2015年9月18日金曜日

救急搬送者数(メモ代わり)

#以下、メモ代わりなので、整頓されていません。あしからずご了承ください。ただし、出典がすべて分かるように、リンクだけは用意してあります。英訳は、私訳であって定訳を確認していません。
# This article is just a note.  English translation is by the author: it is just a casual one and further confirmation is being required.

  1. 平成27年3月31日 総務省消防庁 報道資料『「平成26年の救急出動件数等(速報)」の公表
    Fire and Disaster Management Agency, 2015 Mar 31th, press release "Number of ambulance dispatch in 2014 etc. (bulletin)"

表2:救急出動件数及び前年比増減率の推移
Table 2: Number of ambulance dispatched and (percent) change from the previous year
年間件数
numbers dispatched in the year
前年比
change from the previous year
増減率
percent change from the previous year
平成15年 2003 4830813 274932 6.0%
平成16年 2004 5029108 198295 4.1%
平成17年 2005 5277936 248828 4.9%
平成18年 2006 5237716 -40220 -0.8%
平成19年 2007 5290236 52520 1.0%
平成20年 2008 5097094 -193142 -3.7%
平成21年 2009 5122226 25132 0.5%
平成22年 2010 5463682 341456 6.7%
平成23年 2011 5707655 243973 4.5%
平成24年 2012 5802455 94800 1.7%
平成25年 2013 5911281 108826 1.9%
平成26年(速報値) 2014 (value for this bulletin) 5982849 71568 1.2%





  1. 平成22年度 救急業務高度化推進検討会 報告書
    Preliminary Committee Report on promotion of development of ambulance tasks in FY 2010 
  2. 同上 第8章 救急搬送の将来推計 (消防救急業務高度化.indd - 8.pdf)
    Ibid., chapter 8, estimates of ambulance transpotation (消防救急業務高度化.indd - 8.pdf)

上記報告書の第8章170ページの図8-7の補足には、
人口総数の推測値は「日本の市区町村別将来推計人口(平成20年12月、社会保障・人口問題研究所)」を使用した。なお、2015年以降の将来推計は、救急搬送率と推計人口を用いて算出したものであり、今後の搬送率(救急車の利用率)の変化や社会情勢の変化等は考慮していない。
とある。




  1. 平成27年1月22日 東京消防庁 報道発表資料『平成26年中の救急出場件数が過去最多を更新~救急車の適正利用にご協力を!~』
    Tokyo Fire Department, 2015 Jan 22th, press release "Number dispatched in 2015 hit the max: we need your cooperation!"
  2. 統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103
    Portal Site of Official Statistics of Japan GL08020103
  3. 日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)|国立社会保障・人口問題研究所
    Estimate Population by Areas in Japan (Works in 2013 March), National Institute of Population and Social Security Research.
  4. 上掲推計人口より「男女・年齢(5歳)階級別の推計結果(都道府県)」
    Ibid., Result of estimation by gender and five-year cohorts (by prefectures)


以上の出典をまとめた表が以下。
The table below is excerption from sources [2] to [7].
全国人口(2010) total population in Census 2010, Japan(2010) 12719万人 127.19 million
全国出動件数(2010) total number of dispatched ambulance, Japan(2010) 5463682件
全国推計人口(2015) estimated total population by National Institute of Population and Social Security Research in 2013 Oct., Japan(2015) 12545万人 125.45 million
全国出動件数推定(2010年度に2015年次を推定) estimated total number of dispatched ambulance by a council at Fire and Disaster Management Agency in 2011 Mar., Japan(2015) 560.3万件 5.603 million
東京都推計人口(2010年国勢調査を元に2015年次を推定) estimated population in Tokyo by National Institute of Population and Social Security Research in 2013 Oct.(2015) 13349453人
東京都国勢調査人口(2010) total population in Census 2010, in Tokyo Prefecture(2010) 1315.9万人 13.159 million
東京都出動件数(2014) number of ambulance dispatched in Tokyo(2014) 757609
東京都出動件数(2013) number of ambulance dispatched in Tokyo(2013) 749032
東京都出動件数(2012) number of ambulance dispatched in Tokyo(2012) 741702
東京都出動件数(2011) number of ambulance dispatched in Tokyo(2011) 724436
東京都出動件数(2010) number of ambulance dispatched in Tokyo(2010) 700981
東京都出動件数(2009) number of ambulance dispatched in Tokyo(2009) 655631
東京都出動件数(2008) number of ambulance dispatched in Tokyo(2008) 653260





以上から、簡単に考えたことをとりとめなく記す。なお、報告書本体を性根を入れて読んでいないので、推計モデル等については(、研究者としてあるまじきことと承知しつつ)、何ら勉強していない。

  1. 全国の出動件数は、30万件以上、推定値よりも増加。
    • この点は、小学校二年生以上の日本人ならば、誰でも理解できるはずのことである。なので、この点に依拠して、救急患者が激増しているという結論に一足飛びに至る者が多いというのは、ありうることである。しかし、問題は、出動件数は、将来の人口にも、ひいては将来の出動件数にも影響を与える統計であるということである。
  2. 出動件数が増加することにより、次年度以降 、人口に正負いずれの方向の影響を与えるのかは、一概に決定することができない。「予想を超えて救急搬送数が増加しているという命題を検証するためには、病院で亡くなった患者数を把握した方が良い」というのが当座の結論。
    • 出動と患者の状態とは、関係があるはずではあるが、二元表を作成して検討すべき内容である。
    • 「出動したので救命できた事例」が増加すれば、将来の人口減少には歯止めをかけるはずであり、この効果が最も顕著なもののように思われる。
    • 「出動する前に急に亡くなる事例」は、明らかに将来の人口と搬送数の両方に負の影響を与える。
    • 出動件数の予想以上の増加が人口に負の影響を及ぼすと仮定することは、正の影響を及ぼすと仮定することに比べれば自然である。この仮定が正しければ、一時的な出動件数の増加は、後の出動件数を減少させるはずである。
    • しかしなお、出動件数の予想以上の増加が人口減少に歯止めをかけると考えることは、自然なことである。
  3. おそらく、報告書のモデルは、詳しく読んでいないのでどう推計したのか把握してないが、次の要素から成るはずである。これに対して知りたい命題は、近年の救急搬送者数が予想されたよりもヤバイことになっている、というものである。
      1. 年代別人口
      2. 2010年時点の、年代別救急搬送者数
      3. 2015年の年代別推計人口
  4. あるいは、ここで下手に難しいモデルを考えたことを捨てて、分析したい年までの間、たとえば、2014年を分析したいとして、2013年までは、「人口がすでに予想されたよりも減っている、あるいは異なった人口構成になっている」ことだけを検証した後、2014年については、2010年時点の搬送率と、2014年に推計された推計人口確定数(総務省統計局によるものを利用し、社人研のものは利用しない)によって推計するというのは、まあまあ良い考え方を提供できるかもしれない。社人研の人口予測よりも推計人口自体が減少していること、それにもかかわらず2010年の搬送率により推定される出動件数よりも大きな実数値を得ていることが示されれば、何かしらの問題が生じているものと指摘してかまわないように思われる。この点、定住人口の減少した福島県で救急搬送数が増加したという福島民報?の報道は、重く見るべきである。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントありがとうございます。お返事にはお時間いただくかもしれません。気長にお待ちいただけると幸いです。