2018年8月11日土曜日

(メモ・一言)トルコリラ大下げ・台風13号

ポジショントークになる事を承知で記しておくが、トルコリラが大下げしており、エルドアン大統領再選後、しばらく20~22円台を保っていたところ、9日に19円台、10日に17円台まで下げた[1]。レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)に寄稿[2]し、現在の非対称的な関係を改めなければ、トルコが新たな友人を求めなければならなくなると警告している(が、掲載先がNYTになること自体、真に捻れた状況である)。ところで、日本の右翼は、常々、トルコを親日国と呼んできたが、困った時の友こそ、真の友ではないのか。私のような左翼がかった発言をなすことのあるリベラルでさえも、リラ建て債に一段目に下げた時に突っ込んだのに?などと思ってしまう。米国株にまで影響する(ということは、間違いなく、日本株にも影響する)との評価もあるのに、なぜ、ここまで売り込まれるリラの防衛役を買って出ないのだろうか。

エルドアン氏の再選後、しばらくリラが小康状態を保っていたこと、この状態に至ってもエルドアン氏が強硬姿勢を貫ける理由は、昨年9月、ロシアのミサイル防衛システムを導入配備した[3]ことにより、安全保障上の懸念なく自国の利益を主張出来るようになっていたことにもあると認められよう。エルドアン氏は、売りを仕掛けた金融勢力と連携する軍事力に対抗可能であるという自信を持つからこそ、強行姿勢を継続できているのであろう。ここまで売り込まれる可能性は、一応、懸念されていたことではある。それに、例のごとく、ここでの経済的緊張が、多くの政治上の高位の人物を巻き込んだ国際的な大仕掛けによるものであるとも考えられる。シリアという隣国の存在を考慮すれば、この売り仕掛けは、当然に、戦争屋の相乗りまで織り込まれているはずであろう。このような通貨戦争において、個人の端金など、存在しないに等しいが、わが国の政府が国レベルで(口先だけでも)介入した場合、中東地域のバランサー役として機能してきたトルコに対して、窮地に手を差し伸べたことになろう。代わりに、トランプ大統領の矛先を引き受けることにもなりかねないのであるが、仮に、この急落が一種の八百長である場合には、このような動きは、全然問題ないことにもなろう。エルドアン氏がNYTを寄稿先として選択したことも、注目されて良かろう。自由奔放に見えるトランプ氏を宥める役として、トランプ氏から批判されがちなNYTが選択されたという訳である。


台風13号は、絶妙なコース取りで、関東地方や東北地方にではなく、海上に大雨を降らせながら太平洋を北上していった(気象庁の過去の台風情報には、8月11日現在、未掲載)が、このコース取りが何を意味するものか、私には、全然分からない。ただ、私のように、気象操作を平気で攻撃に利用する連中が、日本の国土に対して攻撃を試みようとしていた、と解釈する場合、(1)何らかの理由によって今回は攻撃を手控えた、(2)ほかの主体による防衛行動があった、の2通りの理由を挙げることができよう。首都圏の停滞は、地方へのダメージとは異なり、経済活動を停滞させることで、日本株市場の全体の下落を招きうる。いくら惨事便乗型資本主義といえども、どれだけの財政出動が見込まれるのかが明らかにされない中では、攻撃しても仕方ないと見送られたのであろうか。この結果かどうかは知らないが、結局、建設株は、第一四半期の業績にかかわらず、総じて軟調である。その後の平成30年7月豪雨被害にもかかわらず、である。防災をイチオシしている飛島建設も、直近の決算が好調と見えたにもかかわらず、最近の安値から戻しきれていない。国内産業であるにもかかわらず、また、(今後大量供給されるであろう海外からの建設作業員にとって魅力的になる)円高であるにもかかわらずである。全く、私には理解できないし、懐の痛いことである。


おまけ・多少のネタバレ注意;スロバキアで、警告を受けたにもかかわらず、隣人への嫌がらせとして『椿姫(La Traviata)』の『乾杯の歌』を流し続けて収監されたという女性がいるとのニュースに接した[4]。BBCのポッドキャストで知ったことであるが、直リンがないので、該当するニュースのリンクをBBCのサイトで示しておく[5]。わが国では、類似事件がニュースになる場合にも、オリジナリティ(溢れる才能)が求められる。わが国は、女性にとって、何と生きにくい国なのであろうか。なお、『椿姫』のパーティのような場面に接するにつけ、私は、栗本薫氏の『グイン・サーガ』シリーズの登場人物の一人であるアルド・ナリスを想起してしまう。この人物造型の一側面が光源氏の「中原(グイン・サーガの舞台)」版であることは、まあ正しかろう。ミュージカル『ラ・マンチャの男』は、『椿姫』のハッピーエンド版であるという側面を有しよう。これらの作品についての知識や親しんだ経験は、他者の恋愛を追体験したことにはなってはいるが、個人的な悩みの解決には、ほとんど役立ってはいない。


[1] TRY JPY 過去データ - Investing.com
(2018年08月11日確認)
https://jp.investing.com/currencies/try-jpy-historical-data
#公的データからは、USD/JPYとTRY/USDとの組などのデータが必要。

[2] Opinion | Erdogan: How Turkey Sees the Crisis With the U.S. - The New York Times
(Recep Tayyip Erdogan、2018年08月10日)
https://www.nytimes.com/2018/08/10/opinion/turkey-erdogan-trump-crisis-sanctions.html

[3] トルコ、ロシアからミサイル購入へ 両国接近、米は懸念:朝日新聞デジタル
(イスタンブール=其山史晃、モスクワ=中川仁樹、2017年9月13日10時47分)
https://www.asahi.com/articles/ASK9F02DGK9DUHBI048.html

[4] Woman detained in Slovakia for playing Verdi for 16 years - BBC News
(News from Elsewhere as found by BBC Monitoring、2018年08月09日)
https://www.bbc.co.uk/news/blogs-news-from-elsewhere-45127006

[5] Silence finally? The owner of the “opera house” in Štúrovo detained - spectator.sme.sk
(Compiled by Spectator staff、2018年08月07日12:47)
https://spectator.sme.sk/c/20886920/silence-finally-the-owner-of-the-opera-house-in-sturovo-detained.html

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