ラベル 耐震化 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 耐震化 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年10月27日火曜日

施工不良問題と「逸脱の常態化」

 ダイアン・ボーンは、NASAチャレンジャー事故の調査を通じて、Oリングの工業基準違反状態が9年間継続したという状況を発見し、この状態を「逸脱の常態化(normalization of deviance)」と呼んだ(Vaughan, 1996; 松本三和夫, 2012)。あるべき状態から違反した状態にあることが専門的小集団の全員に共有されつつも、全員がその状態を黙認する状態である。規範の逸脱状態が相互作用の中で学習、共有されていく過程は、犯罪社会学の興味のど真ん中でもあり、エドウィン・サザーランドの分化的接触理論(Sutherland, 1974※2を初期の金字塔として挙げることができる。瀬川晃によると、分化的接触理論の基本コンセプトは、松本良夫※1の言を借りると「朱に交われば赤くなる」である(瀬川, 1998, p.93)という。

※1 松本良夫, (1971). 「犯罪の習慣とは」, 『更生保護』, 26号外1号, pp.115-.
※2 瀬川晃, (1998). 『犯罪学』, 成文堂.

 今朝(平成27年10月27日)の『めざましテレビ』(7時ころ)のインタビューは、施工不良問題の背景に「逸脱の常態化」が存在していることを窺わせるものであった。横浜市の大型マンションでの施工不良問題に関連して、旭化成建材のくい打ち施工業務に長く関与した男性がインタビューに応じている。男性は、元請けも下請けも、くい打ちが少々失敗したとしても、その状態を黙認していたと話した。下請けとしては、工期が余分にかかろうと、元請けが補填しない以上は、工費を圧迫するような再調査や再施工などしない、というのである。

2015年10月27日10時追記

「「旭化成建材」発注の元現場責任者「設計段階で問題あった」10/26 11:59
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00306663.html

「旭化成建材のもとで、くい打ちに携わったことのある元現場責任者」 がインタビュイー(インタビューを受けた者)で、「(不正は)わたし自身もやっておりますし、何十人も同じことをやるのは当たり前ですね」と言う。

2015年10月10日土曜日

元祖を主張するのは大変

https://www.google.co.jp/search?q=%22%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%84%22&hl=ja&source=lnt&tbs=cdr%3A1%2Ccd_min%3A%2Ccd_max%3A2006%2F12%2F31&tbm=

「"ポール・クレイグ・ロバーツ"」という検索語で2006年12月31日以前という条件を付して検索したところ、以下の4件が検索されました。いずれも、日付自体が大きく変更されるような修正を行っている形跡が見られないように思います。上記のGoogle検索結果は、何度か条件を変えてみた結果、ある程度安定的な結果として得たものですから、単なる予想ですが、これ以上は的確な結果を得ることはできないように思います。

外国へのアウトソーシングと雇用(2)
www.foreignaffairsj.co.jp/essay/200406/drezner_2.htm
2004/07/01

シリーズ米軍の危機:その1 総論 - JCA-NET
www.jca.apc.org/stopUSwar/Iraq/us_troops_crisis.htm
2005/01/16

ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス - オーストリア学派の人たちが言っ ...
austrianeconomics.blog.fc2.com/blog-category-12.html
2001/02/01

イスラエル:暗黒の源流 ジャボチンスキーとユダヤ・ファシズム(1 ...
bcndoujimaru.web.fc2.com/archive/Vladimir_Jabotinsky1.html
2006/01/03

 ところで、これを調べたのは、有料メルマガの『カレイドスコープのメルマガ』第127号「■TPPはアジア版NATO=NWOグローバリズムのツール」(ダンディー・ハリマオ mag2 0001609520)に、「ポール・クレイグ・ロバーツを最初に紹介したのは当ブログです。」という記述が見られるからです。現在の『カレイドスコープ』のサイト自体は、2010年に開始されたと思しきものなので、随分と不遜な記述だなあと思った次第です。学術的な記述の訓練を受けた者なら、「自分が元祖」という発言が大変危険なものであるということを理解しているはずです。私は、ハリマオ氏が2010年以前に別サイトを運営していたかどうかまでは確認してはいませんが、学術的な訓練を受けているなら、その記述を引用しようとするはずです。
 なぜ、この種の主張をなすのが難しいのかという理由は、この種の主張がいわゆる「悪魔の証明」であることに帰すことができます。あること・ものが存在することは、その証拠を見せれば良いのです。しかし、あること・ものが存在しないことは、調べきることが大変難しいのです。ハリマオ氏は、カルト宗教等に深い造詣があり、その記述は、扱う題材を思えば、冷静なものに見えます。ですから、もしかすると、ハリマオ氏は、ここまでの私の指摘を重々承知の上で、筆を進めているのかもしれませんが、その点は、私にはあずかり知らぬことです。

 ハリマオ氏のメルマガは、ほかにはなかなか見られない種類の情報を提供するものです。私としては、その点を高く評価して購読しています。しかし、防災政策全般について、誤解に基づく批判が多い点は、読者の防災政策についての理解を(今まで以上に)歪める可能性が認められるために、改善して欲しいです。ハリマオ氏自身は、関係分野の研究者と連絡を取り合っているとしてはいるのですが、どうにも、その方のセンスまで疑いを入れかねないものになっています。一例として、小学校の耐震改修が急務だという話を聞いた話として挙げているのですが、小学生の一日の行動の比率を考えると、実は、住宅の耐震化こそがむしろ急務であることが分かるのです。阪神・淡路大震災の教訓の第一は、住宅の耐震性能の確保でした。陰謀論業界では、阪神・淡路大震災についても種々の噂がありますが、それらの説を考慮に入れても、時間を長く過ごす場所を安全にすることの大事さが良く分かるはずです。
 ハリマオ氏の防災政策に対する主張のおかしな点は、ほかにもいろいろあるのですが、それらについては、(池内了氏の提示した第三次)疑似科学と関連させる形で、別稿にて、後日考察したいと思います。