2017年9月22日金曜日

今週吹いた「解散風」は理解できないものである

今週のマスコミは、揃って「解散風」を報じているが、現時点の国会における政党の外面的な勢力図を考慮すれば、本当に理解できないことである。「モリ・カケ隠し」との野党側の非難は正しいが、これだけが理由であるとは、到底納得できない。読売などが指摘する消費税の使途の限定化という目的は、真面目に検討する気にもなれない程に、取って付けた感がある。しかも、前週の15日、株式会社ムサシ(7521)の株価は、14日に比較して、一段、上昇した状態から取引が開始され、一日中、14日とは異なる価格帯での値動きを見せている。

「解散風」の違和感の理由として、現状、与党が両院で絶対多数であり、しかも衆院三分の二を押さえているという事情を挙げることができる。あと1年3ヶ月の間、与党の全議員が法案に賛成するという前提さえ成立していれば、法律は通し放題である。安倍首相の立場から想像してみると、戒厳令を臨時国会で強行採決しても良いくらいである。これに対して、安倍氏が解散に踏み切った場合、確実に、マスコミの報じる「情勢」は、現与党への逆風となる。10月下旬までは、森友学園疑惑・加計学園疑惑だけでも、マスコミのネタは十分に保つであろうから、「無党派層」の他罰的な投票行動は、マスコミに踊らされたものになるであろう。選挙に係る不正が全くなかったとすれば、「2017年10月の衆院選」も、2009年と同様、大規模な「反動」が生じよう。

与党内部に実は深刻な亀裂が存在すると考えると、解散する理由も多少はあるように思われるが、それでもなお、説明不足の感がある。9月20日には、何故か、石破茂氏がフジ『めざましテレビ』に出演して、自民党の立場を説明していた(。念のため、私は、この番組を流し見した)。株式会社ワイヤーアクションは、この点について、石破茂氏が「不快感を示す」と記述している[1]が、この表現は、妥当である。問題は、なぜ、フジテレビが石破氏に意見を求めたのかという点である。石破氏の肩書きは「元幹事長」である。与党ベッタリのフジ・産経グループなのに、現・幹事長の二階俊博氏にアポが取れないというのは面妖である。二階氏は先の内閣改造を経ても、党幹事長に留任しており、この点、盤石に役目を務めてきていると解釈することができる。二階氏からは、フジテレビの期待する「画」が得られなかったものと考えるのが妥当であろう。本ブログでは、この手がかりに認められる亀裂を、「クリーンなイケメンに注意せよ」という佐高信氏の小泉純一郎氏への批判に連関させて述べてきた(2017年8月28日)。二階氏も石破氏も、イケメンというイメージからは程遠い。ただ、「クリーン・ダーティ」の別で言えば、二階氏は、西松建設事件において、小沢一郎氏と並び指摘されたことからも想起できるとおり、明確に「ダーティ枠」に分類できる。他方、石破氏は、目立ったスキャンダルに相対的に欠如しているという消極的な理由から、「クリーン枠」に対置できよう。2017年現在、日本語マスコミに付与された「ダーティな」イメージは、日本国民一般にとって、一周回って信頼すべき証として機能している。仮に、解散が行われ、自民党が議席を減らすということがあれば、石破氏がマスコミに披瀝した「建前」の「正しさ」は、石破氏の党内における地位を向上させることになろう。この虞からしても、勝てる見込みがなければ、安倍氏が解散に踏み切ることは、自滅的な行為というべきである。公平に見て、望み薄ではあるが、逆に、安倍氏が現在以上の党勢を実現できたとすれば、緊急事態条項の創設に向けて、党内の結束を固めることができるというものである。

先の内閣改造においては、マスコミの「推しメン」である「クリーンな政治家」の入閣の噂が飛び、三宅雪子氏がこれを諫めたものである[2]が、この見込みが実現しなかったことを思えば、マスコミが主導型の解散報道は、一層怪しく見えるものである。解散が報じられれば、衆議院議員は、ただでさえ制限されているリソースを選挙に投入しなければならない。参議院議員も、応援演説に忙しくなろう。解散が報じられるだけで、野党政治家も、与党の造反分子も、人的資源を具体的な政策に投入することが難しくなる。この「解散風」は、偽計であるとすれば、野党を振り回すことにもなり、マスコミ報道が当てにならないことも示せるという点で、一石二鳥の効果を有するものである。

『リテラ』が報じる「自民党独自の世論調査」[3](の怪しさ)は、補助線の一つにはなりそうである。世論調査は、必ず系統誤差が出るものである。もしかすると、自民党の発注担当者には理解できない種類の変更や、人為的な工作のために、結果を自民党有利と誤認させるような系統誤差が生じているのかも知れない。たとえば、RDD方式(電話番号を無作為に選択、自動的にダイヤルする仕組み)に携帯電話が加えられたというケースを考えることができるが、これは、今月中に切り替えられたというものでもなかろう。読売新聞は2016年4月[3]、朝日新聞は2016年7月[4]、日本経済新聞は2016年4月末[5]、RDD方式の対象に携帯電話番号を加えている。この携帯電話や、固定電話番号のいくつかが、サクラにより用意されたものであるという可能性は、十分に考えられる。「飛ばし」の携帯電話がどれほど存在するのか、また、これらの携帯電話にどれほどのRDD方式の着信が実現するのかは、なかなか読み切れないが、あからさまな作為がなければ、かなり小さな確率の話ではあろう。世論調査市場は、事実上、寡占状態にある。月例の世論調査におけるRDD方式については、独占とみなせるものと考えることもできる(が、それを具体的に確定する作業は、本ブログのスタイルを超え、ヒュミントの領域である)。「RDD方式」と言えども、(層化無作為二段抽出は当然としても、特定地域内に存在する全ての番号に等しい抽出確率を付して)ランダムな番号をいつも取得している訳ではなかろう。前回までに判明した電話の名義の別(企業・個人)などは、データベース化され、RDDを運用する企業の資産として、「ランダムな電話番号を発生させる」際に、活用されているはずである。この「RDD発生器」に「サクラへの発信サブルーチン」が仕込まれているというケースは、可能な脆弱性として、考えておくべきであろう。最近、内閣支持率が劇的にV字回復したようであるが、このV字回復を果たすのに必要な番号数は、都道府県ごとに3件もあれば、十分に間に合う。従業員数10名程度の世論工作企業が世論調査企業をクラックした場合、かなりのことが可能になる。マスコミの飼い主は、従来の人的資産を現在も活用できる状態にあれば、安倍氏を自滅的な解散に踏み切らせるために、自民党執行部を錯誤に陥らせるための情報を仕込ませるという工作を命令し、実行させることも可能であろう。

現在の「解散風」を、「マスコミとその黒幕」対「内閣+武官組織」の苛烈な騙し合いの一環から生じたものと捉えてみると、事情が分かったような気になってくる(が、本当のところは、私には、なお分からない)。「マスコミとその黒幕」は、CIAのスパイであった正力松太郎氏が読売新聞社という新聞企業の頂点を勤め、原子力政策を推進してきたことに代表されるように、日本社会において、(無国籍大企業群のための)対日情報機関そのものと言っても良い機能を果たしてきており、「嘘」を多用してきた。他面、現政権の盟友集団(2017年6月10日)である警察・自衛隊の情報機関も、3.11以後はとりわけ、偽計と秘密とを濫用してきた。本ブログは、ここ半年ほど、これらの勢力の暗闘を支持する結論を採用してきている。このような集団同士の騙し合いにおいては、今まで嘘を吐いてこなかった人々(スリーパー)までもが、ここぞとばかりに偽計を講じることもあろう。100%嘘を吐かないという存在は、大変貴重である。しかし、今回の検討においては、大マスコミ(に所属してきた人たち)は、嘘を吐くものと考えた方が良いであろう。

仮に、現政体の選挙における切り札があるとすれば、それは、「現実には死亡しているが、行政実務上は死亡が登録されていない人たちの票を上乗せする」という手段である。これは、「生・権力」の応用技である。死者数が改竄されている可能性については、以前にも、定性的に脆弱性を検討したことがある(2016年7月29日※1)。ただ、この不正は、死亡数を改竄するという作業だけではなく、具体的な投票行動を偽装するという作業をも必要とするものである。従来、指摘されてきた不正の方法には、自動開票読取装置への不正アクセス、投票箱(の中身)のすり替え、開票時の票の交換などがあるが、これらに比べ、組織的な死者の隠蔽は、ハードルが高い。同一人物が別人になりすまして何度も期日前投票するという不正の方法は、すでに噂されてきたところではあるが、これ自体が、なかなか困難である。故人の不在を隠蔽し続けられるだけの人的資源を期待できない組織、つまり、公的機関がこの種の不正を組織的に行う場合、相当の連携と機転とが必要になる。他面、故人が高齢者であるならば、年金詐欺により利益を獲得できるという誘因もあるから、組織的に実行される可能性も、なくもない。

選挙における不正な方法のうち、自動開票読取機の悪用という方法は、非・自民党に連なる組織に現時点で占有されている。この推定の正しさは、過去の二度の都議選を通じて、明白に裏打ちされている。統計的手法では到底説明できない先の都知事選の大差は、『MS Excel』の基本的な加減乗除だけで、見事に、裏社会における過大な見積の結果として示されているのである(2016年8月21日8月30日)。この脆弱性は、最優先で塞ぐべき抜け道であるが、この不正な方法は、同時に、管理者を常に貼り付けておくという(不正の実行者にとっての)弱味を有する。解散が行われた場合、その開票業務の入札結果は、とんでもなく面白い安値競争になる可能性が認められそうである。


とりあえず、今のところ、私にも分かると言えそうなことは、以上である。


※12016年2月25日の拙稿は、この不正が実際にあり得るのかを検討するためにも利用可能な方法論を実際に使用してみたものである。


[1] [めざましテレビ (2017年9月20日放送回) ]の番組概要ページ - gooテレビ番組(関東版)
(株式会社ワイヤーアクション、2017年9月20日か)
https://tvtopic.goo.ne.jp/program/cx/105/1097753/

〔...略...〕解散については自民党の石破茂元幹事長が「解散は総理の専権」と述べつつ不快感を示す、民進党・那谷屋参院国対委員長が〔...略...〕非難するなど、与野党から批判や戸惑いの声が聞かれている。〔...略...〕

[2]

[3] 自民党独自の世論調査で、いまなら議席を増やせるとの結果が|LITERA/リテラ
(記名なし、2017年09月18日)
http://lite-ra.com/2017/09/post-3461_2.html

しかも、決め手になったのが、自民党が独自で行った世論調査だったという。

「自民党は独自で定期的に世論調査を行っているんですが、9月はじめの調査で、いま、選挙をやれば、現状維持は確実。情勢によっては議席を大幅に増やすことができるとの結果が出た。〔...略...〕」(全国紙政治部記者)

[4] 内閣支持 50% : 選挙 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
(記名なし、2016年04月04日15時05分)
http://www.yomiuri.co.jp/election/poll/20160404-OYT8T50146.html

[5] asahi.com(朝日新聞社):世論調査 - ニュース特集
(記名なし、2017年9月21日確認)
http://www.asahi.com/special/08003/rdd.html

[6] 内閣支持53%に上昇 本社世論調査、地震対応「評価」  :日本経済新聞
(2016年5月1日22:00 日本経済新聞電子版)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS01H2G_R00C16A5MM8000/

日本経済新聞社とテレビ東京による4月29日~5月1日の世論調査で、〔...略...〕

調査の方法 日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査は、今回から対象年齢を18歳以上にするとともに、これまでの固定電話に加え携帯電話にかける方式を始めた。〔...略...〕




おまけ:嘘を嘘と指摘しない「情報戦争」の弊害について

「情報戦争」は、一般の(情報探索の手段と資源が限定された)国民にとって、弊害の方が大きい。嘘が嘘を呼び、誤報がさらなる誤解を招くからである。マスコミや政体により示される情報に対して、処理できないほど多くの割合で嘘が混入するようになると、一般人は、何を信用できるものなのか、手がかりを失ってしまう。2017年現在、個別具体的な事実に対する国民の認識は、互いにいがみ合う二種類の勢力の「対立」ゆえに、相当におかしなものと化している。

情報戦争の帰結のアホさ加減は、たとえば、ポリコレ(Political Correctness)運動が中国共産党による扇動活動であるとする『2ちゃんねる(sc)』のスレ主の理解[1]に表れている。この理解の枠組は、タヴィストック人間関係研究所を悪魔化する「陰謀論者」の意見と、ほとんど同一である。問題なのは、この板のほとんど誰もが、この類似性に無自覚であるものと見えることである。一般の陰謀論者に比べて、一部の『2ちゃんねる』住民の認識の歪みは、無自覚であるだけに、病的な度合いを強めている。この無自覚性の遠因には、学識経験者の無知と臆病がある。

日本語社会は、徹底的な価値相対主義に陥って久しいが、少なくとも、犯罪学研究を対象に取る限り、その弊害は、悪しき方向へと作用している。山本七平氏は、「独自」の「聖書研究」からこのような結論を提示した。安富歩氏は、3.11以後、「立場主義」を精力的に「分析」している。彼らの指摘する相対主義は、「両建て」から「止揚」への伏線であるとも解釈できる。犯罪学(というアカデミズムの場)においても、今世紀初頭以来、規範性が軽視され、実証性が重視されている。このとき、竹中平蔵氏のような「知の裏切者」を規範的な観点から非難しないことは、誤情報を積極的に産出・流通させる行為をも黙認したことにもなりかねない。規範主義に対しては、怠惰という非難が冠せられてきたが、他面、実証主義に対しては、臆病という批判が冠せられることはなかった。しかしながら、組織犯罪・企業犯罪は、計量的研究に馴染みにくいという理由を付すことができるため、実証主義者は、この喫緊の課題から逃れることが容易となっているのである。


[1] 【画像】 アメリカのポリコレ騒動が某国の文化大革命と瓜二つと一部で話題に
(2017年08月20日16時31分01秒~)
http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/news/1503214244




2017年9月22日23時00分追記

朝日新聞が今朝の朝刊で、解散および公約についての石破氏の批判を取り上げていた[1]。この批判は、本文中で述べたように、石破氏の選挙後の立ち位置を左右するものとなる。

同じ紙面で、中曽根康弘氏の孫で、弘文氏の長男の康隆氏が立候補する考えを表明したことも伝えられている[2]。この報道も「マスコミのイケメン報道にこそ気を付けよ」という黄金則を補強するものであり、また、下半身ネタに日本国民が弱いこと、また、自民党が割られんとする動きが存在すること、を指摘する事例となる。陰謀論だけで、ほとんど用が足りてしまうほどの簡明さである。

[1] 『朝日新聞』2017年9月22日朝刊14版4面総合4「「何のための解散か」石破氏が批判/公約にも反発」(岩尾真宏)

[2] 『朝日新聞』2017年9月22日朝刊14版4面総合4「■群馬1区 中曽根元首相の孫も出馬表明/自民票奪い合いか」(記名なし)

〔...略...〕1区の候補者をめぐっては、県連が週刊誌で女性問題などが報じられたことを理由に、1区支部長の佐田〔玄一郎〕氏に代わる候補者に尾身〔朝子〕氏を選んだ。この選考の際、康隆氏も名乗りを上げていたが、選ばれなかった。

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