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2018年8月6日月曜日

(メモ)北朝鮮が日本の核武装に言及した

と『スプートニク日本』が編集部名義での記事[1]を昨日(2018年8月5日)にアップしたが、このことは、穿ち読みすれば、北朝鮮の弾道ミサイルが東よりも西へと向けられている可能性を示すものとも解釈可能である。わが国が密かに核武装を志向してきたことは、方々で指摘されてきたことであるから、説明するまでもなかろうし、最近の直下型地震が日本の核実験を意図するという指摘も散見されるくらいである。私は、すべての直下型地震が核実験だとは思わないが、最近の地震の中から核実験と認められる程度のマグニチュードのものを見繕ってみると、7月31日17時42分頃の福島県沖の地震[2]に行き当たる。仮に、この地震が核実験のデモンストレーションであったとするならば、ロシアや北朝鮮や中国が警告を突き付けることも当然とはいえよう。

このメッセージの中身が日本国とその後ろ盾である米国だけを牽制するものではないと解釈できる点は、メッセージそのものと等しく、重要であろう。核武装を実現・維持しようとする他国にとって、福島第一原発事故の始末を付けられていない(ように見える)わが国は、使いやすい資源である。私の見立ては、核武装への意思を有するわが国の一部勢力が他国の一部勢力と結んでいるというものに過ぎない。が、この見立てが正しければ、具体的にわが国と共謀している国名を特定しないとしても、私の予想は、まあまあ分の良い賭けになる。というのも、北朝鮮から見て、世界の国の多くは、西向きに多く分布しているからである(。まあ、それだけの根拠と予想でしかないと言うこともできようが)。

本来ならば、日本人は、自力で、一部日本人を含む両建てAチームにより進められた核武装という背信行為に気付き、反原発の声を通じてこの裏切り行為を非難し、全国民的な運動により原発ゼロに成功し、わが国が核燃料物質輸送の国際的な抜け穴となっているという脆弱性を解消し、他国の邪(ではあるが、同国の生存のためとしては理解可能)な目論見から距離を置けるように身を処すべきであった。しかし、日本人の大多数は、日常業務における様々なレベルの不正に対して実効的に反抗してこなかったし、この国民に蔓延する「見て見ぬふり」という脆弱性は、他国の情報機関によって、しばしば利用されてきた(のは、本ブログからも垣間見えることと思う)。原発ムラの住人たちは、なおさら、不正を黙認してきたであろう。多くの不正告発者が、謎の死を遂げているからである。原発業界の不正行為の中には、他国に密かに核燃料物質を輸出し、それと同量の劣化したプルトニウムを輸入するという作戦が含まれていたとしても、全く不思議ではない。なお、この推測は、あくまで二次情報を集成した結果に、ほんの少しの機転を加えたものである。日本語話者なら誰でも、ほんの少しの想像力の飛躍によって、私の推測と同様の結論に至ることが可能である。が、むろん、具体的な証拠に行き当たることなど、一般の人々には、期待しようもないことである。

繰り返しとなるが、現時点では核保有国として内外に認められるに至った北朝鮮が、わざわざ、わが国の核武装だけを取り上げて非難することは、わが国のみならず、わが国の一部連中と共謀関係にある他国をも牽制する効果を有する。北朝鮮がわが国の核開発だけでも十分な脅威であると主張するとき、米国を含めた周辺国は、その言い分を認める(に留まる)ことであろう。実際、北朝鮮の声明に先立ち、中国もロシアも、日本が核武装することが脅威になると警告している。今回の北朝鮮の警告そのものは、『スプートニク日本』の指摘するとおり、米国に向けられていると解釈すれば良い。米国を通じて日本に対する圧力を掛ける、という段取りであろう。ただ、さらなる解釈を許すとすれば、わが国の核武装への意思がいかなる理路によって今まで保証されてきたのか、それは単にアメリカという国だけによるものか、と考えておくことは、日本人(のサバイバル)にとって、全く、無駄なことではない。北朝鮮は、わが国だけを、核武装の意思がある悪役として非難し続け、米国に対処を求めるという形で、自国の要求を押し通すだけであろうし、中露の二か国は、北朝鮮を押し立てたり、必要に応じて、彼らの認めた事実を公表するだけであろう。しかし他方で、中・露・北の三か国とも、日本が単独で自国の核武装を達成できないことは、十分に理解していることであろうし、わが国と他国との核燃料物質の循環関係についても、それなりに把握していよう。その上で、わが国だけが核武装の意思有りとして非難されている。このとき、最後にバッサリ斬られるのが日本国(民)だけではないのかと、私は、心配しているのである。

今日という(トルーマンが広島に原爆を投下させた8月6)日に対する大メディアの論調を見れば自明であるが、多くの日本人にとって、人間なら誰もが賛同できるはずの核廃絶でさえも、他人事であるかのように、紋切り型(=平和が大事)に、情報操作されている。ましてや、多くの日本人にとって、被爆国だからこそ核武装が必要だと考えるタカ派上級国民たちの先走った行為に対する責任は、感じる機会すらもなかろう。日本語メディアは、出版事業までを含めて、日本人が知るべき情報を総合(=止揚)して伝えるという努力を回避してきた。連合国最高司令官指令(SCAPIN)に基づく戦後占領期の新聞検閲体制(プレス・コード、SCAPIN-33)などは、自主検閲=忖度の文化を派生させながら、実効的に日本の言論空間を統制してきた。論証を端折る(し、そもそも、知識の吸収がなかなか進んでいないのだ)が、この言論封鎖の中で、日本の核武装への意思は、十分に周辺国に気付かれながらも、いくつかの理由のために手出しされないまま、存続してきたものと認められる。仮に、日本国政府(の一部)が単独でこの目論見を達成しようとしてきたのであれば、必ずや、この試みは、早期に潰えていたことであろう。わが国の両建てAチームは、提携可能なパートナーとしての他国政府と協力する程度には、目端が利いている。しかしながら、本当に、この先、わが国は、核武装に成功できるのであろうか。国連憲章の敵国条項を、今のままで、出し抜けるとでもいうのであろうか。(当然といえば当然であるが、)これらの話を、一か所の論考で、人々に分かるようにまとめて示している論者を、私は、見たことがない。この言論の焼け野原状態を意識してようがしてまいが、一般の日本人は、自らの考察のみによって、政治的に、できる限り狡猾であらねばならないという状況に追い込まれている(。そして、私の知能がポンコツであろうがなかろうが、基本的に、私の論考が一般に入手可能な情報のみで構成されている以上、残念なことに、一般の日本人が一部の上級国民による核武装計画を知りませんでした、と抗弁することはできない。つまり、国民の多くがこの計画を知っていようがいまいが、一億総懺悔という道筋がデフォルトになろう)。


#とりあえず6日にアップするのが重要だと考えたので、段落書きがなっていないが、公表した。


[1] 北朝鮮、日本に「核の野望」と批判 - Sputnik 日本
(スプートニク日本、2018年08月05日 17:05)
https://jp.sputniknews.com/asia/201808055194189/

[2] 地震情報 - Yahoo!天気・災害
(2018年7月31日17時46分)
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/20180731174227.html

発生時刻2018年7月31日 17時42分ごろ
震源地福島県沖
最大震度4
マグニチュード5.4
深さ20km
緯度/経度北緯37.2度/東経141.3度
情報この地震による津波の心配はありません。

2017年10月19日木曜日

(メモ)9.11に係るWTC7の崩落について

NIST(アメリカ国立標準技術研究所)の2008年11月報告書は、火災により引き起こされた損傷が床の局所的な不具合を引き起こし、この不具合が9階に渡る重量を支持していた79番の柱を(、5.5インチ以上の変位により)座屈させるという連鎖を生じさせ、この座屈によりWTC7全棟が崩壊した[1]と述べている。なお、同報告書については、軸受の幅が12インチであったことを受けて、2009年1月には、6.25インチ以上の変形があったと訂正されている[2]。これに対して、2017年9月、アラスカ・フェアバンクス大学のリロイ・ハルゼイ氏らは、構造計算の結果、79番の柱の変位は2インチ未満であり、火災による79番の柱の座屈は生じなかったことを報告している[3]。プレゼン書類は、PDF形式で、同大学のサイトで公開されている[4]。本件は、ポール・クレイグ・ロバーツ氏のブログ記事[5]の和訳サイトの記事[6]を端緒に知ったことである(。念のため、本稿の執筆にあたり、両者ともに確認している)。


[1] Structural Fire Response and Probable Collapse Sequence of World Trade Center Building 7, Federal Building and Fire Safety Investigation of the World Trade Center Disaster (NIST NCSTAR 1-9) VOLUMES 1 and 2
(Therese P. McAllister、2008年11月20日)
https://www.nist.gov/publications/structural-fire-response-and-probable-collapse-sequence-world-trade-center-building-7?pub_id=861611
#直リンクは、http://ws680.nist.gov/publication/get_pdf.cfm?pub_id=861611

〔p.617, 14.2. Summary〕The probable collapse sequence that caused the global collapse of WTC 7 was initiated by the buckling of Column 79, which was unsupported over nine stories, after local fire-induced damage led to a cascade of floor failures.

[2] Errata for NIST NCSTAR 1A, NIST NCSTAR 1-9, and NIST NCSTAR 1-9A, Federal Building and Fire Safety Investigation of the World Trade Center Disaster: Structural Fire Response and Probable Collapse Sequence of World Trade Center Building 7 | NIST
(Therese P. McAllister、2009年1月30日)
https://www.nist.gov/publications/errata-nist-ncstar-1a-nist-ncstar-1-9-and-nist-ncstar-1-9a-federal-building-and-fire?pub_id=901225

[3] Collapse of World Trade Center Building 7 1
(Dr. J. Leroy Hulsey)
http://www.kaltura.com/index.php/extwidget/preview/partner_id/1909371/uiconf_id/36832722/entry_id/0_rxmrybkv

[4] A Structural Reevaluation of the Collapse of World Trade Center 7
(Dr. J. Leroy Hulsey, Dr. Feng Xiao, and Zhili Quan. 2017年9月)
ine.uaf.edu/media/92216/wtc7-structural-reevaluation_progress-report_2017-9-7.pdf

[5] 16th Anniversary of 9/11 Brings New Development - PaulCraigRoberts.org
(Paul Craig Roberts、2017年9月11日)
https://www.paulcraigroberts.org/2017/09/11/16th-anniversary-911-brings-new-development/

[6] 9/11・16周年で新たな進展: マスコミに載らない海外記事
(2017年9月13日)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/91116-b568.html




この一方で、矢田部俊介氏の以下のツイート[7]は、「「911において陰謀が行われた」とする言説の中に、かなり多岐に渡る内容が含まれる」という事実を捨象して、吉田夏彦氏の品位が低下するであろうと論じる点で、随分と入り組んだものである。先述したNIST報告に対しては、前掲した最新の疑問点以外にも、数々の疑問が寄せられており、中には、合理的と認められるものも存在する。矢田部氏は、それらの疑問の逐一を確認し、すべてを陰謀論であると判断した上で、ツイートを発出したのであろうか。矢田部氏は、「お互いに」という表現を用いて、自身の品位よりも吉田氏の品位の方が相対的に貶められるであろうという見込みを示している(と解釈できる)ものの、実際のところ、この賭は、矢田部氏にとって不利なものである(。念のため、私自身も、同様の賭に参加している)。私のような気楽な身分から見れば、学識経験者の「品位」の「総計」を低下させないという目的に照らせば、公的な身分のある矢田部氏は、本件について沈黙を保つことが最善手であったように思われる。わが国において「陰謀論」を語る上で、身分に伴う社会関係という障害を乗り越える必要があるという点は、不正選挙に係る拙稿(2016年9月7日)に示した通りである。矢田部氏は、学識経験者に対する社会の信頼というリソースを総体的に浪費した存在として(、少なくとも、本ブログが維持される限りは)、記録されることになろう。


[7] (矢田部俊介、2017年10月2日)




9.11に係る「陰謀論」の多様性については、木村愛二氏が紹介[8]するニック・リーヴァイス(Nick Levis)氏の『あなたの「HOP」レベルはどれくらい?』[9]が参考になろう。合理的な疑いまでを「陰謀論」として片付けてしまう人には、気が付かないのであろうが、「陰謀論」の程度は、木村氏の整理に基づくと、以下のように四段階に分類できる。原文では、第三者の関与の可能性についても列挙されているが、これらが省略されることについては、まあ、分かりやすさという点からすれば、許容されることであろう。

  1. 公式見解:Ari Fleischer氏の主張通り、「警告はまったくなかった」とする説。
  2. 無能説(imcompetence):Reno Wall氏のような説。ホワイトハウスやFBIやCIAやNSAなどは、警告を注意深く検討しなかった。
  3. LIHOP:計画に気付いていて抑止しなかった。「Letting It Happen On Purpose」の略。木村氏の説明によれば、「やらせ説」。
  4. MIHOP:「確信的犯行説」。「Making It Happen On Purpose」の略。諜報関係者と軍の「超政府的な同盟」。

9.11に係る陰謀説を整理する考察として、ほかには、『OilEmpire.Us』が挙げられる[10]。この考察は、リーヴァイス氏の議論を参照し、LIHOPとMIHOPの混合により、9.11が最も良く説明できるとしている。ただ、2017年現在の私から見れば、「imcompetence」の下部にある「9/11 is the excuse ...」、つまり、『華氏911』の世界観は、依然として有効であるように見える。この世界観は、ブッシュ一族が彼らに近しい利益サークルに対して利益を供与することを目的として、LIHOPかMIHOPかが企図された、というものである。「ショック・ドクトリン」というナオミ・クライン氏の造語は、この構図を経済的観点から説明する概念である。

吉田氏のどの発言について矢田部氏が「陰謀論」と評したのかは、出典がツイートラインに示されないので、調査手段がパンピーレベルで、広報手段を自粛している私には、格段の努力を払うか、矢田部氏に問合せしなければ※1、確認のしようがない。『NDL-OPAC』の記事検索で、吉田氏が著者の記事のうち、2001年以降に、9.11に言及していそうなものが見当たらないので、『CiNii』でも引っかからないであろうと予想して、一般人としての努力義務は果たしたと記しておくことにしよう。論理学を京都大学で講義しているという矢田部氏の「一刀両断」な姿勢に比べれば、本稿で紹介した「陰謀説」を否定しない見解の方が、よほど論理的に思えてしまうから、これで、十分にフェアだと思うことにしよう。こう結論付けたのは、私の思考の箍が、どこか、決定的に外れてしまっているからであろう。「理系」の人物だけ[11]に「教養」が備わっていない訳ではないという状態は、わが国における京都大学という組織の地位まで考慮すれば、日本国民全体にとって、救いのない話である。


※1 問合せ(しながら、同時に、私の側から媒体を超えて広告活動に従事)するという行為は、最近の私事に照らせば、ルール破りが仕掛けられたものと判定できるために、私の中では、選択肢の一つとして可能なものとなってはいる。


[8] 木村愛二, (2006.12). 『9・11/イラク戦争コード:アメリカ政府の情報操作と謀略を解読する』, 東京: 社会評論社.
http://id.ndl.go.jp/bib/000008396023

[9] WHAT IS YOUR HOP LEVEL? Ten 9/11 Paradigms
(Nicholas Levis、2004年4月1日、改訂2006年5月)
https://web.archive.org/web/20110112030040/http://summeroftruth.org/lihopmihopnohop.html
#2017年10月18日時点でリンク切れのために、『Internet Archive Wayback Machine』によった。

[10] LIHOP, MIHOP and Hijacking the Hijackers
(2017年7月26日)
http://www.oilempire.us/lihop-mihop.html




2017年11月3日訂正

誤記を訂正した(。余分な文字を削除した)。

2017年5月21日日曜日

(メモ・感想)新東京オリンピックの中止理由は何になるのであろうか

阿部潔氏は、『反東京オリンピック宣言』(2016.08)※1所収の論考[1]において、『アクション&レガシープラン 二〇一六 中間報告』を、経済負担の大きさを糊塗するものである(p.41)と同時に経済ナショナリズムを推進するものである(p.54)、過去のオリンピックに対して歴史修正主義的である(pp.44-46)、国家に奉仕するセキュリティ体制を拓く(p.50)、などの観点から批判する。阿部氏は、以下のように、中止となった四〇年大会に係る歴史修正主義を批判する。

震災からの「復興」のために計画された四〇年大会は、残念ながら国際情勢に振り回されることで実現しなかった。そのように「幻のオリンピック」の歴史が淡々と語られる。

この阿部氏の批判は、私には、2020年大会の中止の言い訳として現今の北朝鮮情勢の悪化が利用されるという可能性をあぶり出すものとして読めてしまう。もちろん、これは牽強付会である。だがしかし、国勢を軟着陸させるのに、新東京オリンピックをいかにして利用するのかを考えた場合、考え過ぎても損はない。これはマジで冗談であるが、北朝鮮は、今後、毎週末に「ミサイル発射実験」を繰り返すかも知れないのである。新東京オリンピックに先立ち極東情勢が過度に緊張することは、「国際情勢に振り回される」という点で、過去の経験と共通部分を有することになる。「幻の四〇年大会」という過去の出来事は、一種の「預言」※2となるのである。もちろん、北朝鮮を満州国の残置国家であるとする(少数)説を採用する者からすれば、この線も、十分に考えられることである。


[1] 阿部潔, (2016.08).「先取りされた未来の憂鬱 東京二〇二〇年オリンピックとレガシープラン」, 『反東京オリンピック宣言』, 小笠原博毅・山本敦久〔編〕, 航思社.


※1 同書は、それなりに多岐にわたる論点を取り扱いはするが、能力の限界からか、あるいは意図的にか、著者らに先行する陰謀論界隈のブロガーらの議論を無視したものとなっている。たとえば、阿部氏の上掲論考のうち、セキュリティ面に係る議論については、参照すべき政府資料を参照していない、とのみ指摘しておこう。このため、内容の幾分かは、既視感に溢れるものとなっている。これらの、自ら「陰謀論」という名の泥に塗れずに先人の業績を掠取しているかのような、学術上の新規性に係るかの主張は、白井聡氏の『永続敗戦論』にも見て取れる。ここではあえて、同書の先取性について、注意しながら検討すべきであると明言しておこう。

※2 陰謀論に詳しい読者であれば、スティーブ・ジャクソン・ゲームズの『Illuminati: New World Order』だけが新東京オリンピックに係る「預言」を運ぶメディアではないことを、十分ご存じのはずである。『Dying Light』というゾンビ物のFPSゲーム(2015年2月; 4gamer.netより)は、オリンピック会場を建設する途中であった、イスタンブールを想起させる隔離都市であるハランを舞台としている。




2017(平成29)年5月28日追記・訂正

まず最初に、『反東京オリンピック宣言』の表紙に、著者らによる英語の題名『The Anti-Olympic Manifesto: Against 2020 Tokyo Olympic and Paralympic』があったことに、本記事の作成後に気が付いたので、ここに指摘してお詫びする。本ブログの記事の題名は、私の下手な英語で英語話者向けに意図を要約したものになっている。このため、英語の題名が間違っていると、遠い将来、(本ブログが消されなければ、)誰かに不都合を生じるやも知れない。記事のファイル名を変えることはせず、ここで修正しておくに留めることにする。

ところで、塚原東吾氏の「災害資本主義の只中での忘却への圧力――非常事態政治と正常性バイアス」の中に、normalcyという語がウォーレン・G・ハーディング氏により新たに造られた語であるという指摘が見られるが、これは誤りである[1]。ただし、同氏の大統領選挙キャンペーンにおいて、「日常に戻ろう(Return to normalcy)」というキャッチフレーズに用いられて[2]以来、使用されるようになった[3]ことは事実のようである。ここでの私の指摘は、本質的な批判ではない。ただ、「正常性バイアス」の使い方に係る批判の前に先立ち、準備を進める中で気が付いたことなので、まずは報告しておく。

塚原氏の論考に対して指摘しておきたいことは、「正常性バイアス」の用法が間違いとは言えないが、関東以東の居住者の心性を十分に説明し尽くせないという可能性である。正常性バイアスの語は、時間軸上、災害が具体的に生じる直前までの間か、または、発災直後に対して用いられてきた。この概念は、「煙が生じているのに(皆が逃げないから)行動しない状態」や、「その土地で生まれ育ったが一度も大地震を経験していないので自宅の耐震補修・改築を行わない人物」の心性を説明するものである。日常生活を送る中で突如発生した災害に対して気持ちを切り替えることの難しさ、日常時から災害時を想起することの難しさは、「正常性バイアス」の語の対象となるが、この語は、「日常化した、五感では(ほとんど)感知できないが、厳然と存在する具体的な危険の下にある人々の心性」を十分に説明できないのではないか。原子力ムラの(エア)御用学者によって歪められ(再)生産されつつある学術上のエビデンス(のいかがわしさ)や、そのエビデンスを恣意的に選択して報道するマスコミの姿勢といった、福島第一原発事故に対する個人のリスク観の形成に影響を与える主要素を、「正常性バイアス」の語は、十分に汲み取れていないのではなかろうか。もっとも、事故の影響が致命的であるという前提を誰もが共有した世界においてであれば、正常性バイアスの語は、福島第一原発事故に対しても、使用可能であるものと考えられる。とりあえずまで。


[1] The Mavens' Word of the Day
(1999年06月25日)
https://web.archive.org/web/20060618085340/http://randomhouse.com/wotd/index.pperl?date=19990625

A fact brought up at that time was that not only was normalcy around since 1857, or before Harding was even born, but the supposedly proper normality was only a few years older, first recorded in 1849.

[2] Return to normalcy - Wikipedia
(2017年05月28日確認)
https://en.wikipedia.org/wiki/Return_to_normalcy
#ページ内の根拠に係る2つのリンクのうち、リンク切れのものは、『Internet Archive Wayback Machine』に収録済み(上記[1])。

[3] british english - In Britain the word 'normalcy' is ridiculed - English Language & Usage Stack Exchange
(2013年09月27日)
https://english.stackexchange.com/questions/129016/in-britain-the-word-normalcy-is-ridiculed

2016年10月9日日曜日

地区計画によれば豊洲市場のカジノへの転用は墓地への転用より容易である


 豊洲市場が別の用途に転用されるのではという憶測は、霊園というものまで飛び出す[1]始末である。この手の推測は、言った者勝ちである側面が見られるので、色々な意見が見られることは、半ば必然である。わが国の多くの経済学者や米国の経済評論家のノリである。珍しい意見は、マスメディアに掲載される機会を増やすものであるし、一度目覚ましい成果を上げればメディアの主流に乗ることができるので、わざと耳目を驚かす意見を提示することは、弱者の戦術としてアリということになる。蛇足となるが、この点においても、私は、ネイト・シルバー氏の「キツネとハリネズミ」の比喩に不満がある。

 これに対して、私自身がカジノ転用説に同調する理由は、カジノという金融政策上の新規の脆弱性に対して予防線を張るためである。あらかじめ釈明しておくと、この行動は、弱者の一点張り戦術にはならない。というのも、この説の先取権が私にはない上に、この説が正解であったとしても、現在のわが国社会を前提とすれば、言論商売上の利益には繋がらないからである。カジノ転用説の起源をどこに求めるのかの探索は、別の機会に譲るが、私の知る限りでは、前記事(リンク)にて言及した「ペコちゃんdēmagōgos」氏(@a_la_clef)の推測は、最も早いものである。カジノ転用説の正しさを喧伝するとともに、カジノへの転用を警告するという行動は、日本社会の大多数の国民の認識の大転換を当てにする分、決して賢明な生き方とは言えない。

 墓園転用説は、カジノ転用説の正しさを補強する際の対比には有用である。墓園は、都市計画法上、都市施設の一つである公共空地(同法11条1項2号)の一種[2]であり、国土交通省(平成28年9月)『第8版 都市計画運用指針』も、緑の豊かな空間に配置するよう指示している[3]。既存の施設が墓園に転用されるとすれば、ゴルフ場であろうと思っていたところ、宝塚市はすでにそのような墓園を用意しているようである[4]。東京都が管理・運営する施設として、豊洲市場を墓園に転用することは、無理筋である。ただし、東京都が豊洲市場を民間企業等に払い下げた上で、その民間企業等が墓地経営を申請するという筋書きは、可能性がゼロという訳ではなかろう。いずれの場合においても、墓園とするには、地区計画の変更が必要になりそうではある。この一方で、カジノへの転用は、江東区の提示する、現行の地区計画の範囲内に収まりそうである。現時点の当該地域の用途地域は、平成24年9月では、5・6・7街区のすべてが建蔽率60%・容積率200%の工業地域である[5]。平成28年4月現在も、江東区のサイトで見る限り、同一の指定である[6]。

 これら従来の都市計画制限による限りでは、カジノへの転用にも支障があるように見えるが、豊洲市場等に係る地区計画[7]は、転用を容易にする方向へと定められている。同計画によれば、5街区の用途制限は商業地域のもの(建築基準法[8]第48条及び別表第二(り))と、6・7街区の用途制限は準工業地域のもの(別表第二(ぬ))と同一である。また、風適法[9]による店舗型性風俗特殊営業(2条6項1~6号)は許可されないものの、今後のIRで必要とされるであろう、無店舗型のデリバリーサービスの拠点(2条7項)やナイトクラブ(2条11項)に係る制限はない。商業地域・準工業地域のそれぞれは、劇場やホテル、各種の遊戯施設を建設するのに最適な用途地域である。この地区計画は、引用したとおり、複合的な都市機能を目的に据えるものであるから、目的に沿ったものではあるが、豊洲市場の整備を前提とする割には、5~7街区に係る用途変更に係る根拠の不明瞭さを多く残すものである。さらには、工業地域において建築してはならない建築物に、ホテル又は旅館(建築基準法別表第二(る)2号)、キャバレー、料理店その他これらに類するもの(同3号)、劇場、映画館、演芸場若しくは観覧場又はナイトクラブその他これに類する政令で定めるもの(同4号)、病院(同5号)、店舗、飲食店、展示場、遊技場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類する用途で政令で定めるものに供する建築物でその用途に供する部分の床面積の合計が一万平方メートルを超えるもの(同7号)などがあるが、これらの建築物は、いずれも、IR法案に関連して話題となったことのある施設ばかりである。工業地域における市場の建築は認められているため(建築基準法別表第二(る)に「市場」の明記がない)、用途地域の変更には別の理由がある。商業地域・準工業地域という制約の緩い用途地域ではなく、ほかの用途地域へと変更しても、市場という都市施設の建設には支障がない。ところが、平成18(2006)年12月の時点で、商業地域・準工業地域への用途地域変更が卸売市場の公開した『豊洲新市場整備等事業実施方針』には記載されている。言葉を変えて指摘すれば、当時の東京都都市計画審議会(の少なくとも事務局)がこの実施方針に先立ち、用途地域の変更を承知しており、これらの用途地域でなければならないことを承知していたことは、手続き上、確実である。仮に、そうでないとすれば、都市計画審議会が十分に仕事をしていなかったことになる(都市計画法23条6項、建築基準法51条)。当時の事情を調べてはいないが、工業地域からこれらの用途への変更のキーポイントは、当時から別の観点からの問題が指摘されていたが、「千客万来施設」の設置になりそうである。都市計画審議会の学識経験者らは、よもや、カジノ転用などという悪意が潜む話であったとは思わなかったであろう。これで、結果責任を引き受けるべき都知事の氏名は、都市計画の観点からも確定できそうである。

#ちなみに、築地市場の用途地域は商業地域であるが、この指定は近隣との一体性を見込み、指定されたものであると考えることができよう。(市場を利用する業者の利用料金を高く設定する根拠の一つとなっているかも知れないが、そこまで調べる必要は、ここでは必要ないであろう。)


[1] 墓地不足も一気に解消 豊洲「大規模霊園」計画が急浮上 | 日刊ゲンダイDIGITAL
(記名なし、2016年10月09日)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191445
生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏が言う。
「もし、豊洲が墓地として使われることになったら、それなりに人気が出ると思います。お墓が故郷にあり、遠くてお墓参りに行けない人も多いはず。都内に大規模霊園ができれば、需要はきっとあるでしょう」

[2] 都市計画法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S43/S43HO100.html

[3] 国土交通省(平成28年9月)第8版 都市計画運用指針(001143754.pdf)
http://www.mlit.go.jp/common/001143754.pdf
IV.都市計画制度の運用の在り方
 IV-2 都市計画の内容
  IV-2-2 都市施設
   II)施設別の事項
    B.公園、緑地等の公共空地
(4)墓園
 墓園とは、自然的環境を有する静寂な土地に設置する、主として墓地の設置の用に供することを目的とする公共空地である。
[4] 宝塚すみれ墓苑の特長|宝塚市公式ホームページ
http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/1012262/1003497.html
元の地形であるゴルフ場の名残を生かす
  • ゴルフコースそのままの芝生墓地
  • 芝生を最大限生かしたデザイン
  • 既存樹木を残存させるため、森林伐採は最小限に
  • コンクリート壁面のない景観

[5] 都市計画情報等インターネット提供サービス | ポータルページ
http://www2.wagamachi-guide.com/tokyo_tokeizu/

[6] kotokuyoto2016_ - kotokuyoto2016_5.pdf
https://www.city.koto.lg.jp/seikatsu/toshiseibi/7718/82204/file/kotokuyoto2016_5.pdf

[7] 東京都都市計画地区計画の変更(東京都決定)豊洲地区地区計画(再16 豊洲地区.pdf)
http://www2.wagamachi-guide.com/tokyo_tokeizu/pdf/chikusai/%E5%86%8D16%E3%80%80%E8%B1%8A%E6%B4%B2%E5%9C%B0%E5%8C%BA.pdf
業務、商業、住宅、文化、アミューズメントなど多様な機能の導入によるにぎわいのある魅力的な複合市街地の形成を図る

[8] 建築基準法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO201.html

[9] 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO122.html

[10] 東京都中央卸売市場(平成18年12月)『豊洲新市場整備等事業実施方針』(C:\Documents and Settings\T06F09320\デスクトップ\水準書.prn.pdf - 1219jisshihoushin.pdf)
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/pdf/project/1219jisshihoushin.pdf
第4 立地並びに規模及び配置に関する事項
 1 立地に関する事項
  (2) 事業用地、用途地域等



平成28年10月10日追記・修正


 横出しの情報を追記し、リンクを張り、文言を一部修正した。その部分は、淡赤色で示した。修正前の語句は、コメント化した。

 なお、この記事に対する『2ちゃんねる』のコメント[11]の中には、豊洲市場が死体置き場へと転用されるというものが見られる。仮安置場という用途は、恒久的に墓地とする方針よりも、遙かに合理的である。とはいえ、特別な事件や災害などのない状態において、この種の用途が民間企業によって担いきれなくなるという事態は、社会における別の種類の機能不全が顕わになった後に来るものと考えられる。その状態の下では、政府が民間企業をよほど上手く差配しなければ、家族が遺体を豊洲市場まで運搬すること自体、困難な作業となっているであろう。大災害が極々近い将来に生じた場合には、仮安置場は、カジノへの過渡的な用途となる可能性が認められる。もっとも、大災害が地震であった場合、建物が構造上問題ないか否かは疑わしい。

[11] 著名人の病気や体調不良・訃報報告★75©2ch.net
(2016年10月10日11時03分)
http://rio2016.2ch.net/test/read.cgi/lifeline/1474542402/
759 : 地震雷火事名無し(東日本)2016/10/09(日) 17:38:24.05 ID:64ouWaHL
>>754
新国立競技場が死体置き場になると、予想している人は、いたが
まさか、豊洲がなるとはな!巨大冷蔵庫があるから、夏も安心だ