2018年3月11日日曜日

(一言・適当)官民パートナーシップ(PPP)の原型は勅許会社にある

TPP11の調印式[1]に対して、私なりの呪術を発するため、題名のとおりに指摘しておきたい。勅許会社(chartered company)とは、特定地域における経済・略奪活動に従事することについて権力者から勅許を得た企業を指す。17世紀ヨーロッパ各国のインド会社は、その端的な成功例である。汚れ仕事は民間に任せて、虐殺の責任はすべて手下や会社のせいであるとして、利益だけを上納させる訳である。構造上、従来のわが国の暴力団と変わるところがない。官民協働(Public-Private Partnership; PPP)のはしりが勅許会社であるとすれば、この仕組みが世界各国において、抑圧のために利用されることは、当然であった。パートナーシップという語の語感には、当初から、後ろ暗いところが存在し得たと言えよう(。拙稿では、事実の起源を探求しているのではなく、むしろ、読者の連想記憶の組替えを意図している。しかし、テストでこのように記すと、余程のことがなければ、罰点を付けられるであろう。学生は、注意して欲しい)。

おまけ1;TPP11は、2018年3月8日付で、仮訳文が政府から公開された(直リンク[2]ようである(。先月22日の拙稿では、和訳すら用意されていないことを指摘した)。

おまけ2;伊藤千尋氏の『反米大陸』[3]は、2007年の時点で、(書籍の帯でも、)日本の将来像を南米諸国に見出せると警告していた。チリ・サンディアゴで調印式が行われたことは、真に示唆的である。


[1] 環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)の署名 | 外務省
(2018年03月09日、2018年03月11日確認)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_005763.html

[2] TPP協定(訳文) | TPP等政府対策本部
(2018年03月11日確認)
https://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/tpp_text_yakubun.html

[3] 伊藤千尋, (2007.12). 『反米大陸 中南米がアメリカにつきつけるno!』(集英社新書0420D), 東京:集英社.
http://id.ndl.go.jp/bib/000009189440


#引き続き、ブログ更新をサボりがちとする予定。

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