2015年9月18日金曜日

Googleの鬼怒川水害における衛星写真提供に対する識者等のコメント等について

Abstract: There is a news wire by Nikkei Business Online (link below) that tells Google map satellite image beats the map provided by Japanese Government Crisis Management Team.  However, it seems to be desirable for Google to refrain from putting the article to the top of search results when searching words "Kinugawa flood" and "timeline", to make good relation with public sectors in Japan.  Japanese crisis management system may require update as the U.S. military services evolved on the concept 4CI.

#Googleサービス傘下のBloggerのブログ内で本件に言及するのは、中立性が保たれていないのではないかという懸念を読者に持たれる可能性があるのですが、本件について、ここに記された以上の含みを有するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。

下記、日経ビジネスオンラインの記事が人気のようです。

情報収集衛星、鬼怒川水害でグーグルにKO負け:日経ビジネスオンライン http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/217467/091400001/

下記ニュースコメントサイトでは、堀江貴文氏が民間委託は世の流れだとか、オックスフォード大学で仕込まれた立命館の准教授の琴坂将広氏が似たようなことを述べていたりします。

情報収集衛星、鬼怒川水害でグーグルにKO負け
https://newspicks.com/news/1157364/

琴坂氏のコメントは次のとおりです。
これは良記事。
時代が変わり、情報通信衛星の意味や価値も大きく変わった。年間一千億円を投じるとしたら、未来に向けて違うカタチがありそうなのは間違いない。

しかし、彼らは危機管理の基本である一国自前主義(これは私の造語ですが、たとえば佐藤優氏のいう「インテリジェンスに友人なし」を指します。)という原則を知らないか、忘れているか、わざと無視しているかのいずれかです。宇宙産業に投資している商売人である堀江氏が民間委託を推奨するのは当然だし、どんどん主張してもらってかまわないのですが、琴坂氏がこのような発言になるのは、日本国民全体の利益を考慮すべき日本人(でないかもしれませんが)の有識者の本分から外れることであり、残念です。立命館大学は、政府の危機管理分野にも一部関与していますが、その人たちの努力に水を差す形になっていると思います。誰のために仕事をしているのか、社会に深く関わる学識経験者と呼ばれる者は、それなりに注意しつつ、発言することが求められるはずです。以上は、有識者等の意見に対する私の意見です。


私自身のGoogleのサービスと政府の公開状況に対する意見を以下に示します。大きく二点あります。まず、一つ目に、単に、高精度の衛星写真上に大量の情報を掲載し、それらの情報を快適な速度でユーザに配信できるGoogleのサービス水準は凄いなあ、と思います。この点こそが、Googleの強みであると思いますので、後ほど触れることにします。

二つ目の私の意見は、衛星写真の解像度は現場の指揮者にとってはそれほど問題ではなく、高解像度の映像と地理関係との対応関係を瞬時に確定できれば、むしろその方がどれだけありがたいことかと感じられるのではないかというものです。この二つ目の意見は、実用化に向けて研究開発が進められている技術のはずですから、今後に期待しているところです。

今現在(2015年9月)、Google(および提携先の情報ハード系企業)を危機管理上のソリューションとして採用することの強みは、Googleの伸長の原動力である検索サービスの優秀さよりも、安定して高速に大量の情報を取得・配信できるインフラにあると思います。本件に即して繰り返すと、衛星写真の解像度そのものではなく、高解像度の衛星写真を載せて数千万人が同時にアクセスしていても快適に大量の情報を送受信できているサーバ性能を確保できていることにこそあるのではないかと考えます。しかし、目下の危機管理における課題は、わが国では大量にスマホ経由で日本語情報が産出されることを期待できたとしても、それを集約し、情報の内容に優先順位を付け、消防・警察・自衛隊・自治体等のリソースを配分する段階にこそあります。軍事研究の本場のアメリカ合衆国で育まれたGoogleに対して指摘することは、大変おこがましいのですが、かつて米国の軍事ドクトリンは、4CIという語に示されるように、情報流通過程の再編(ネットワーク化)を視野に入れてグレードアップされたことを聞きます。わが国の災害対策における情報管理は、この経緯と同形のグレードアップが必要な状態にあると理解するのが適切です。もちろん、Googleのプラットフォームは、その実現を可能とする能力を備えてはいるものの、一般に開放されたGUI群を使う限りでは、具体的なAPIを構想・開発した上で提供していく必要があるように見受けます。


公共機関向けシステム開発では、開発側によるUIの押しつけが常態化していますが、危機管理を担当する消防・警察・自衛隊では、自身の業務に無限責任を負うという覚悟で仕事をする意識が十分に徹底されているように感じられます。そうしたところに、現在のソリューションよりもこちらの方が良いですよ...と押しつける形になることは、少なくともわが国における建前論上は、金と命が等価ではないので、金で攻めると(現場の職員の)命を理由に断られることにつながります。現在のソリューションで腹を切る覚悟ができている(はずの)担当者には、おいそれとGoogleマップを使えば良いと言うわけには参りません。外野がどう思おうとも、今のところ、現場を指揮する者の判断に任せるほかない、と思います。Googleジャパン社の官公庁担当としては、衛星写真解像度については、(私が調べようと思ったのは、「鬼怒川水害 タイムライン」ですが、この検索ワードでトップに日経のニュースが来てしまうような調整は行わず、)控えめな宣伝に留めておいた方が、将来、担当者側からの好意的なコンタクトを期待できるはずだと思います。

また、なおのこと、そうしたときに、日本国政府が自前で危機管理上のソリューションを用意することに対して、有識者たる者が、金額の大きさだけで批判を加えることは、行政の危機管理担当者の業務の難易度を高めることになり、ひいては、国民の生命および財産を危険に晒しかねないものとなると同時に、どこの営利企業と裏で結託しているのやら、という疑いを抱かせることになるものと考えます。

まとまりがないのですが、ブログにおける自分のポリシーを遵守した範囲内での私の意見は、とりあえず以上です。

2015年9月19日 08:12JST 追記

上記時点で「鬼怒川水害 タイムライン」で検索したところ、トップ3は以下のとおりでした。
順番からしても、今後の水害対策を考察する上で、有益な順に情報が並んでいると考えます。
(私は、下記3件の並びには、本エントリーの執筆を除けば、関与していません。)
検索結果が改善されていく、というところも、Googleの、ひいてはアメリカのエンジニアリング上の哲学の強靱さだと思いました。
  1. 今回の鬼怒川大水害の被害を大きくした原因を考える!※9/13 ...
    sciencecity.tsukuba.ch/e280377.html
  2. 鬼怒川大水害 これは偏った治水政策が招いた「人災」だ!
    https://newspicks.com/news/1157433/
  3. 情報収集衛星、鬼怒川水害でグーグルにKO負け - NewsPicks
    https://newspicks.com/news/1157364/

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