2017年3月30日木曜日

森友疑惑とソロス氏訪日とのタイムライン(メモ)

豊中市議の木村真氏が近畿財務局に売買契約書の開示を請求したのは、昨年9月2日※1。今年2月8日の(一部)非開示決定※2を受けて、木村氏は、同日提訴※3。朝日新聞は、昨年12月に別途請求を行い、1月に棄却されたが、登記簿などを調べた結果として、契約違反時の買戻し特約が1億3400万円で設定されていることを2月9日の朝刊に合わせて報じる※4。これらの報道等を受ける形で財務省が金額を開示したのが、今年2月10日※2

以上のタイムラインを合わせてみると、朝日新聞は、あらかじめ木村氏から森友疑惑についての話を聞いていたが、木村氏の請求が棄却されるタイミングまで、事実関係の公表を待ったものと認められる。財務省が、なぜ、木村氏の請求に対する決定をここまで遅らせたのか。朝日新聞への非開示決定に至る経緯と対比され、検証される価値がある。というのも、麻生太郎氏がジョージ・ソロス氏に面会したと記者会見で述べたのは、今年1月10日(祝日明けの火曜)である※5。安倍氏とソロス氏の面会は、4日前の今年1月6日であり、16:40~17:22に「米投資家のジョージ・ソロス氏、アデア・ターナー元英金融サービス庁(FSA)会長、船橋洋一日本再建イニシアティブ理事長」となっている※6。今年1月7日のジャパン・タイムズは、共同通信の記事として、麻生氏や日銀総裁の黒田東彦氏との面会が別に行われた※7ことを伝えている。日刊ゲンダイは、現政権に何かと辛辣であるが、本件を今年1月14日に取り上げている※8。日本に固有の祝日明けの10日に記者会見があったとはいえ、産経新聞※5以上にタイミングがずれている。この3~4日間ほどのタイムラグは、何らかの動きを説明するものであろう。ゲンダイの記者は、知ってか知らずしてか、ソロス氏=戦争屋の露払いをさせられたのであろう。ゲンダイが社会正義を標榜するのであれば、この点、自浄作用が求められよう。

確認した限りでは、ソロス氏の推奨するシムズ理論ならびにヘリコプターマネーに対して、麻生氏は否定的である。言うまでもないことではあろうが、現内閣における本件への答弁は、副首相と財務相を兼任する麻生氏が担当する。2月15日(衆議院・財政金融委員会)※9と3月9日(参議院・財政金融委員会)※10の2回の答弁は、麻生氏の見解を端的に示す。2月15日の麻生氏の答弁は、日本維新の会の丸山穂高氏に対するものであり、節度なき通貨発行がハイパーインフレを惹起する、と答弁している。3月9日の答弁は、公明党の平木大作氏に対するものである。1時間半にわたりカネの話をした、ヘリマネは実証されておらず、ハイパーインフレになり得る、1億2000万の国民を預かる立場の者として実験台になる訳にはいかない、という内容である。なお、平木氏は、シムズ理論が魅力的であると前置きした後に、その是非を問うている。

麻生氏、または、そのブレーンである財務省は、トランプ政権誕生以前から、一貫してヘリコプター・マネーに対して懐疑的である。麻生氏の答弁によれば、その原因を市中へのマネーサプライが増加しない点にあるとみている。また、頭を下げてまで銀行に資金を借りたくないという事業者のプライドが背景にあるものとみている(2016年2月23日)※11。黒田氏は、国会の会期ごとに、なぜヘリコプターマネーに手を付けないのかという国会質問の矢面に立たされている。本稿では例を挙げることはしないが、黒田氏の一連の答弁も、この麻生氏や財務省の観点に準じたものであると読むこともできそうではある。

本件で戦争屋がヘリコプターマネーを断られたことを理由に、安倍政権がソロス一味に森友疑惑を仕掛けられたとすると、麻生氏の二度の答弁は、森友疑惑の公表に対する安部政権側の意思表示と観ることができる。朝日新聞による報道を受けた後、麻生氏の答弁は、国会という公の場を通じて、ソロス氏の要請には応じないという意思を決定的に示したものと認められる。3月9日の答弁は、自民党国対委員長の竹下亘氏による、16日における籠池泰典(泰博)氏の招致決定※12へと至る道筋を確定的なものにしたとも読むことができる。

本件のタイムラインに関連する人物のうち、わが国では誰が一番のクズかという問題は、ソロス氏の策謀の片棒担ぎをした、船橋洋一氏(元・朝日新聞主筆)であり、その周辺のマスメディアであるように見受けられる。人には皆至らぬところがある(し、私もクズであることは自覚している)ので、民主主義国家に生きる国民は、置かれた状況下において「よりマシ」と思える選択を下すしかない。この「できることからできるだけ」行うという理想を無視して血に塗れたカネに平伏する姿勢では、(社会集団としての)マスメディアがダントツで抜きん出ている。ソロス氏は、超・金持ちのはずなのにドケチであるか、マスメディア(の集合知)に比べて余程狡猾であるかのいずれかである。森永グループに比べて、ソロス陣営は、全くと言って良いほどテレビCMを打っていない。ここぞとばかりに「人類みな兄弟」のような博愛主義を説くCMを放送させまくったり、「ウクライナは今」みたいな大型ドキュメンタリーでゴールデンタイムを占拠させるという手はずを実行していたとすれば、メディアは、多少とも良心があるとの見かけを演出することに成功していたであろうし、ソロス氏から収益を上げることができていたであろう。ソロス氏やマスコミ上層部が賢明ではないという実情は、われわれ人類が戦争屋を放逐するために利用可能な資源であろう。おまけ。ピザゲートは、やはり、ニセニュースであるとは思えない。



※1 情報開示巡る訴訟、国側争う姿勢 森友への国有地売却額:日本経済新聞
(2017年03月14日12:31、記名なし)http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H1R_U7A310C1CC0000/

※2 森友問題を最初に追及 木村真市議が語った「疑惑の端緒」 | 日刊ゲンダイDIGITAL
(2017年03月16日、聞き手=遠山嘉之)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201557/1

※3 提訴:豊中市議、国有地売却額開示求め - 毎日新聞
(2017年02月09日、原田啓之)
http://mainichi.jp/articles/20170209/ddn/041/040/006000c

※4 学校法人に大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の1割か:朝日新聞デジタル
(2017年02月09日5時3分、吉村治彦・飯島健太)
http://www.asahi.com/articles/ASK264H4YK26PPTB00J.html

※5 麻生太郎財務相「ソロス氏、稼いで何したいか理解できない」とチクリ トヨタの米投資は「目の付け所悪くない」 - 産経ニュース
(2017年01月10日13:28、記名なし)
http://www.sankei.com/politics/news/170110/plt1701100019-n1.html

※6 1月6日(金):時事ドットコム
(2017年02月09日19:59:04+09:00、記名なし、2017年3月29日確認)
http://www.jiji.com/jc/v2?id=ssds201701_26

※7 Abe meets visiting U.S. investor Soros as he seeks new ideas for Abenomics | The Japan Times
(2017年01月07日、共同通信)
http://www.japantimes.co.jp/news/2017/01/07/national/politics-diplomacy/abe-meets-visiting-u-s-investor-soros-seeks-new-ideas-abenomics
#以下の兵頭正俊氏の論考からリンクを辿り確認して欲しい。
人工知能(AI)と雇用 | 兵頭に訊こう
(2017年01月12日)
http://m-hyodo.com/ai/

※8 大富豪ソロスに悪態 麻生財務相“身の程知らず”の頭の中 | 日刊ゲンダイDIGITAL
(2017年01月14日、記名なし)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/197456

※9 衆議院会議録情報 第193回国会 財務金融委員会 第2号
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/193/0095/19302150095002a.html
#194番目の発言者、末尾に近い部分を参照。

※10 参議院インターネット審議中継
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
#執筆時点では、会議録がインターネット公開されていない。雰囲気を上手く描写したツイッターまとめがある。書き起こしとして、100%正確ではないが、雰囲気と要旨は十分に伝わる。
麻生財務大臣のジョージ・ソロス評およびシムズ理論こき下ろし大会 (3月9日参院財政金融委員会) - Togetterまとめ
https://togetter.com/li/1089823

※11 衆議院会議録情報 第190回国会 財務金融委員会 第5号
(平成28年02月23日)
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/190/0095/19002230095005a.html
#発言の61番を参照。

※12 籠池氏:23日証人喚問へ 自民・竹下国対委員長が提案 - 毎日新聞
(2017年03月16日20:52(最終更新03月17日17:51)、朝日弘行・高橋恵子)
http://mainichi.jp/articles/20170317/k00/00m/010/063000c




(自身のための)メモ

  • 情報公開請求に対しては、通常、30日以内に回答することとなっている。
  • 6日の安倍氏とソロス氏の直前の会談は、国家安全保障会議の四大臣会合の実務トップレベル。財務大臣は四大臣に準ずる九大臣。
  • 一般財団法人『日本再建イニシアティブ』は、福島第一原発事故のいわゆる「民間事故調」。日本再建イニシアティブ『日本最悪のシナリオ9つの死角』(2013年3月、新潮社)は、福島第一原発事故の健康影響を今後の最悪シナリオとして含めていない点で、危機管理関係の書籍としては、噴飯物である。フクシマ事故の影響の検討を民間事故調報告書に譲ったという記述もない。わが国の防災研究、出版業、論壇の底が割れる話である。


総務省|情報公開制度|情報公開法制の概要
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/gyoukan/kanri/jyohokokai/gaiyo.html

Microsoft PowerPoint - 資料1:説明資料.pptx - siryou1.pdf
内閣官房国家安全保障会議設置準備室, (2013年5月29日)「(資料1)『国家安全保障会議』について(説明資料)」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ka_yusiki/dai6/siryou1.pdf

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