2016年11月9日水曜日

(メモ・感想)ドナルド・トランプ氏の勝利は日本人にとって歓迎できる

ドナルド・トランプ氏が、当選確実と言われる[1]。ABCテレビが報じたと、多くの日本の放送局が転送している。大方、スウィング・ステートと呼ばれる州において、軒並み、地滑り的勝利と呼べる内容となっているようである。東部標準時(EMT; -05:00:00)で、午前2時頃まで要したことになる。

トランプ氏が大統領就任することを受けて、日本にも色々と影響が生じるであろうことは、必定である。その変化を乗りこなすことができれば、わが国の生存に大きく役立つものとなることは、本ブログで何度か繰り返した。共和党政権ではあるが、戦争屋が排除されたために、より穏当な形での日米関係が再出発することになる。にもかかわらず、『Yahoo!ニュース』で跋扈してきた日本語話者たちは、大勢が悪化すると信じているようである[2]。この大半の日本人の「懸念」には、根拠がない。それだけでなく、責務に対して能力不足である指導者層がこの理解を共有しているとすれば、有害に機能しさえする。誰しも生きることにおいては平等であるが、適材適所という考え方が存在することも、世の道理である。わが国の指導者層には、より有能な人材が求められる。

表:Yahoo!ニュースによる意識調査の結果(2016年11月9日17:12閲覧)
選択肢割合票数
良くなる6.3%603
変わらない22.3%2126
悪くなる71.4%6818

『Yahoo!ニュース 意識調査』に見るような「日本人」の悲観論は、わが国の情勢を二点示しており、問題含みである。一点目は、ヒラリー・クリントン氏の飼い主であった「戦争屋」の手下たちが、まだわが国では大きな顔をしていられることを示す。二点目は、わが国が良い方向へと変化することを望み薄にする心性が日本人に骨がらみであることを示す。「第二の敗戦」の事実は、今夏の陛下のお言葉により、「日本人」の誰の耳にも聞こえてはいるのであるが、理解はされていないままである。一点目にある戦争屋の手下とは、言うまでもなく現政権であるので、この説明は省略しよう。二点目の説明には、マスコミの世論形成機能が深く関係している。

71年前の敗戦に至る過程における大本営発表ならびにマスコミの悪は自明であるが、この敗戦においてマスコミが果たした役割は、今回のアメリカ大統領選挙を受けて「日本人」視聴者が抱いた感想に対しても同様の責任を有する。第二次世界大戦当時のエスタブリッシュメントは、少なくともその多数は、絶対評価によれば、現在のエスタブリッシュメントよりもはるかに優秀であったが、いくつかの理由のため、課題の大きさ・重さに対しては、相対的に能力不足であった。彼ら支配層は、大本営発表が続き、大マスコミも追随するという条件下で、国民をいかに誘導して終戦にこぎ着けるのかという困難な課題を抱えることになった。1944年7月9日のアメリカ軍によるサイパン島占領宣言の時点で明確な潮流は見えていたはずであるが、終戦工作は、翌年までの間に非常に数多くの民間人の犠牲を生むに至った。物的な窮乏状態は、一部の強硬派を説得するには不足しており、犠牲の多さが明白な負けを悟らせるために必要とされた。原爆が必要であったとするトルーマン声明は、当時のわが国の指導者層の一部にのみ有効なロジックとして機能するものであるが、当時の指導者層の全員が原爆投下前に白旗を揚げることに同意できていなかった以上、政治的なレトリックとしては成立するものであったと言える。人道的に許容されるものではないことは、自明であるが、重ねて申し添えておかないと、誤解する向きもあろう。いずれにしても、1945年当時は、ペンの力は剣に相対したときに圧倒的に弱く、剣に脅されてこそペンの力が発揮されていた、と評価することができよう。

アジア・大平洋戦争においてポツダム宣言を受諾する過程に至る当時の指導者層を評価するためには、内部に強硬派、周囲に権力に従属的なマスコミという敵を抱える状態であったことを理解する必要がある。もちろん、この構図は、現今のわが国にも該当する。しかし、国民主権であるという建前が存在すること、マスコミの一方的な報道が多数の国民に効いていること、インターネットという個人的な知己を超えた情報取得のルートが一応は確立されるに至ったこと、の三点は、事態を複雑なものにしている。副次的には、人間が高齢化に伴い学習をサボりがちになること、マスコミ情報に接することを学習だと思い込んでいる高齢者が多く存在すること、の二点も影響していよう。

総じて、大マスコミに馴化された大半の日本人にとって、トランプ氏の当選確実は、予期されない出来事であったと言えよう。指導者層さえそうであろう。私が明確に当選を予想していたとは、外形的に判断できないかもしれないが、それでも、クリントン氏の当選よりも、トランプ氏の当選が99%の米国民の国益に適うことを充分に指摘してきたつもりである。99%の米国民の利益は、99%の日本国民の利益につながる。何となく共産主義の表現めいているが、これは事実であるから仕方ない。付け加えておくと、民草の利益は1%の利益でもある。『Yahoo!ニュース』は言論工作の対象となっているであろうから、この論理を理解できない「日本人」が一定数(粘着的なのは30000名程度か)いることまでは確定しているが、この言論工作の場に見られるような蒙昧から、日本国民は解放される必要がある。

 

[1] トランプ氏が当確 米大統領選 | 2016/11/9(水) 16:42 - Yahoo!ニュース
(毎日新聞、ワシントン=西田進一郎、2016年11月9日16:42)
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6220351

AP通信はトランプ氏が当選したと速報。米CNNによると、クリントン氏はトランプ氏に電話し敗北を認めた。

[2] トランプ氏勝利 日米関係はどうなると思う? - Yahoo!ニュース 意識調査
(2016年11月9日17:12閲覧)
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/domestic/26442/result

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントありがとうございます。お返事にはお時間いただくかもしれません。気長にお待ちいただけると幸いです。