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2016年1月23日土曜日

古歩道ベンジャミン氏の文章は段落読みできる

 #気が付いては忘れる、の繰り返しなので、大部分が過去の記事と重複するのだが、忘れないうちに記しておきたかった。

 古歩道ベンジャミン氏の文章の良いところは、段落読み(paragraph reading)できるところにもある。古歩道氏の報じる内容は、もちろん、(日本語においても、英語においても、)他のジャーナリストと内容が重複しない一次情報提供者による「ニュース」であることにもセールスポイントがあるのだが、いち研究者(落第)から見て、古歩道氏の「売り」は、それだけではない、ということである。このほか、日本語における文筆業×陰謀論という組合せの人物としては、田中宇氏くらいが、段落に一主題という条件を満たしつつ段落読みに近い読みを許す文章を問うておられるので、貴重な存在であることが際立つのである。念のため、段落読みできる文章とは、(1)一段落一主題で記述され、(2)段落の最初に段落の内容を説明する主文(トピック文)を置き、(3)同じことは繰り返さないで構成された文章を指す。段落の主文だけをつなげて読むことにより、大略を掴めるようになっているのである

※ もっとも、このルールの整備について、私はまともに論文等に当たったことがない。経験だけに頼って記すと、明らかに20世紀初頭の研究論文は、きわめて冗長であるので、徐々に整備されたのかな...というくらいにしか理解していない。このペースでは、死ぬまでに「学術における基本とは何ぞや」と言える人になりたいという理想を叶えることは、まず無理そうである。

 ある分野の研究論文や著作が段落読みできるかどうかは、その分野の成熟度を測るバロメータとなる、と私は考えてきた。研究者の記述した文章であっても、段落読み/書きの訓練を受けていないものは多く見られる分野に身を置いてきたがゆえである。訳本の水準も、訳者が段落読みを知っているかどうかで随分と変わる。私が研究者としての成果を出せないのは、そうして他の研究分野に素人ばりに目移りしまくっているからだが、日本史の研究者が総じて段落読みできる文章を記述しているところを見ると、面白いものだと感心する。陰謀論者が、このように国際的水準に達している文章を記す研究者に、この基本を知らずに中身に噛み付くからである。研究の作法を知らないという点で不用意であると同時に、研究の中身に容易に達する点で、素人の突き付ける刃の鋭さか、とも感心する。この点、陰謀論の文筆家は、今後、古歩道氏(の文章作法)を見習うべきであろう。

 1月19日の件は、掲示板『阿修羅』に漏れ聞こえてくるのだが、日本語でも知りたいな...と思ったりもする。


2016年1月16日土曜日

パリ同時多発テロ事件において、防犯カメラが機能していなかったという古歩道ベンジャミン氏の報道

#以下は、前年11月の時点で、下記の古歩道ベンジャミン氏の記事を読んでのメモである。なので時機を逸している点に注意。また、続報などの後追いもしていないので、その点に注意して欲しい。

Paris psy-ops is part of ongoing moves towards world government
Posted by benjamin November 17, 2015
http://benjaminfulford.net/2015/11/17/paris-psy-ops-is-part-of-ongoing-moves-towards-world-government/
First of all, the fact that thousands of witnesses all carrying video phones were unable to record the events of that day alone proves it was just a massive propaganda event, NSA and other sources agree. In addition, all 8 security camera feeds to the areas where the supposed massacres took place had been shut off, implying high level cooperation from the French security police, CIA sources say.
訳す。「まず初めに、何千人もの証人が携帯していたはずのビデオ撮影機能を有する電話機が、当日のイベントを記録できなかったという事実だけでも、本事件が巨大なプロパガンダであるという証拠であると、NSA筋やほかの者が同意している。加えて、虐殺が生じたはずである地域を撮影していた8台のカメラすべてが電源を落とされていたということは、フランス公安警察の高い地位にある者の協力を示唆するものである、とCIA筋は述べている。」

 確かに、誰もがスマホを持ち歩き、放送局が多くのスマホ映像を買い取る時代にしては、今回のパリ同時多発テロ事件については、おどろくほど少ない映像しか提供されていない。ただし、私は、被害がなかったとまでは考えていない。古歩道氏の「プロパガンダ」という表現自体、被害が生じていないと主張するものではない。私は、大きな被害が発生したにもかかわらず、被害の規模に見合うだけの映像がアップされないということがあるのだろうかと、漠然とした疑問を感じている、それだけである。

 被害の割に映像の流通量が少ない理由として、最も考えられるものは、映像の流通するコミュニティがフランス語圏に限定されていることである。また、防犯カメラ映像の多くは、現在の捜査上、秘匿されているとも考えられる。戒厳令下において、個人のアップした映像まで秘匿されるべき対象となっているのか、私は知らない。少なくとも、防犯カメラ映像は、折を見て、フランス政府により公開されるのであろうとも考えられる。事実、あっという間に消えているらしいが、CBSは、Daily Mail紙が入手したという防犯カメラ映像を報道していたらしい。引用文は、Googleのキャッシュから取得した。

Surveillance video shows terror during Paris attacks - CBS
http://www.cbsnews.com/videos/surveillance-video-shows-terror-during-paris-attacks/
November 18, 2015, 10:05 PM|Video from security cameras obtained by the Daily Mail shows one of the terrorists involved in last Friday's Paris attacks opening fire on a cafe and diners scrambling for cover. (retrieved from cache by Google


 映像が改竄されたり秘匿されたりするという事態は、オムニプティコンの時代において、専門家には想定されてこなかった事態である。アーノルド・シュワルツネッガー氏が主演した映画版の『バトル・ランナー』(原作はスティーブン・キングの『ランニング・マン』)では、ビデオ映像が改竄されて、それが生き残りをかけた未来版闘技場に送られる理由になったという経緯があったような記憶がかろうじてある。いずれにしても、かつて、James Brin氏が指摘し、和文ではジョン・キム氏が指摘したような性善説的なオムニプティコンは、ベンジャミン古歩道氏の報道が正しければ、脆くも崩れ去ったことになる。陰謀論にどっぷり浸かった者であれば、9.11において、多数のビデオ映像に対して批判的検討が加えられたことから、悪の連合が教訓を得たのだ、と言い出しかねない事実である。
  自動小銃(AK47だという報道があった記憶がある)という、ビデオ撮影機能との相性が悪い攻撃手段が用いられていたことは確かであるが、非常事態宣言=戒厳令の発令以前であれば、もう少し多くの映像が残されていたとしても、間違いではないと思う。

2016年1月11日月曜日

古歩道ベンジャミン氏が麻薬王の自白を報じた件

 本日(2015年1月11日)、古歩道ベンジャミン氏が興味深いニュースを多く報じているが、そのうちの2本に注目したい。

Weekly geo-political news and analysis(日本語版、有料)
http://benjaminfulford.jp/%E2%97%86%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%8C%E5%8A%A0%E9%80%9F%E3%80%81%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%AE%E6%9A%B4%E8%90%BD%E3%81%8C%E5%A7%8B%E3%81%BE%E3%81%A3/


一本目の気になるニュースは、今年(2015年)1月8日のホアキン・グスマン氏(別名:麻薬王エル・チャポ)の身柄拘束に関連してのニュースである。グスマン氏の逮捕は、本日の夕方のテレビのニュースでも報道されていたようなので、この事実自体をガセと断じる人はいないであろう。古歩道氏の面目躍如たるところは、
ペンタゴン筋によると、グスマンは既にブッシュ一族の国際麻薬ビジネスについても白状しているという。皆が待ちくたびれているであろうブッシュ一族の逮捕劇にも、ようやく現実味が帯びてきた模様だ。
と報じていることである。実際、この「国際麻薬ビジネス」については、ブッシュ一族の誰かが「国際麻薬ビジネス」に関与していても矛盾を生じない事実が多く見られる。ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルの番組である『世界何でもデータブック「犯罪ビジネス」』(日本放送時間 2015/11/28(土)19:00~ 原題 National Geographic: The Big Picture with Kal Penn, Crime Inc.)の構成を借りて、マリファナ、覚醒剤、コカイン、ヘロインの4種について、専門家らしからぬ適当さで基本を抑えておこう。オープンソースから構成されているが、出典表記もなしで申し訳ない。私の頭の中の整理用なので。後日、拡充するかも知れない。

  • マリファナ
    • 大麻。個人で簡単に栽培可能。
    • 温熱帯で育生するので、個人栽培の場合に電力消費が大きい。
    • カリフォルニア州等では医療用に許可。レクリエーション用も(2015年1月13日追記、リンク)。オランダでは監督が厳しいが合法。主流は小規模の栽培・小売ビジネスも存在。
    • 組織的なビジネスも存在するが、自家消費の方が主流とみて良いだろう。
    • 流行という点では良く分からない。合法化された部分を除けば、把握も難しいだろう。
  • 覚醒剤
    • 薬品。アメリカ国内なら、現実的な方法として、ある処方薬から精製可能。
    • 精製時に異臭。
    • 自家製造・消費も可能だが、組織的な製造・流通・販売が主流。原料の製造・入手と精製時の異臭のため。
    • 主なルートは中国(原料)→中国・北朝鮮(精製)→他国と言われる。中国国内における精製は、量刑の苛烈さゆえに見送られがち。
    • アッパー系。90年代後半以降、アメリカでは伸びてきているとか。
  • コカイン
    • コカを精製。栽培は高地で痩せていても可能。
    • 栽培は小作人によるが、組織的に生産・流通・販売される。精製作業に一部薬品が必要でもあるため。
    • 主なルートはコロンビア→中南米諸国、特にメキシコ→アメリカ等の他国。
    • アッパー系。でも覚醒剤にとって変わられつつあるとか。
  • ヘロイン
    • ケシからアヘン、アヘンから精製。
    • 栽培は小作人によるが、精製時に薬品が必要であり、組織的な製造・流通・販売が主流。
    • 主なルートは、アフガニスタンや黄金の三角地帯(タイ・ラオス・ミャンマー)→?→アメリカ等他国。
    • ダウナー系。最近廃れつつあったとか、復権しつつあるとか。
ヘロインの製造は、2014年、UNODC(国連薬物犯罪事務所)の発表を受けたAFP通信の報道によると、もっぱらアフガニスタンのシェアが80%で当然トップという。往時の主要な生産地の一つであった、黄金の三角地帯については、近年開発が進み、別の産業による生計維持が現実的なものとなりつつあるためでもあると思われる(それは、世界の大半の人々にとって良いことである)。

アヘン原料のケシ栽培面積、アフガニスタンで過去最大 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
2014年11月12日 20:51
http://www.afpbb.com/articles/-/3031594 
国連薬物犯罪事務所(UNODC)は(#2014年11月)12日、アヘンやヘロインの原料となるケシの作付面積が、アフガニスタンで今年過去最大に達したと発表した。
 UNODCの報告書によると、2014年のアフガニスタンのケシ作付面積は前年比7%増の22万4000ヘクタールとなっている。ヘロインの主原料であるアヘンの生産量は、前年比17%増の6400トンに達すると見込まれている。
(...略...)現在、世界のアヘンの80%はアフガニスタンで生産されている。(...略...)

 つまり、ケシ栽培が従来以上に盛んになったのは、アメリカ軍によるアフガニスタン侵攻後、占領・駐留の時期を通じてということになる。ブッシュファミリーがヘロインビジネスに関与していようがいまいが、政治上の責任は免れないということである。なお、ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻時には、ケシ栽培がムジャヒディーン(当時の「聖戦士」)の資金源となったとされる。この構図は、ISILの資金源が石油であるのと同形である。

 コカインについては、コロンビア(大統領)などとの交流関係などから、パパブッシュの関与が深いことが指摘されている。コカイン中毒の問題は、パパブッシュが(大統領在任時を含む)政府高官であった時期を通じて、一番酷い状況にあった。

 覚醒剤については、ブッシュ(ジュニア)の時代に北朝鮮由来の流通ルートが確立されたことになるが、わが国のメディアでは、十分に報道されてはいないようだ。

 結局、個人栽培可能とされるマリファナを除けば、ヘロイン、コカイン、覚醒剤というように、ブッシュファミリーの政策がアメリカ国内における違法薬物問題の抑止に役立たなかったことは、事実である。言い換えると、古歩道氏の報道以前に、積極的な関与についてはともかく、ブッシュファミリーの違法薬物対策に対する消極的な関与(不作為)を指摘し、政治的な責任であれば十分に問えることは、事実なのである。

 以上の理解があると、従来の(アメリカ国内の)違法薬物問題に対する犯罪学上の理解も、相当程度、転換せざるを得ないことになる。私が陰謀論に注目するのは、これが理由のひとつなのである。


二本目のニュースは、
ある裁判に関連してイギリスの検察が「日本の311が核テロであったことを示す詳しい資料 」 の一式を1月19日に法廷で公開することが決まった。英国諜報機関MI6筋は、「その裁判の後には、日本でも311テロに加担した売国奴たちのパージが始まる」と伝えている。
というものである。これは、一体どういうことだろうか(棒)。共産党の吉井英勝衆議院議員の質問により、福島第一原発の脆弱性の低さが周知されていた(リンク)わけだが、同原発が地震・津波に襲われたときに事故を起こすよう、東京電力に任せっぱなしにしたということなのか。それとも、最悪の場合には、巷の陰謀論がいうように、核爆弾により、崩落を人為的に発生させたということなのか。日本人が関与していなければ、地震までもが完全に人為的なものであるということにはならないだろう。

 1月19日に注目することにしよう。どういうレベルで報道されることになるのだろうか。

 なお、人工地震説は、巷間指摘されている内容の多くにおいては、かなり多くの「日本」の名を冠した組織に所属する「日本人」の関与を前提とするものである。そのような売国奴の「日本人」が、日本国内で逃げおおせているとすれば、本来の意味での右翼なら放置できないような、信じがたい話ではある。



 ところで、「地震の原因」そのものではなく、「地震の揺れ方」ならびに「揺れの影響」に限定して注目するという態度も、「あり」である。なぜなら、貞観地震のように、まったくの自然による地震で同クラスの被害が生じることが確実であることが、すでに分かっているためである。「揺れの原因」と「地上での揺れ方」の切り分けは、特定の地震の原因をカッコに入れる役割を果たす。被害想定は、陰謀論とは(何ら)関わりのない分野であるが、「地震の起こり方」と「地震波の伝わり方」との複雑な関係を省略するために、特定の「揺れ」を前提とすることにより、その結果として、「揺れの原因」と「ある地域での揺れ方」との切り分けを実現している。一応のところ、揺れの原因は、断層型地震と大陸型地震の二通りに分けられているが、その検討は程々にしておいて、揺れによる人工物への影響から検討を開始するという態度は、要素還元論的な方法と呼べるものであり、デカルト式の科学の王道である。

 このような問題を切り分ける態度は、陰謀論を認める余地を残しつつも、物事を正確に見るための方法のひとつともなる。ある部分をブラックボックス化しても問題ないときには、そうしてみるのも一つの方法ではある。その一例として、「麻薬ビジネスの詳細なメカニズム」をカッコに入れてみる。すると、「ブッシュ親子政権による外交」と「麻薬ビジネスの国際的な潮流」が大きく見れば共変していることに気付くはずである。ここからが問題であるが、共変しているからと言って、一方が他方の原因というわけでは、まったくない。こうした共変関係は、偶々生じたかも知れない。ただ、ブッシュ親子政権下では、四大薬物のうち、三種までもの流行状況が彼らの政策に多分に影響されているのである。偶然は、何度も続かないので、偶然と言うのである。

2015年10月1日木曜日

JR東日本連続不審火事件の模倣犯の予防は急務である

#容疑者逮捕から2週間が経過して、新たな(おかしな)展開が社会で生まれつつあるので、コメントしておきたい。

 JR東日本への連続不審火事件の容疑者は、世界情勢の「裏側」をレポートしてきた日本人ジャーナリスト、古歩道(フルフォード)ベンジャミン氏のお隣さんであるという(リンク※1)。私は、このことをTwitterまとめサイトのTogetter(リンク※1)で翌16日に知り、色々と考えて執筆した上で、17日に先の記事(リンク※2)をアップした。古歩道氏がインタビューを受けたのは、逮捕直後の9月15日であり、マスメディアがコンビニ帰りの古歩道氏を捕まえた(リンク※3)のだという。18日にアップされたネット番組(リンク※3)と24日の番組(リンク※4)で、古歩道氏は、インタビューに応じた経緯と自身の所見を述べている。この日の前後関係は分からないが、18日、容疑者は、威力業務妨害等の容疑で東京地検に送検されている(リンク※5)。

 古歩道氏は、本件放火がイスラエルのモサドの工作活動であると断定し、容疑者が古歩道氏の隣に住み始めたことも怪しいと述べている。古歩道氏は、日本社会の権力構造について、優れた分析を示している※6が、現在、陰謀論業界のスターとみなされている。そのために、今回の主張は、結果として、陰謀論業界以外ではトンデモ扱いされている。今回の古歩道氏の主張は、容疑者の両親の国籍等を理由に、事件をモサドの仕業とするものであり、あたかも、いずれも日本にいるという理由で、在特会と日本政府を確たる理由抜きに同一視するかのごときのものである。古歩道氏の今回の主張は、短絡的に過ぎる。

 しかしながら、古歩道氏の主張の真偽自体は、(そもそも私には確かめようもないものであるが、)今後の犯罪を予防する上で、重要な論点ではない。本事件が報道され、「いざとなれば、自分にも事件を起こせる」という印象が広まってしまい、テロ活動に対してJR東日本が脆弱であると思われていることこそが問題なのである。全世界の視聴者は、JR東日本の列車を止めることが簡単だという印象を植え付けられてしまっている。本事件の犯人が誰であるか、なぜやったのかが解明されたとしても、将来の事件を予防するためのハードルは、最早、下がることがないのである。一部マスメディアは、容疑者の逮捕前、プロフェッショナルの仕業ではないかとの観測記事を流したが、放火の手口自体は、それほど難しいものではない。火炎ビンのような装置で、敷地外から届きそうなところにあった可燃物に着火した、というだけである。どの設備が燃えそうかという判断は、多くの国民が下せるものである。「なぜ犯罪が行われたのか」という動機の解明は、専門知識を必要とするかもしれないが、「どこでいつ犯罪が行われるのか」という判定は、小学生にも行えるものである。以前、私は、放火を防ぐためには、公衆の手の届くところに可燃物を放置しないようにすれば良い、とNHKの情報番組『あさイチ』で解説したことがある。事件の多くが私の指摘と整合するものであったため、事件の報道に接して、私は、多くの事件についてアリバイがあることをありがたく思ったほどである。

 前記事の繰り返しになるが、テロ対策は、単なる放火対策に比べて、途方もないリソースを必要とする。本事件を単独犯として片付けてしまうと、テロ対策への準備が疎かにされかねない。放火対策だけであれは、オリンピック終了までの期間、各会場周辺を警備することに集中すれば、数十億円程度の費用ですむかもしれないし、対外的な活動も、私程度のカタコトの語学力で十分間に合う。しかし、テロ対策には、二カ国語以上を母語として使いこなせる程度の語学力を有し、母国に変わらぬ忠誠心を捧げることのでき、人間としての魅力にあふれた人材が要求される。資金面についてみると、本年の自称イスラム国による邦人誘拐殺人事件の折、中東の安定のために拠出すると安倍首相が演説した2億ドルでは、とうてい足りない。240億円では、100人が活動できるだけである(100人×4000万円×6年)。事件によって、テロ対策の必要性が満天下に示された以上、事件に備える体制づくりが欠かせない。これは、新国立競技場の建設計画に言及するまでもなく、当然のことである。わが国の指導者層や企業の経営陣が、現状に甘んじていて良いとするのであれば、その理由を積極的に示すべきときが来ている。

落ち穂拾い(1) テロ対策を念頭に置いたリソース配分が必要な理由

蛇足になるが、テロ対策にリソースを十分に割かなければ、本事件が背景のあるテロ活動であったのか、それとも真に単独犯であったのかの区別は付けられないだろう。そして、単なる放火犯として片付けた場合、今後のテロ事件は防ぎ得ない。とすれば、本事件はテロ事件であると考えた上で、対策に十分なリソースを注いだ方が良い。それが無理なら、目的と手段が転倒したものになるが、いっそのこと、現時点でオリンピックを返上し、より有益な方面にリソースを配分するというのも、テロを予防する一つの手ではある。

落ち穂拾い(2) 新国立競技場建設計画には防犯環境設計上の確認が必要

さらに蛇足。精査していないので想像で記すけれども、おそらく、新国立競技場の建設計画は、犯罪やテロ、混雑からの安全性という観点から検討されてはいないだろう。何せ、周辺部の歩行者デッキは、費用分担からして都と国の言い分が異なるほどである。官公庁は、予算がなければ動かない。民間企業に企画を丸投げなんてことも、あってはならないのに、まま聞くことである。ということは、予算で揉める前には、ほとんど検討がなされていないと見るべきである。周辺施設と連携した混雑対策・警備計画は、一顧だにされていない虞がある。実際、ザハ案は、周辺の混雑なんぞは知りませんといった具合に、デザイン重視、曲線を多用した形状である。スタジアムにおけるテロ対策は、かなり歴史がある分野である(。私も、ということを心得ているだけではある)。しかし、わが国のトップの頭の中には、総合的な安全面を検証できるだけのプロフェッショナルを招待しようというアイデア自体がない。でなければ、Jリーグやスターのコンサート後、新横浜駅や浦和美園駅が大混雑し、事故が懸念される状況を毎度経験するなどという事態は、ないはずである。

落ち穂拾い(3) 事件の発生地と古歩道ベンジャミンメルマガ発刊地はまあまあ近い

山手線南西部に事件が集中していたことは、古歩道氏のメルマガ発刊地が品川区内にあることもあり、古歩道氏にとっても警戒材料になったように思われる。渋谷や恵比寿など、ライブハウスの集中する?地域にも自転車であれば通える範囲である。なぜ知っているかって?これは偶然であろうが、発刊地が私の近所だから。ついでだが、古歩道氏は、『江戸前・あ・めーりかん』の作者の藤波俊彦氏によって、ママチャリに乗る人として描かれていた。

落ち穂拾い(4) 掲示板『阿修羅』に見られた怪しい書込み

具体的には示さないが、本事件とは別の手段によって業務妨害できるのではないかと指摘する記述が、陰謀論者や過激派やカルト宗教信者の集まる掲示板『阿修羅』に書き込まれたことがある。また、JR東日本に対しては、過激派による業務妨害が生じたことがある。わが国の安全は、何かと危うい均衡の上に成立しているのである。

注記・出典

※1 JR不審火インタビュー ご近所さんとして登場したのがベンジャミン・フルフォードではないかと朝から混乱するTL - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/874341

※2 JR東日本における本年8月の連続不審火事件の容疑者逮捕について
http://hiroshisugata.blogspot.jp/2015/09/suspect-arrested-serial-arsons-on-East-Japan-Railway-premises.html

※3 JR放火事件の犯人は工作員?【NET TV ニュース.報道】国家非常事態対策委員会 2015/09/18 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Ip9dn0SoJIA

※4 【NET TV ニュース.報道】国家非常事態対策委員会 2015/09/24 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=IXxGhp09rCU

※5 JR不審火、容疑者「まだやるつもりだった」 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150917-OYT1T50045.html

※6 彼の著書『日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日』(2002年, 光文社)などによると、古歩道氏が世の中の「裏側」に深く関与するに至った契機は、経済誌『フォーブス』の太平洋支局長時代、不動産等の不良債権に暴力団 が深く関与していたことを知り、外国人としての強みを生かした取材を進めたことに始まる。古歩道氏が陰謀論者扱いされるようになったのは、いわゆる911 がインサイドジョブであったという点を、当時から著名な陰謀論者であった中丸薫に指摘され、その調査を進めて以来のことであると思う。