変わってしまうことがあれば、それは、私の至らなさのせいである。

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